鋼の錬金術師アニメ感想

【21〜30話】

 

 

 

第21話 紅い輝き

 息もつかせぬ25分。

 「そいつはお前に人間扱いされて嬉しかったのだ……だからもう、ナンバー48には戻れない」

 「答えの見つからぬことなど、この世にはいくらでもある」

 スライサー、そしてニーナ……。ひどく、息苦しい。そして音楽が、その衝撃をいっそう盛り上げる。あらためて、音楽の力というものを強く感じる。ラストでニーナモドキが登場したあたりからは、本当に息の止まる思いだった。

 

第22話 造られた人間

 緊迫の25分間。そんな中、冒頭、マスタング大佐の「出番が少ないような気がするのでな」は面白かった。

 「人体錬成を行ったときにわかっているはず。人体錬成には、人間の犠牲が必要」「生きるということは、大なり小なり他者の命を犠牲にしている」「何かを成し遂げるためには何かを犠牲にしなければならない。大人なら皆知っていること」「軍の狗とののしられてもかまわない…そう言って大人の中に入ったのに都合のいい時だけ子供にならないで」などなど、ラストの言葉がグサグサと胸に突き刺さる。精神的にもかなり追いつめられていたであろうエド。

 しかし、賢者の石がそのような性質のものであるとするなら、もうエドに賢者の石を造ることは無理なのでは……。他にも賢者の石を造る方法があるかもしれない、という希望はあるだろうが、錬金術に「等価交換」という法則が働いている以上、他人を犠牲にせずに体を取り戻すのはかなり難しいような気がする。賢者の石より人造人間の研究を始めたほうがいいのでは……。

 

第23話 鋼のこころ

 駅で、ちゃんと師匠夫妻発見!(笑)こういうのは、何か嬉しい。

 今回は、エドに「よく話してくれたな」と優しく包み込み、「後は任せろ」というヒューズがとにかくかっこよかった。死相が浮かんでいる、ようにも思えるが………。

 原作での誕生会のシーンなどが少し短縮されていたりしたのは残念だが、それでも夢中で見てた。「行動で示す。心配をかけさせたくないから言わない」というのが、マスタングにいろいろ黙っていることの説明にもなっているのだろう。しかし、行動で示しすぎると、死期を早めそうな気がして心配である。

 

第24話 思い出の定着

 重い話になると思っていたのだが、それほどでもなく、むしろ、前回よりも軽い感じだったと思う。アクションが入ったせいだろうか。

 スカーとアルフォンスが仲良くなってたり、イシュヴァールが何度も出てきたり…というのは、むろん、それはそれでいいのであるが、そのせいで、原作の名シーンの一つが端折られてしまったような……肝心の、「造られた記憶」「恨んでるか?」といったあたりのエドとアルの悩みの部分についての印象が薄まってしまったように見える。

 

第25話 別れの儀式

 うう……涙が止まらない……。原作でも泣いてしまったシーンだが、アニメではさらにボロボロと……。声やら音楽がつくと、もうだめ。ヒューズが、ヒューズが……!!

 やはり、お葬式のエリシアの「埋めないでよ」はこたえる。そして、マスタング大佐の「雨が降ってきたな」のシーンと、エドが見た、手を振るヒューズの一瞬の幻。なぜかここで、DQ7のプロビナで聞いた、「神父様はいつものようににこやかに笑って手を振りながら空へ昇っていかれました……」(正確ではないが)というセリフを思い出して、また泣けてきた。

 今回はEDがなく、お葬式がそれにとってかわった。お葬式の後にあのEDが入ったらちょっと合わないなあ、と思っていたので、その点はよかった。ただ、ダグラス秘書の声、どこかで聞いたような気がして、前半、「EDの時に確認しよう」とか思っていたものの……お葬式に心乱され、とうていそんなことを確認していられる気分ではなかった。何回見てもそれは同じである。

 そのため、スタッフロールは本来の役目を果たせない、ということになったのだが……しかし、このスタッフロールが流れているのを見ると、なんとなく、「もう終わりだな」という気がするため、妙にお葬式と合っていた(盛り上げた?)のも事実である。いつもここで流れる曲がないためその静寂が余計痛く感じるのだ。そして、お葬式の後のそれぞれの独白がいやに大きく響くのもまた。

 また、冒頭のシーンがあったために、大佐の墓の前での独白がさらにこたえる(原作では、電話のシーンがその役割を果たしていたが……)。冒頭では、苦悩するマスタングがいた。やつれたマスタングを見て、一瞬驚いた顔をするヒューズ。だがすぐにその表情を消して優しく微笑む。ヒューズの人柄が感じられ……(涙)。なんとかマスタングを元気づけようとするヒューズ。そして交わされた約束。いまわの際、それを思い出すヒューズ(マスタング?)。

 ヒューズが殺される一連のシーンでは、正直原作の方が緊迫感と衝撃(答えのない電話が……)があったように思うが、お葬式からは、もう、ただただ涙。最後にエドが幻を見た後数秒の静止、静寂。そして幕。この数秒の静寂とエドの表情がなんともいえない。無性に寂しさがこみあげてくる。彼がヒューズの死を知ったらどうするのか……。

 予想されていたことではあるが、とにかく衝撃の大きい回で、見るたびに泣いてしまい、見終わった後も気を取り直すのにしばらくかかる……そんな話であった。間違っても出かける前とかに見てはいけない回である。

 

第26話 彼女の理由

 またもやOP・ED変更。ようやく前のにも愛着がわいてきた頃だというのに…やはり、変わるのが早すぎると思う。

 OPは、メロディはいいが、歌は今ひとつのように思う。映像も前の方がよかったような…まあ、前のに愛着が湧きはじめたところで変わったから、評価が辛くなってしまうのは仕方ないか。それはそうと、OP映像の最初の部分、どことなく犬夜叉の初代OPを連想させるように思う。あと、EDはきれいだと思う。これはけっこう気に入った。しかし、なぜ映像はウィンリィばかりなのだろう?主人公そっちのけ……。主人公以外なら、ヒューズをメインにしてほしかったなあ。

 で、今回の話だが…前回がああいう話だったので、今回のリズムにはちょっと入り込みにくかった。アルの存在を忘れているかのようなウィンリィなど、いろいろと違和感も多い。息抜きにしてもいまいちで、ここら辺の話は原作の方がよかったと思う。

 あと、パニーニャの声が、思っていたより可愛い声で、少々意外だった。

 

第27話 せんせい

 師匠、本当に容赦ないな……。映像で見ると、迫力倍増。エド達が恐れるのもむべなるかな。

 しかし、ウィンリィが兄弟と師匠のことを綺麗さっぱり忘れてるのは不自然ではないだろうか。昔、ちゃんとあの場(兄弟が師匠に弟子入り志願する場面)にいたのだから。

 あと、ギャグが徹底的に削られているのが少々残念ではある。

 

第28話 一は全、全は一

 基本的には原作通り。綺麗に出来ていたと思う。

 そして、謎の人物登場。目が大きくて笑っていないのに口は笑ってるところがかなり怖い。人影が仮面の男(メイスン)ではないと知って、幽霊でも見たかのように驚くエルリック兄弟。そこまで驚かなくても……。科学者もお化けは怖いのか。

 

第29話 汚れなき子ども

 エドがちょっと怖い。子供相手にあそこまでやらなくても…。本当に、突っ走るタイプだなあ……。しかし、あの子の腕と足がエドのものだとして……どうするんだろう?
#そうだとわかったところで、どうしようもないような気もするのだが……。
 あと、「真理」の時はちょっと目がチカチカした。

 軍部の方も、ちゃんと出番があるのは嬉しい限り。親友の家をそっと偲ぶマスタング大佐がなんともいえずよかった。
 それにしても、ヒューズの後釜はなんだか嫌な奴だ……。アームストロング少佐も気の毒に。本当に、ヒューズの死がこたえる……。

 

第30話 南方司令部襲撃

 師匠が何だか死にそうなので心配。原作では、吐血は主にギャグにしか使われてなかったこともあって、そんなに深刻な気はしなかったのだけど。

 マスタング大佐は、スカーを捕えるためにはスラムの住民もろとも攻撃、と結構非道なことを言い出していたが、単なる脅しなのか、それとも大総統になるまではオーベルシュタインになる決意をしたのか。

 恐らくニセモノであろう大総統(たぶんエドの方が偽者)まで現れて、今後はますます大混戦の模様。

 しかし今回、なんだかエドがイヤな奴に見える……。

 

 

 

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