鋼の錬金術師アニメ感想

【31〜40話】

 

 

 

第31話 罪

 原作で、あの白い人が全部実体を持ったらどうなるのだろうと思ったが、今回、それがホムンクルスということらしいと判明した。もっとも、アニメと原作でいろいろと異なる点もあるから、原作ではまた違う設定になっているのかもしれないが。

 しかし、ホムンクルスは肉体と精神のみで構成されて魂を持たず、錬金術が使えない…ということは、錬金術には魂が必要?だがそれならエドの手足を得たからといって、錬金術が使えるのはおかしいし。謎だ……。

 謎といえば、ラースがエドの肉体を欲しがるのが謎だ。「肉体と精神だけを持ち魂をもたない」ホムンクルスが「人間になりたい」ということは「魂が持ちたい」ということと同義だと思っていたが、どうもそうではないらしい。もっとも、普通の人間の肉体とホムンクルスの肉体は少々異なるようだが……なぜわざわざ人間の肉体をほしがるのかがわからない。アルと違って、別にホムンクルスの肉体でも不自由はなさそうに思えるのだが。

 それにしても、アルは「兄さんの手足を取り戻す」と、ラースに立ち向かっていったが、一体どうやって取り戻すつもりなのだろうか?アルが実は腹黒で、兄のために心を鬼にしてラースの手足を切断したとしても、どうやてそれをエドにつなげるつもりなのか。つなげることはできても、ブラックジャックなみの技術がないと元通りには動かせないらしいから、単につなげただけだと現在のオートメイルより不便を感じてしまう可能性がある。錬金術でなんとかなりそうな気がしないでもないが、この場合なんとかなる……のか?オートメイル技師が各地で活躍しているところを見ると、これもそう簡単にできるようなものではないような気がするのだが。

 ちなみに、今回の最大の見所は、最後の方でラースが「憎んでも憎みきれないほど感謝しているよ」というあたり。今まで聞いた中でもトップクラスに凄味があり、目が離せなかった。口調も堂に入っていて、本当にすごいと思った。まさに迫真の演技!

  

第32話 深い森のダンテ

 ここにきて、ようやく等価交換への疑いが浮上。OP前のいつもの口上からすると、そのうち出てくるとは思っていたが。まあ実際のところ、人生においてそれが適用されていない場面なんて山程でてくるわけだし、だからそれが適用されるような社会づくりが進められてきているわけだが……それでも等価交換が適用されない場合が多々あるのである。

 そして、軍は軍で大変な事に……!マスタングやホークアイがちょっと怖く感じる。そういえば、彼らが軍人らしいことをしてるのをあまり見なかったからな……だからどうにも違和感がある。エド達の方は、とりあえず原作通りに進んでいくみたいなので、今のところ一番気になるのはこちらの動向。マスタングは、どうやって事態を鎮めるつもりなのか…?

#スカーが出てきただけでおさまるようには見えないしなあ。まさか、その場の人間全員吹っ飛ばす…とかはしないと思うけど。

 

第33話 囚われのアル

 ダンテは、第一印象とは裏腹に、敵(それも、かなりの大物)になりそうな予感。あのグリードも彼女を見て退却。しかし、アルがさらわれたのに、平然とティータイムとは…。師匠の言からすると、研究しか目に入らない…ひょっとするとタッカーのようになりかねない人物なのかも。実際、昔グリードを造った=人体錬成を行った模様。そのわりには五体満足で健康そうに見えるが…ひょっとすると、宗次郎(るろうに剣心)みたいに喜怒哀楽の「楽」以外の感情がない、というふうに、感情―つまり脳の一部を少しばかり「持って行かれた」のだろうか。

 今回、原作と違って軍の非道な合成獣人体実験についての言及がさらりと流されてしまった感があるのが残念。それとも、別の回でまた大きく取り上げられるのだろうか。

 それはそうと、グリードの再生シーンは、音楽の効果もあり迫力があった。そして気持ち悪かった。そこまでじっくり見せてくれなくてもいいよ…(泣)。

#ところで、最近聞き慣れない音楽が多いが…サントラ第二弾が楽しみである。

 

第34話 強欲の理論

 グリードが死んでしまった…。あの驚異的な治癒力は、赤い石によって保たれていたらしい。

「強欲だから自分の命は自分の好きに…」と死ぬ前に言うグリードはかっこよかったのだが、それとは裏腹に、その死に様はなかなか悲惨なもので、見てるこちらとしては気持ち悪くも感じた。まあ、人が死ぬときというのはああいうものなのかもしれないけど…ああいうのを見ると、やはり死ぬのは怖いと思う。

 それを目の当たりにしたエドの悲痛な叫び。不死身ともいえるホムンクルスの治癒力を前提に戦っていたわけで、殺すつもりはまったくなかったのだし、アルは既に解放されてたわけだから、弟のためには仕方なかったと居直ることもできない。なおかつ、その死に際は善人に見えた。

 やはりこれは、精神的にかなりきついものがあるだろう。色々なことで多少免疫ができてたかもしれないとはいえ……。この先の展開も厳しいものになりそうで、ますます目が離せない。

 イシュヴァールへ向かうそうだが、マスタング達の方はどうなっているのだろう。あの後の様子が全く伝わって来ないので、非常に気になる。

#ところで、キンブリーが持ってた袋の中身は骨だったのか。てっきりトカゲ男の生首かと……。

追記:今回、グリードが死ぬ時の音楽が綺麗だった。次のCDに収録されていますように……。

 

第35話 愚者の再会

 ラストの過去につながる話。やはりホムンクルスは生前(?)の記憶というのをなくしているものらしい。ラースもそうだったが……門の向こう側のことは赤い石を食べて思い出すようだが、そのさらに前のことは……。ラースやグリードは蘇らせた人間のことを覚えているふうだったが、おそらくエド達の母親だったであろうスロウスや、ラストは相手のことを覚えていないようだ。今回のことから、記憶が蘇る可能性は大いにあるとわかったが、はたしてその後どうなるのか……。

 ところで今回、「助けてください、助けてください」という悲痛な叫びが心に残る一方、現実は無情なもの。現在放映中の「火の鳥」を連想した。それにしても、化石病はものすごくグロテスクだった……。(泣)

 赤い石で一時的に復活したのも束の間…落ちる小鳥や、最後の死に絶えた村は第二話を連想させた。特に、最後のおぞましい屍が累々と横たわる村は、人体錬成が禁忌とされる理由を如実に示しているように思う。儚い賢者の石……。

#ふと思ったのだが、この不完全版賢者の石、四魂のかけらに似ているような気がする……。

 

第36話 我が内なる科人

 差別されてきたイシュヴァール人の中にも差別はあった…。そして、主人公たるエドの中にもそのような意識は存在する。少年漫画でこのようなパターンは結構珍しいかもしれない。少年漫画では、主人公だけは差別意識を持たない、というのが普通だから。しかし、それだからこそ、感情のままにふるまうのがいいとはかぎらない、理性でもって何が正しいのか考え行動しなければならない…というのに説得力ができていたように思う。

 それはそうと、一方では、ついにヒューズの死を知ったウィンリィ。並んだ写真を見ていると、また泣けてくる……。さらに、ウィンリィは、両親を殺したのがマスタングであることも知ってしまった。次に会った時、どうするかがすご気になる。

#ところで、フューリー曹長を殴って一騒動起こし、軍の公務執行妨害をしたエド達……。ホークアイだったから事情聴取だけですんだようだが、他の管轄だったらこうはいかなかったのでは……。

 

第37話 

焔の錬金術師 戦う少尉さん 第十三倉庫の怪

 すごく面白かった・・・!やっぱり軍部のドタバタ劇は楽しくていい。今回はずっと目が離せなかった。

「止まれとは言っとらんぞ」「止まりたい顔をしてましたが」
という大佐とホークアイの、ヒューズの家の前での会話もよかった。本当に、いいコンビだと思う。そしてヒューズの家へ行く大佐・・・時々こうして親友を偲ぶ場面が出てくると、あらためて彼の存在の重さが伝わってくる・・・。
結局ウィンリィの顔を見てすぐに引き返したが・・・何しに来たのだろうかとグレイシアさんに不審に思われなかっただろうか(笑)。また、四歳児エリシアは早くもマスタング大佐に好意を抱いているようだが、天国の父親が見たらどのような反応を示すかが非常に気になるところ(笑)。

 あと、後半の、魂を抜かれたハボックはガウリイに似ていて面白かった。

#しかし、キャスリンの声がアルで、母親の声がエドだったのには驚き・・・!!EDを見るまで全く分からなかった。

 

第38話 川の流れに

 ヒューズの墓参りで知り合うウィンリィとシェスカ。ジュリエット・ダグラスのことを調べ始めるが…この二人、他のキャラと違って直接的な戦闘力はほぼゼロと言っていいので、こういう時は結構ハラハラさせられる。

 今回、些細な事?で喧嘩するエドとアル。確かに、エドはどう見ても計画性がある方ではないが…「責難は、成事にあらず」。何かを責めることは、何かを為すことではない。

 車が壊れた時のことについて何も考えていなかったエドは問題だが、それに関してはアルも同罪だし、実際のところ、ひたすら歩く、ということしか方法はなかっただろうからそこで文句を言うのは体力を消耗させるだけである。

 そして、直接喧嘩のきっかけになった…今後の行動について。いきなり錬金術、というのはいくらなんでもエドの手が早すぎるような気もするが、それだけこの件に関しては、エドに余裕がなかったのだろう。とりあえず、人としてスカーは止めたい。しかし、その後どうすればいいのか……そんなことは、わからない。「元の身体に戻る(戻す)」ことを最優先するなら、一番手っ取り早い方法は、スカーに賢者の石を作らせて、それを横取りする、という方法だが…エドは、さすがにそれはできないと思っている。……まさかアルフォンス…遠回しに…いや、まさか。

 これからどうしたらいいのか全くわからないが、それでもとりあえず、今しなくてはいけないことをしようと…エド自身、いつも心の奥に潜む不安を隠し、戦っているのかもしれない。一番痛いところをアルに突かれて、つい逆上してしまったのではないか。しかし、八方ふさがりに見える中、それでも前向きに考え進んでいこうとするエドに対し、アルの発言はちょっとあんまりだったのではないか。アルにだって、解決法がわかっているわけではなかろうに…。

 

第39話 東方内戦

 アーチャーが大佐になったことで、マスタングとの水面下での戦いが始まりそう。 そんな所にエドが乱入し、なおかつ勝手な行動をとったため、マスタングが不利にならないか心配である。ああ、余計なことを・・・。とにかくマスタングには、是非アーチャーをやりこめてほしいものだ。
 そして、リオールに潜入したエド。変装した姿が、何故かラースに似ている。髪の色が変われば印象もだいぶ変わるものだが、エドの場合、なにしろ目が特徴的なもので、わりと気付かれやすそうである。 実際、スカーには一発で見抜かれる始末。
#「変装というよりは仮装だな」(byランツ)

 ところで今回、1・2話に登場したラジオ(屋台)のおじさんが再び登場。再登場したことよりもむしろ、彼の顔を覚えていた自分に驚いた。もともと顔覚えるのは苦手だし、1・2話はまだビデオにとっていなかったから一度しか見ていないはずなのに・・・。

 

第40話 傷痕

 ああ、ロゼが…ロゼがあんなことになってしまっていたなんて……。あの後どうなったのかずっと気になってはいたのだが、こんなことに……うう、本当に容赦ない……。
 その一方、その原因であるハクロ将軍は、大総統代理を任されたりなどしているし。そこで大喜びなどしているのが非常にみっともない。小者ではあるが、それだけに、まったくもって許し難い人物である。早々に不幸になってほしいところだが…安全な中央にいたのでは、それも望み薄か……。なにしろ危険はリオールにありそうだから。トリューニヒトといい、こういう奴に限って長生きするんだから……。

 キンブリーもそうだ。あそこまで非道なことをやっていたとは。そのキンブリーは今回、マーテルと、次いでアルと対決。キンブリーはアルに殺意を抱いたようだが、今後どうなるのだろう。キンブリーはアルの手にかかるよりも、スカーの手にかかった方がいいと思うのだが。
 それにしても、マスタング大佐は、なんともいいタイミングで登場。アーチャーよりも早く駆けつけてきたところをみると、それとなくそちらの方に気を配っていたのか。それとも、アーチャー派よりもマスタング派の軍人の方が多く、それで早く耳に入ったのか。ただの偶然か。何にせよ、おかげでその場は丸くおさまった。アルはその後小言を言われたかもしれないが。…いや、エドと違ってあまりからかい甲斐がなさそうだから本当に穏便にすんだかも。

 だが、アーチャーは一体何がしたかったのだろう。大総統にエド抹殺を暗に示唆され喜んでいたようだが…リオールの情報を優先的に手に入れて、マスタング大佐の優位に立とうとしていたのではなかったのか?それともあれはただ単に、マスタング大佐の持ち駒が増えるのが嫌だったから遠くへやろうとしただけなのか。

 しかし、今回はロゼといいスカー兄弟といい、悲しい話が多すぎる。最後には、マーテルも……。復讐を選んだときから、長くは生きられないだろうとは思っていたが、やはりこういう形で目の当たりにすると……。マーテルは、最期にメッセージをちゃんとアルに伝えられたのだろうか。そうでなければ、悲しすぎる……。

 

 

 

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