地球へ…


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〜感想・評価〜

 

ここでは、作品についての評価と感想を述べています。

大好きな作品であり、適切な評価を下せる自信は今ひとつなのですが、
楽しんで頂ければ幸いです。

 

注)・評価は5段階評価です。

 

 

地球へ…


評価(原作)

ストーリー

5+

スケールが大きく、そしてどこまでも深い。

オリジナリティ

外へ旅立つのではなく地球に帰るのだという点など。他にも当時は色々と斬新だったらしい。

一貫性

5+

どれだけ時が流れても、想いは一つ。―地球へ。

話の構成

綺麗にわかれていてわかりやすい。そして最後の破局……!

画面構成

4+

想いの流れ、抽象的なものが伝わる。

4+

宇宙の深淵や冷たく澄んだ空気、炎の苦痛、溢れ出す感情など五感に伝わってくる。

感動

熱く燃えるわけではないけれど、胸を焦がすような切なさが、静かに染み入るように伝わってくる。

キャラクター

4+

人数は少ないのだが、複雑で奥深い感情が伝わってくる。

ギャグ

皆無ではないが、少ない。

合計

39+

総合評価

 時間的にも空間的にも、とにかくスケールの大きい話。自然、異端、受け継がれていく想い……等々たくさんのテーマがあますところなく織り込まれ、それらが痛いほど胸を衝いてくる。
 流石にセリフ回しや「未来」の雰囲気にやや古いものを感じることもあるが、面白さは変わらない。
 SFでありながらどこか幻想的。冒頭から透明で鮮烈な雰囲気を放ち、人を惹きつけてやまない魅力を持っている。

感想

好きなキャラクター

ソルジャーブルー

キース・アニアン

心に残った場面

  • 冒頭の夢(ブルーとフィシス)
  • 補聴器(ソルジャー)継承

  • キース「・・・太陽がまぶしい」

  • ナスカの惨劇

  • 新たな命を創るトォニィとアルテラ

  • コーヒを飲んで思いにふけるキース(サムのこと、フィシスのこと・・・)

イメージカラー

青と赤

 劇場版を大昔に見ていたので最初の方は大体覚えているつもり…だったのだが、この度TVアニメを見ていてキースが出てきた時私の頭に浮かんだのは「こんなキャラ、いたっけ?」…だった。
 記憶のどこを探っても出てこないので確認のためすぐさまこの原作を購入。もちろんキースはちゃんといて記憶は全くあてにならないものだと再確認した後、続きが気になって結局残りの二冊も購入。
 ……読んでよかった。出会えて良かった。今ではあやふやな記憶に感謝している。
 以下は、各巻の感想である。

第一巻

 一巻のイメージカラーは「蒼」。蒼い星、ブルー、若さ……。全体から溢れ出す生命の煌めきを感じる。跳ね回るような感情が眩しい。
 果てない宇宙からは静けさとその優しさ、そして哀しさが伝わってくるー。

第二巻

 ナスカ。ひとときの安らぎ。ひとときの夢。
 ミュウ側では様々な世代が顔を出す。ジョミーの深層心理に留まるブルー、ジョミーと同じぐらい強い存在感を持つトォニィも誕生。迫害を知る長老達と、それを知らぬ若い世代。
 何故か寿命の長いミュウの方が「世代の移り変わり」を意識させる。
 ―そして、夢の終わり。これ以後ジョミーは感情を表に出すことをやめる。それは少年時代の終わりでもあったのかもしれない。

 宇宙は空虚で孤独な暗黒というイメージが強くなっている。

第三巻

 三巻のイメージカラーは「赤」。全体に渡って殺伐とした印象がある。この巻の特徴は感情移入の対象たる「主人公」がいないこと。キースはますます鉄面皮になり本心が読みにくくなっているし、そもそも出番自体が非常に少ない。一方ジョミーも地球へ行くために修羅と化し、感情を殆ど表に出さなくなっている。そしてトォニィも、感情移入しやすいキャラとはいいがたい。でも、だからこそ終盤に入ってステーション時代のキースや少年時代のジョミーをキャラが回想する時、なんともいえない郷愁にとらわれるのだ。あの日々はなんと輝いていたことか、と……。


評価(TVアニメ)

ストーリー

4+

テーマのぶれがやや目立ったものの、話だけを取り出してみればなかなか面白かったと思う。

キャラクター

原作ではあまり描かれていなかったキャラに出番が増えた。その反面、どういう性格なのかよくわからないままに終わったキャラが何人か……。衣装等はかっこよくなったが。

画像

全体的には綺麗なのだが、時々キースがとてつもない悪人顔に見えることが…。

音楽

5+

綺麗な曲、かっこいい曲…この「地球へ…」の曲は本当に素晴らしい。原作にもアニメにも通底する「想い」「雰囲気」が溢れだしている。

演出

4+

音楽との相乗効果もあり時間的余裕があればなかなかの盛り上がり。ただ、「静かに心に染み入るような場面」では原作に負けているような気がする。

構成

最初ゆっくりしすぎたのか、後半かなり急ぎ足に…。

演技

キースがとにかくかっこいい!演説に聞き惚れてしまった。(笑)
ブルーの声の深みある響きも。
#でもジョミーはちょっと違うような気も

遊び心

他作品のキャラが色々登場しているらしい。

オリジナル

キースの学生時代は面白かったが、ミュウの描写は今ひとつ。

原作の忠実度

結末を除く基本的なストーリーは同じだが、設定や構成のかなり重要な点が変更されている。

合計

36+

総合評価

 シャングリラなどの宇宙船やキャラクターがかなりかっこよくなっているし音楽も素晴らしく、映像作品としてはまずまずの出来。
 ただ、ストーリーはどこか上滑りで表面をただなぞっているような感じを受ける。物語の世界に入りたいのに入り込めないもどかしさ。全体的に中途半端な印象だ。

 これは、原作に比べストーリーを単純化しすぎたせいもあるのかもしれない。その最たる例がキースである。
 脚色部分が大きくなるにつれ、話が進むにつれ、徐々に原作とのずれは大きくなっていく。そして最終回にて(やや唐突に)テーマを非常にわかりやすい形で原作に近づけた。「世代間の継承」「想いは受け継がれていく」というテーマだ。(しかし、さほど深く掘り下げることのないまま終わったテーマも・・・)
 また、原作の特徴の一つ「長い時間の流れ」が(表現しにくいせいもあるだろうが)アニメでは殆ど感じられなかったことも、この作品を原作とは似て非なるものにしている。「郷愁」「哀愁」といった雰囲気があまり感じられないのだ。

 しかし、OPの後先週の名場面ベスト3が表示されるというのは面白かった。

感想

心に残った話

1.「赤い瞳蒼い星」

2.「届かぬ思い」「宙からの帰還」

4.「震える心」「変動の予兆」

6.「永遠と陽炎と」「決戦前夜」

8.「星屑の記憶」「暮れる命」
 
「地球の緑の丘」

 遠い昔に劇場版を見た記憶がかすかに残っていたので、なんとなく見始めた「地球へ…」。あらためて劇場版と比べてみれば、各種デザインや声などがかっこよくなったものの、神秘的な雰囲気は失われてしまっていたように思う。
 それでも楽しんで見ることができた。それは確かだ。

 しかし、「ここをもっとつっこんでくれたらもっと面白くなるのではないか」という気持ちがあるので何かもどかしい。
 実際、ブルーが原作よりも長く生きていたのでキースと何か心の交流でもあるのかと期待したが、少し顔を合わせたもののそういうものは全くなくて残念だった。


感想(劇場版)

 遠い昔に見たものなので、最近見返すまで記憶は殆ど残っていなかった。ただ、冒頭の神秘的な雰囲気と「目覚めの日」のくだり、そしてソルジャーブルーがかっこよかったことだけを覚えている。
 とにかく記憶は非常にあやふやで、覚えていたのはざっと以下のようなストーリー。

「夢の中、神秘的な雰囲気で佇む占い師とブルー。竪琴の音色。それを人に話したジョミーは検査を受けさせられるがその時には特に異常はなし。それよりジョミーは「目覚めの日」に母親と別れなければならないのが寂しく気がかりだった(しかし一方のお母さんはさして気にしていない模様…)。そして目覚めの日、ジェットコースターに乗ったジョミーはブルーと接触、長を引き継ぐ。
 その後目を覚ますと、舞台はところ変わって教育ステーション(ブルーとの接触は知られないままいつの間にか成人検査をクリアしてここに運ばれたらしい)。壁際には先輩格の級友が立っていて、「トップのクラスを目指すならそんなことでは駄目だ」「危険だから上には逆らわないよう気を付けろ」といったような意味の忠告だか嫌味だかを言われる。仲良くなれるかとも思ったが結局は対立し、そこを脱出。
 ミュウの仲間達と合流し、どこかの無人惑星に降り立ち作物を育てて平和に暮らす。そして「お母さん」の素晴らしさと自然出産を説く。(―そこから先は覚えていない)」

 ……記憶というものがいかにあてにならないかがわかる。後半は本当に自分でも笑ってしまうほど滅茶苦茶だが(シロエとジョミーを完全に混同している…)、印象の強いところだけはちゃんと覚えている。「目覚めの日」のくだりでは、お母さんのセリフまで覚えていたりする。たぶん、怖かったからだろう。別れに寂しさを感じるジョミーとは対照的に「男の子はもうこりごり。次は女の子がいいわ」と大変クール。とにかくそこが怖かった。

 最近見直す機会があったのだが、テレビアニメよりもずっと時間は少ないのに原作のテーマが損なわれることなくわかりやすく表現されているのに驚いた。ラストの雪と朝日が美しい。


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〜関連CD〜

 

地球へ… ORIGINAL SOUNDTRACK

好きな曲

「蒼い星」「白き航路」「果てなき曠野」「彼方へ」

「アルフレート」「散り行く花」「地球へ…」

「フィシス」「冠をいだく者」「望郷」

「濡れた翼」「キース・アニアン」

表紙

 蒼い宇宙に浮かぶ白い船。蒼と白の対比が美しい。そこに浮かぶブルーとジョミーの切なげな表情も。それとほぼ同じ構図のタロットカード「運命の輪」の絵もとても綺麗だ。
ただ、ブックレットの薄さが悲しい…。ブルーの横顔は嬉しいが、他にもメッセージとかキャラ紹介とか年表とか、何か特典があってほしい。

内容

 アニメを見た時からその美しい音楽に心惹かれ、CDの発売を心待ちにしていた。アニメを見るたび是非CDで聴きたいと思っていた曲の数々が収録されていて、とても嬉しい。「地球へ…」を象徴する曲の殆どがこの一枚に入っている。

 遠い星に想いを寄せる神秘的な雰囲気の「蒼い星」「アルフレート」や、それと主旋律は同じながら雰囲気は全く違う「白き航路」「白き航路」と「彼方へ」はとにかくかっこよくてゾクゾクする。アニメでもこの曲がかかる旅に聞き惚れてしまっていた。「果てなき曠野」はツバサに出てきた曲と少し似た雰囲気で、これもかっこいい。

 「フィシス」「望郷」を奏でる柔らかな音色は原作に出てくる「柔らかな心の襞」という言葉にぴったりのイメージだし、切ない気持ちの溢れ出す「散り行く花」「地球へ」や胸の底からせり上がってくる想いに背筋が奮える「濡れた翼」も素晴らしい。

全28曲 58:42

2007.8.8

 

地球へ… ORIGINAL SOUNDTRACK II

好きな曲

「進軍」「死闘の序曲」「偉大なる賭け」
「蒼く煌く」「送り火」「群青」
「遙かなる地」「落日」「夜曲」「小さな光」

endscape」「Love is …」「Coming Home to Terra

表紙

 裏表紙はIとそっくり。表紙はIの白いシャングリラと対比するように赤い戦艦。そして、背中合わせに立つキースとマツカ。ミュウ側のIと全く対照的な構図になっているんのが面白い。
 タロットカードは「皇帝」のジョミー。表紙が人類側だから、キースのカードかと思ったのだが……。
 ブックレットは、今回はちゃんと歌詞の他コメントもついていて嬉しかった。

内容

 あまり聞き覚えのない曲や1に収録されている曲のアレンジバージョンも多いが(例えば「夜曲」「小さな花」「散り行く花」のアレンジヴァージョン)、作中の印象深くまだ収録されていなかった曲が今度はちゃんと入っていて嬉しい。

 新たに収録されたのは、ナスカを象徴する「遙かなる地」「落日」、そして切ない想いの「夜間飛行」「群青」など。後者はどこか「蒼い星」を想起させる。
「蒼く煌く」「送り火」「群青」の三曲はソルジャーブルーの曲。
「蒼く煌く」はブルーがメギドへ宇宙を翔けた時に流れた曲で、とてもかっこよくて印象深い。「送り火」「濡れた翼」のアレンジヴァージョンだし、どれもブルーの印象的な場面で使われている。

 もちろんキースの側もかっこいい曲はたくさんある。「不適格者は処分されるのだ、アドス」の衝撃的な場面からキースの演説へと続く一連のシーンで流れた「偉大なる序曲」

 その他、「進軍」「死闘の序曲」など両者の激突を想起させる曲にもぞくぞくさせられる。

 また、これまでの主題歌が全部収録されているのも嬉しい。特に、CMでも流れていた劇場版の主題歌。記憶からは完全に忘れ去られていたが、CMで聴いた時から結構気に入っていたので、これが収録されていたのは嬉しかった。

全32曲 66:56

2007.10.3

 

 

 

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