地球へ… キャラクター

 

 

ソルジャー・ブルー

年齢

約三百歳。ミュウの中で最も長く生きた。

出身

アタラクシア?

属性

水、風

称号

導くもの、ソルジャー

象徴

宇宙、記憶、夢幻

タロットカード

1 魔術師(THE MAGICIAN

「物事の始まり、創造する力、意思とその行使」
この魔術師は強大な力を持ち人間世界を操る存在…らしい。
#「物事の始まり」というのがぴったり。この物語はまさしくブルーから始まった…。加えて、その強大な力。まさに、ソルジャーブルーのためのカード。

5 教皇(THE HIEROPHANT

「良き相談相手、慈愛、援助、穏やか、哲学、指示」
#ミュウを導くブルー。

8 力(THE STRENGTH

「勇気、力、忍耐、勝利に向け強い決意」
#戦士ブルー。辛抱強く地球と交渉し続けたブルー…。

イメージカラー

透明な青

職業(RPG)

勇者、賢者、魔法戦士、吟遊詩人、天地雷鳴士

ナイト、狩人、時魔道士、風水士

DQ3的性格

ロマンチスト、くろうにん

メディア
による違い

原作

透き通るような容姿に清冽な雰囲気。若々しい動作と威厳ある口調に惹きつけられる。
きびきびとマントを翻す様がポイント。

TVアニメ

透けるような銀青色の髪に、赤い瞳。少年のような顔立ちだが、深みのある声で温かく皆を導く。原作と違いナスカ崩壊まで生き続けるが、そのわりに出番は少ない。

劇場版

水色の髪。物語の導き手として、ほぼ原作通りに登場し、退場した。

特殊装備

補聴器

 冒頭の神秘的な初登場場面が鮮烈な印象を与え、それがこの作品全体のイメージにも繋がっている。
 最も完全に近いミュウ。ミュウの中でも最も長く生き、長として彼等を導いてきた。
 包容力に溢れ、凛としていてとてもかっこいい。「地球へ…」の中で一番好きな人物だ。

#そういえば、地球に対して焦がれるような想いを抱いているところなどは、イーグルと少し似ているかもしれない。

 

ジョミー・マーキス・シン

年齢

初登場時14歳。(享年45歳?)

S.D.554S.D.599

出身

アタラクシア

属性

光、風

称号

継ぐ者

象徴

未来、太陽

タロットカード

4 皇帝(THE EMPEROR

「包容力、リーダーシップ、責任、権威、実行力、精神的には孤独(逆位置だと「未熟」)」
男性的な力(特に父親)を象徴するカードで、物質世界を司る決断や強い意志を持った人物を表すとか。皇帝は周りからの賞賛や支持を得ながらも、その表情は寂しさが漂い、一人で負うには重過ぎる責任感と、孤独感を他人に訴える事はできない。

#ナスカ後のジョミーがこういう感じだろうか。

10 運命の輪(WHEEL OF FORTUNE)

「運命、チャンス到来、転換期」
#ミュウにとっても人類にとってもジョミーの存在が大きな転換となった。

イメージカラー

職業(RPG)

勇者、魔法戦士、海賊、ゴッドハンド

赤魔道士、竜騎士、狩人

DQ3的性格

まけずぎらい、おちょうしもの

特殊装備

ブルーの補聴器

メディア
による違い

原作

性格をそのまま表したような明るい金髪。輝くような笑顔としなやかな強さを持つ。当初は喜怒哀楽が激しく自分の感情を率直に表していたが、ナスカ崩壊後は感情を表に出さなくなる。

TVアニメ

基本的な性格は原作と同じ筈なのだが、原作ほど輝くような生気は感じられない。金髪の色がイメージよりも薄いせいだろうか。ナスカ後もあまり時間が流れていないようで、さほどの変化は見受けられない。

劇場版

オレンジに近い髪の色。ナスカあたりでは、原作よりも少し大人びた印象を受ける。

 前半と後半では受ける印象が全く異なる。前半は若さと未来の象徴。「ミュウと人間の理想的な混血児」として眩いばかりの輝きを放っている。しかしナスカ後はその輝きは凝縮した熱い塊となって内に秘められ、表に出ることはない。
 地球を目指す強い意志だけが、変わらずそこにある。

 

キース・アニアン

年齢

初登場時15〜16歳。(享年45歳?)

S.D.554S.D.599

戸籍

トロイナス(父:フル 母:ヘルマ)

出生

教育ステーションE1077でマザーによって生み出された。十年に一人生まれる「無垢な者」の十一体目。

753306 ME505C

属性

地、火

象徴

人間、喪失、悲哀、葛藤、理性

タロットカード

4 皇帝(THE EMPEROR

「包容力、リーダーシップ、責任、権威、実行力、精神的には孤独」
男性的な力(特に父親)を象徴するカードで、物質世界を司る決断や強い意志を持った人物を表すとか。皇帝は、世界を自分の手中に収めた社会的成功者の姿。周りからの賞賛や支持を得ながらも、その表情は寂しさが漂い、一人で負うには重過ぎる責任感と孤独感を他人に訴える事はできない。
#最高の地位についたものの、ずっと孤独だった…。

13 死神(DEATH

「形あるもの全ての終了、死、再生、仕切り直し」
#最後の選択。

イメージカラー

黒、濃灰色

職業(RPG)

勇者、戦士、バトルマスター

モンク、シーフ、侍

DQ3的性格

てつじん、いっぴきおおかみ、きれもの、
ロマンチスト
(「サムのピアス」を装備しているとこの性格に・笑)

特殊装備

サムのピアス、メンバーズ・バッジ

メディア
による違い

原作

黒髪。一昔前の未来・宇宙風衣装。皮肉屋でシステムに対して疑問を持つ一方で、ミュウに憧れを抱く一面も。
「鉄面皮」「冷徹」「マザーの申し子」などと言われるが、表に出さないだけで実は熱い魂を持っている。

TVアニメ

容姿(特に少年時代)が判別困難なほど原作と大きく異なる。衣装も洗練され声もかっこいい。
だが、
(主にシステムに対する)皮肉がすっかりなりをひそめ、ブルーに直接手を下したことと相まって、何を考えているのかわからないただの悪役のようになってしまった。

劇場版

灰色のイメージ。出番が少なくて存在自体すっかり忘れてしまっていたが、改めて見るとあまり表に出ないキースの考えがわかりやすく表現されている。

 人類代表。フィシスと並んで、各メディアで容姿の変わった人物ナンバーワン。しかし、鉄面皮の下に熱い戦士の魂を持っている点は変わらない。それ故、ブルーに次いでお気に入りの人物である。
 また、主要登場人物の中でただ一人「人間」である彼は容姿に年月が顕著に刻み込まれるため、長い時間の経過を感じさせてくれるという意味でも重要な人物である。

 

フィシス

年齢

初登場時74 or 64歳?
物語終了時
105 or 95歳?

S.D.494(or 504)S.D.599~

*「無垢な者」なので生年の一桁目は「4」になる。
*「五十年前助けられた」点から「無垢な者」5人目か6人目。
*助けられたのは
18歳以降。「五十年前」というのは「約」五十年前なのではないかと思われる。

出身

ユニヴァーサルで、人造細胞から生まれた。
15で生まれ、18には占いで魔女と呼ばれる程になった。

属性

象徴

神秘、月

タロットカード

2 女教皇(THE HIGH PRIESTESS

「未来に関する啓示」「神秘の扉を開ける力」
#占い師といえばこのカード?

18 月(THE MOON

「嘘、不安、疑惑、曖昧、迷い、裏切り」
#キースと会ってから心に生じたもの……。

イメージカラー

職業(RPG)

魔法使い、吟遊詩人、賢者、

白魔道士、黒魔道士、風水士

DQ3的性格

おじょうさま

称号

地球を抱く女神、繋ぐ者

メディア
による違い

原作

淡い金髪。小柄で華奢なイメージ。落ち着いた物腰がいかにも俗世離れした占い師、という感じ。いつも「天体の間」で過ごしている。

TVアニメ

原作、劇場版に比べあまり「神秘的」という感じはしない。活躍も今ひとつで存在感が薄いのは否めない。後半は殆ど出番がなく、キースとの関連も重要視されないままに終ってしまった。

劇場版

長い黒髪で、大層神秘的なイメージ。やや大柄に見えるが滑るように動く。「月の住民」といった雰囲気(イシュマウリのような)。
最後、雪の中で朝日を指さす姿が印象的。

 盲目の占い師。キースと並んで各メディアで容姿の違う人物ナンバーワン。しかもフィシスの場合、それのみならず与える印象や役割までも大きく異なっている。しかし、中でも一番神秘的なのは劇場版だろう。

 ただ、共通しているのは、「地球」の記憶を持っていてそれを伝えることができるということ、そしてキースの遺伝子上の「母」であたるという点だ。
 キースと同じくマザーに生み出された「無垢な者」。五十年前、成人検査でESPと判断されたところをブルーに助け出された。
 ブルーは囚われていた頃水槽のフィシスの抱く地球に希望を見ていた。ブルー曰く「地球を抱く女神」。

 しかし、フィシスについては未だ謎が多い。
 原作では「生殖能力はない」となっているのにキースの母と受け止められているのはどういうことなのか。
 また、トォニィによればフィシスは実は人間で、ミュウとしての能力はブルーに授けてもらったらしいが、テレパシーはともかく寿命まで分けてもらえるものなのか……。
 謎は尽きない。それがフィシスだとも言えるが。

 

トォニィ

年齢

初登場時0歳。物語終了時21

S.D.578S.D.599~

出身

ナスカ

属性

称号

ジョーカー

象徴

孤独、異端

タロットカード

0 愚者(THE FOOL

「無目的、自由、流浪、型にはまらない(逆位置だと軽率、我儘)」

何もかも手に入れたことがあるが、それを宇宙にそのまま返してしまった人。人間的な欲を超えた偉大な魔術師と呼ばれることもあるらしい……。
#特に「流浪、型にはまらない」点がトォニィを表す。また、ジョーカーの役目を表す所もトォニィと共通(トォニィは物語的ではなく能力的に)していると思う。

7 戦車(THE CHARIOT

「勇気、力、勝利(逆位置だと無謀、コントロール出来ない状態)」
#強大な力を持つトォニィ。しかし彼はジョミーの言葉しか受け付けない。

イメージカラー

赤紫

職業(RPG)

魔法戦士、海賊、ゴッドハンド、天地雷鳴士

青魔道士、赤魔道士、風水士

DQ3的性格

さびしがりや、ひねくれもの、らんぼうもの

メディア
による違い

原作

ふわふわの長い巻き毛。子供特有の無邪気な残酷さと不気味さを併せ持つ。
新たに生命を創り出し、最後は精神生命体(?)となるほどの強大な力を持ち、性格的にも能力的にも「異端」。ミュウにも人間にも地球にも執着はなく、ただジョミーのことだけを考えている。

TVアニメ

ピンク色の髪。強大な力を持つ他は基本的に普通のミュウと変わらず、人間を敵視する一方でミュウに対しては仲間意識を持っている。
ジョミーを一心に慕っている点だけは原作と同じ。最後はジョミーからソルジャーを継ぐ。

劇場版

オレンジがかった髪。原作よりも大人びた性格で、かっこよく好感の持てる人物になっている。しかし「異端」であることは変わらず、最後は自分達の存在がマイナスになると自ら地球を去っていく。

 たった九人しかいない「ナスカの子」のリーダー。強大な力を持つが、人もミュウも見下す一方でジョミーのことだけを慕い続ける。
 TVアニメとの最大の違いは、アニメのトォニィが最終的には「強大な力を持ってはいるけど自分は人間」と自覚しジョミーもそう扱うのに対し、原作では「僕達は本当の意味ではもう既に人間じゃない」と自分が異端である事を自覚し、ジョミーと違って「人間であろうとも思わない」点だろう。この違いは大きい。
 原作ではトォニィが「異端」であることで、「異端との共存」というテーマが大きく浮き彫りにされる。それまでは、人間の中で異端だったミュウの視点から物語が描かれていた。だがそこに、ミュウの中にあって異端であるトォニィという存在が現れた。つまり、それまでマイノリティーであったミュウをマジョリティに立たせることで、彼等を客観化し人というものの本質を描き出したのだ。
 また、ミュウが読者に共感しやすい形で登場したのに対し、トォニィはまず「不気味な子供」という形で登場することで、読者の目からもトォニィを「異端」と感じるようにさせている。「異端」に人がどのような感情を抱くのか。どう扱うのか。その感情をどうするのか。そうしたことを読者に考えさせる。原作では明確な答えを出すことなく終った。だから、その問いはいつまでも読者の心に焼き付けられるのだ。
 原作のトォニィは、ぱっと見には「嫌な奴」だ。加えて、トォニィは社会に属する必要がない。どこでも生きていける、自由な存在。紛う方なき「異端」。トォニィが読者の好感を得るのは主に「ジョミーを一心に慕っている」という点―この、ある種「社会に入りたい」ともとれる思いがあるためだろうが、もしもそれがなかったとしたらどうだろう。トォニィが人間にもミュウにもジョミーにも誰にもとらわれることなく生きるとしたら。完全に「異端」として生きるとしたら。その問いかけが、アニメにはない。
 「異端」であるが故の孤独と悲哀。アニメではトォニィを「人」と位置づけそれを前面に押し出したために、そもそも彼が「異端」であるという点が薄くなっている。トォニィの感情描写が多くなり、トォニィに親近感を持たせる反面、「普通の人間からトォニィ(異端)がどう見えるか、普通の人間(読者)は異端に対しどういう感情を抱いてしまうのか」という問いかけが消えている。

 ……そういうことを考えさせるキャラである。

 

ジョナ・マツカ

年齢

初登場時17歳。(享年35歳?)
#キースより十歳下。

S.D.564S.D.599

出身

不明

属性

象徴

ミュウ(ひ弱で優しい)

タロットカード

12 吊し人(HANGED MAN

「自己犠牲、忍耐、苦労(逆位置だと不信感、無駄な犠牲)」
吊されている人は現状に満足しているらしい。
#最初から最期までマツカは自己を捧げた……。

イメージカラー

薄紫、薄い灰色

職業(RPG)

魔法使い、黒魔道士、白魔道士

DQ3的性格

くろうにん、ひっこみじあん、いくじなし

メディア
による違い

原作

いかにもひ弱そうな感じで、一般的なミュウを象徴するような人物。いつもキースにびくびくしている。

TVアニメ

美形になっており、原作ほどひ弱にも見えない。原作よりは(キースからの扱いもいいようで)、さほどびくびくしておらず、キースの護衛などで活躍も目立つ。アニメ化で存在感がかなり増したのではないだろうか。

劇場版

殆ど出番がない。名前すらまともに出てきたかどうか…。

 成人検査でミュウとなったが発覚されず、また「ミュウ」という存在自体知らずに人間の中で隠れ住んでいた。「発見されないのは優秀なエスパーの証」というが、その後の活躍を見ても、実際強い能力のある方なのだろう。
 キースを怖れるあまり殺そうとしたところが逆に反撃され、ミュウであることが発覚。しかしキースはマツカを殺さず、それどころか副官としてずっと側に置き続けた。―といって優しいわけでもない。むしろ扱いは悪い。
 キースの真意がわからぬまま怯えながらキースに仕え、長い月日を過ごした。しかし、その結論は「―満足だ」。一見報われることのない人生を送ったかに見えるマツカ。でも、それがマツカの出した答えだったのだ。そういう面でも物語に深みを感じさせるキャラである。

 マツカとキースは、「人間とミュウが長く共存した」例としても興味深い。ミュウだからこそ理解できたのだという点も。物語上だけでなく作品としてもキースというキャラを際だたせるのに必要なキャラだったと思う。

 

 

 

2007.10.29

 

 

 

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