ラインハットの悲劇

 

ぼうけんのしょ:P9

 

 ぼくは、家を出てすぐに村の出入り口に向かいました。村の出入り口は一つしかないので、お父さんがもう出かけたのなら、すぐにわかります。でも、言ってみると、見張りのおじさんは、お父さんはまだ来ていないと言いました。それで、あちこち探してみると、お父さんは、教会にいました。旅がうまくいくよう、お祈りしていたのだそうです。お父さんに会えて、ほっとしました。これで、ぼくもお父さんといっしょにラインハットに行くことができます。

 僕も、言われたとおりお祈りをすませてお父さんのところへ行くと、お父さんは、この旅が終わったら少し落ち着くつもりだと言いました。そして、これからは遊んであげるぞって。それが、ぼくにはとても嬉しかったです。ぼくももう6歳で、遊んでもらうような年ではないので、そんなふうに言われるのはちょっぴり恥ずかしいのですが、どうしても、嬉しくなってしまうのです。

 この旅が終わったらお父さんと遊べる!そう思うと、今度の旅もますます楽しく思えてきました。

 外に出ると、空は真っ青、雲は白く緑眩しく、海は青々と……とても綺麗で、どれもぼくにはひどく眩しい気がしました。ここしばらく、雪に覆われた妖精の村へ行っていたからでしょうか。それにしても、前見たときよりもずいぶんと明るいような気がします。

 この前の船旅に出るよりもさらに前、外はもっと暗かったようなきがします。海は確かに青かったけれど、こんなにまぶしい色ではなくて、空もいつも曇っていて、灰色の雲がすごい速さで流れていっていたような……もっとも、ぼくはまだ小さかったから、そんなにはっきりと覚えいるわけではありません。単なる勘違いかも……。それにしても、今こうして歩いていると、世界中が光って見えて、見ていて飽きません。歩いてるだけなのに、こんなに楽しくてドキドキするのは、お父さんといっしょだからでしょうか。

 ラインハットへ行く途中、関所を通りました。地下のトンネルを通り抜けた後、お父さんは、この上からの眺めはとても綺麗だから見せてやろうと言って、肩車して見せてくれました。

 お父さんの言ったとおり、川はとても綺麗でした。水がとても澄んでいて、底の小石まで見えるのです。でも、ぼくは、川が見れたことよりも、お父さんに肩車してもらったことの方が嬉しかったです。

 そういえば、ぼくがお父さんに肩車してもらって川を見ている隣に、変わったおじいさんが立っていました。そのおじいさんは、ずっと川を見つめたまま、ちっとも動こうとしません。おじいさんは、「川の流れを見ながらこの国の行く末を案じている」と言っていました。よくわかりませんでしたが、川の流れを見ていると、国に何か良いことが起きるのでしょうか。

 そのおじいさんは、ずっと川を見つめたままでしたが、お父さんは、しばらく川を見た後そろそろ行こうといいました。ぼくは、本当はもっとお父さんに肩車していてもらいたかったのですが、わがままは言いたくなかったので、残念でしたがお父さんの背中から降りてついて行きました。

 すぐに外に出るのかと思ったのですが、どういうわけか、お父さんはさっき来たトンネルの中について行きました。へんだなあ、と思いながらも黙ってついて行くと、お父さんは、ラインハットに行くんだった、と言って、途中で慌てて引き返しました。どうやら道を間違えただけのようです。お父さんって、そうは見えないけどけっこううっかり者なんだなあ。でも、そういえば、前に船で見た夢。もしあれが本当なら、お父さんはぼくに、トンヌラなんて変な名前をつけようとしていたってことになるんだ。お父さんって、けっこう面白い人なのかもしれない。

 そんなことを考えていると、すぐにラインハットについてしまいました。ラインハットは、お城が大きくて町がせまいところです。お城に入るとすぐ、王様のところに案内されました。王様は、お父さんと二人だけでお話があるみたいです。大人の話って長くなるし退屈だなあと思っていたら、お父さんがお城の見物でもしてきたらどうだと言ってくれたので、お城を探検することにしました。

 まず、お城のてっぺんにのぼってみました。すごく遠くの方まで見通せて、いい眺めです。次は、お城の中をあちこち探検です。お城は本当に広いので、気を付けていないと迷子になってしまいそうです。うろうろするうちに、色々な話を聞きました。ここの第一王子はヘンリーというそうですが、いたずらっ子でみんなを困らせてばかりいる悪い子みたいです。カエルが嫌いな人の背中にカエルを入れたりとか……。でも、ヘンリーの今のお母さんは本当のお母さんではなくて、ヘンリーのことはちっとも可愛がってくれないので、ヘンリーがひねくれるのも無理もない、と言っていたおばさんもいました。

 ヘンリーにはデールという弟がいて、これが今のヘンリーのお母さんの本当の子供なのだそうです。そういえば、お城を探検しているとき、ぼくがまだ何も言っていないのに、ヘンリーよりデールの方が王様にふさわしいと思ってあいさつに来たのですね、と言って一人で笑っていた変なおばさんがいましたが、あれがヘンリーの今のお母さんでしょうか。ぼくのお母さんはぼくが生まれてすぐに亡くなったと聞いていますが、もしぼくに新しいお母さんができて、それがこんな変なおばさんだったらやっぱり嫌だろうなあと思います。

 デールという子は、ぼくよりも小さい子でしたが、王様になんかなりたくない、と駄々をこねていました。変なおばさんはデールをかわいがっているみたいですが、ぼくだったら迷惑だろうなと思います。デールという子は大変そうです。

 近くにこんな変なおばさんがいたら、ぼくもイタズラとかしてみたくなるかもしれません。ヘンリー王子もそれでイタズラしているのかも。友達になってあげられないかな。

 ……そんなことを考えながらうろついていると、ヘンリーらしき子供を見つけました。立派な部屋で、立派な服を着て椅子に座っています。話しかけてみると、その子はやっぱりヘンリー王子でした。でも、その子はとても偉そうにしていて、子分になりたいか、なんて聞いてきました。ぼくはそんなの嫌だったのでそう言ったのですが、その子は強引で、聞いてくれそうもありません。それで仕方なくうんと言うと、笑いながら誰がお前みたいな奴を子分にするか、なんて言うのです。すごく腹が立ちます。

 ……前言撤回。こんな奴と、絶対に友達になんてなれません。腹が立ったので、タルでもぶつけてやろうと思ったのですが、残念ながら部屋には手頃なものがなかったのであきらめました。かわりに台所でツボを全部割ることで、ようやくちょっと気が晴れました。

 もうお城も一通り見たことだし、お父さんのお話も終わったかもしれないと思って王様の所へ行ってみました。しかし、そこにお父さんはいませんでした。王様に聞いてみると、お父さんはヘンリー王子のお守り役をすることになったので、そこに行ったのだと言います。

 ヘンリーの……お父さん、あんな奴の世話なんてすることないのに。いくら王様の頼みだからって、あんな嫌な奴の面倒をみるなんて。そんなの断ってって言いたいけど、きっと聞いてはくれないんだろうなあ。

 晴れない気分で歩いていくと、ヘンリーの部屋の前の廊下にお父さんが立っているのを見つけました。なんだか困った顔をしています。声をかけると、お父さんは、王子に嫌われてしまったみたいで側にいることができないのだと言って、本当に困った様子でした。そして、お父さんはぼくに、お前なら子供同士、友達になれるかも知れない、頼んだぞと言いました。

 ……べつに子供同士だからって、誰とでも仲良くなれたりするわけじゃないんだけどな。特に、あんな嫌な奴の友達になるなんて、絶対無理。

 ……とは思ったものの、お父さんは本当に困ってるみたいだし、珍しくお父さんがぼくに頼み事をしているのだから、できることならうまくやって、お父さんを喜ばせてあげたい。とりあえず、やれるだけのことはやってみようと思いました。……無理だと思うけど。

 ヘンリーの部屋に行くと、ヘンリーは、やっぱりさっきと同じように偉そうな様子で、子分にしてもらいたくてきたのか、とまた聞いてきました。誰がこんな奴の、と思ったけれど、お父さんのためです。我慢してうんと答えました。するとヘンリーは、部屋の奥にある子分のしるしを取ってこい、と言います。子分のしるし……?それがどんなものか、さっぱりわかりませんでしたが、たぶん、見ればわかるものなのでしょう。そう思って、言われたとおり隣の部屋まで行って宝箱を開けてみたのですが……なんと、中は空っぽ。

 ………。どういうことなのでしょう。困りましたが、とりあえず、ヘンリーのところに戻ることにしました。ところが、部屋に戻ってみると、ヘンリーがいません。そんなに広い部屋ではないのに、どこを見てもヘンリーがいないのです。急いでお父さんの所にいってこのことを話してみたのですが、お父さんの所にもヘンリーは来ていないと言います。お父さんも驚いていて、とにかくもう一度一緒に部屋を見てみようということになりました。

 そうして、部屋に戻って見ると……なんと、そこにはヘンリーがいたのです。最初に会った時と同じように、偉そうに椅子にふんぞり返っていて、まるで何事もなかったみたいです。……さっきは確かにいなかったのに。お父さんにも、夢でも見たんだろうと言われてしまいました。

 何が何だかよくわかりませんが、こうなっては仕方ないので、またヘンリーの所に行きました。ヘンリーがちゃんといたのには安心しましたが……それでもやっぱり、妙な気持ちです。ヘンリーに、宝箱が空っぽだったことを話すと、そんなはずはないからもう一回見てこいと言われました。それで、釈然としない気持ちのまま、宝箱をまた見に行ったのですが……やっぱり、さっきと同じ、空っぽのままです。なんとなく嫌な予感がしましたが、仕方なくヘンリーの所に戻ることにしました。

 ……予感的中。ヘンリーは、また消えていました。お父さんを呼びにいこうかとも思ったのですが、またさっきと同じ事になりそうな気がして、それもためらわれます。これは、自分でなんとかするしかありません。そう思って、とりあえず、部屋中細かく調べてみることにしました。そうすると、なんと、椅子の下に階段が見つかりました。……やった!これを見つけられたと知ったら、あいつ、きっと悔しがるだろうな。そう思ったら、ますます嬉しくなってきました。

 階段を降りると、やっぱりヘンリーはそこにいました。でも、ちっとも負けを認めようとしません。相変わらず偉そうなままで、本当に嫌な奴です。何か言ってやろうと思ったのですが、そこに、いきなり横から悪者っぽいおじさん達がやってきて、ぼくは突き飛ばされてしまいました。ぼくが動けずにいると、そいつらは、ヘンリーを気絶させて外へ連れて行ってしまいました。慌てて起きあがって追いかけると、そいつらがヘンリーをイカダに乗せて遠くに運んでいくのが見えました。

 ………大変だ。どうしよう。

 とにかくお父さんに知らせないと。

 急いでお父さんの所に行ってそのことを話すと、お父さんもすぐに来てくれました。さっきのことがあるので信じてくれないんじゃないかと心配したのですが、すぐに信じてくれてよかったです。でも、イカダはもう見えなくなってしまっていました。

 それでも、お父さんには人さらいの行き先に心当たりがあるみたいで、すぐに追いかけるぞ、と言いました。騒ぎを大きくするだけだから、このことは誰にも言わない方がいいだろう、とも言われて、でも王様には言った方がいいんじゃないかとぼくは思ったのですが、お父さんがそう言うのだからその方がいいのだろうと思い直してぼくも黙っていることにしました。……ぼくのお父さんはとっても強いけど、ヘンリーのお父さんは王様で、偉いけど強そうには見えなかったから、人さらいと戦ったら負けてしまいそうだし。そう思ったら、ヘンリーがちょっとかわいそうになりました。

 お父さんは、今まで見たことがないほど真剣な顔で、人さらいを追うからついてこい、と言って駆け出しました。もちろんぼくもそのつもりだったのですが、お父さんは速すぎて、とても追いつけません。あっという間に見えなくなってしまいました。

 ……追いてっちゃうなんて、ひどいや。ついて来いって、自分で言ったくせに。

 ちょっと拗ねたくなりましたが、今は大変な時だし、ここでただお父さんが戻ってくるのを待つのもいやなので、プックルといっしょに追いかけることにしました。うまくいえば、お父さんより先にヘンリーを助けることだって、できるかもしれないし。

 そうと決まれば早速出発。まずは装備を整えなければ。ラインハットに着いた時はすぐに城に向かったから、お店を見る暇がなかったのです。

 お店には、鉄の鎧やチェーンクロスなど、新しくて強力な武器防具がたくさん売っていました。プックルの守備力が低いので、まずは防具をそろえようと、プックルにけがわのマントと鉄兜、そしてついでにぼくはてつのよろい、てつのたて、てつかぶとを揃えました。これで大幅に守備力が上がりました。しかし、みんな高かったので、お金がすっかりなくなってしまいました。これでは武器が買えません。とりあえず、レベル上げをかねて、お金を稼ぐことにしました。

 あたりには、まだ見たこともない敵が出てきます。ベビーニュートのギラがちょっとこわいですが、そんなには使ってこないので、気にするほどではなさそうです。スライムナイトも一見手強そうですが、平気でした。スライムナイトのスライム、よく見ると後ろが透き通って見えます。これは驚きの発見でした。

 新しい場所でも平気だったので、自信がつきました。そうこうするうちに、お金も貯まったし、プックルはレベル12、ぼくはレベル14になってリレミトをおぼえました。これでもう怖いものなしです。

 プックルには鉄のツメを買ってあげれたし、ぼくはチェーンクロスを買って攻撃力が大幅に上がりました。今までに比べ、攻撃できる範囲はせまくなってしまいますが、これならそれでも十分です。

 今日のところは宿屋で一休みして、明日は北の方にあるという遺跡に行ってみるつもりです。関所には何も手がかりがなかったし、遺跡なら人さらいのアジトになるので怪しいと思ったのです。当たっていればいいのですけど。―これで、今日のお祈りはおしまいです。

 

 

ぼうけんのしょ:P10

 

 さて、いよいよ遺跡に向かってヘンリー救出に出発です。相手がヘンリー、というのがちょっと気がすすみませんけれど。

 このあたりの魔物は、ぼくとプックルで、大体2ターン以内に倒せます。プックルが、ビアンカみたいに鞭を装備できたらほとんど1ターンで倒せるかもしれないのになあ。

 それはともかく、早速遺跡に潜入。暗いけれど、洞窟よりは明るいので少しは進みやすいです。奥に進んでいくと、お父さんが魔物と戦っているのが見えました。ちょっと心配になったのですが、お父さんはあっというまに全部倒してしまいました。やっぱりお父さんは強いです。お父さんは、ぼくが一人で(プックルもいたけど)ここまで来たことにびっくりして、ほめてくれました。嬉しいです。追いかけてきてよかったと思いました。

 お父さんと無事会えたので、ここから先はお父さんといっしょです。お父さんがいっしょだと、やっぱり戦闘はだいぶ楽です。お父さんはとても強くて一撃で魔物を倒してしまうし、二回攻撃ができて、会心の一撃もたくさん出るのです。それに、戦いが終わった後、ぼくがちょっとでもケガをしているとホイミをかけてくれます。それがどんなに小さなかすり傷でも、ホイミをかけてくれるのです。もったいないなあと思うのですが、ぼくはそんなお父さんが大好きです。

 ヘンリー王子のいるところまで、あと少しのはず。お父さんがいるから、もう全然心配はいりません。宝箱を探しながらゆっくり行くことにしました。途中、古い地図を見つけて、それに沿ってここまで来たのですが……それによると、ここには宝箱が5個あるみたいなのです。でも、ここまでで見つけられたのは3つ。あとの二つはどこにあるのでしょうか。……イカダにのって探し回り、暗がりにエルフののみぐすりの入った宝箱があるのを見つけたのですが、あと一つがどうしても見つかりません。

 うろうろしているうちに、ぼくとプックルがまた上がりました。こうなったらもう、宝箱はあきらめて、先に進むことにしました。進んだ先には牢屋があって、ヘンリーはそこに閉じこめられていました。でも、ヘンリーは、ぼく達がせっかく助けにきてあげたのに、ありがとうも言いませんでした。やっぱり偉そうな態度のままで、ここに残るだなんていうのです。ちょっと腹が立ちましたが、この前と違って、ヘンリーがなんだか寂しそうに見えたのが気になりました。ヘンリーは、自分なんていないほうがいいんだ、なんて言ったのです。

 それを聞いたお父さんは、ヘンリーをぶちました。そして、ヘンリーに、ヘンリーのお父さんのことを考えるように言いました。ぼくにはよくわかりませんでしたが、ヘンリーは、なんだかすごくショックを受けたみたいで、だまりこんでしまいました。

 そんな二人を見ていて、ぼくはどうしたらいいのかわからなかったのですが、お父さんは、すぐに気を取り直してとにかくここを出るのが先だと言いました。そこで、牢屋から出ようとしたのですが、そこに魔物がやってきました。……見つかった!

 お父さんは、ここは引き受けたから王子を連れて逃げろ、とぼくに言いました。不安でしたが、お父さんなら大丈夫だと思い直して、ぼくはヘンリーといっしょに逃げることにしました。

 すごくドキドキします。でも、もう少し…もう少し……。

 やっと遺跡の入り口に着いてほっとした時、変な人影が立っているのに気付きました。なんだかすごく嫌な予感がして、無視して横を通り抜けようと思ったのですが、そいつーゲマーは嫌な笑い方をして、立ち塞がりました。

 ……戦うしかないみたいです。

 でも、ゲマはとても強くて……攻撃は全然効果がないみたいで、メラミとか使ってきて……ヘンリーが真っ先に気絶し、ぼくも気絶してしまいました。

 ……それから先の記憶は、ぼやけていて。

 …………ただ。

 お父さんがやってきて……ゲマの部下のジャミ、ゴンズとかいう化け物を簡単にやっつけて……でも、ゲマが……ゲマが……ぼくの首に何かを……大きなカマを、当てて……それで、お父さんは、戦うのをやめたんだ……。

 頭の中がずっと、ぼんやりとしてて、悪い夢でも見ているみたいに感じてた。目の前はうすく白いもやがかかったようになっていて。

 ……そんななかで、お父さんが。お父さんが倒れるのだけが。

 いやにはっきりと、見えた………。

 ぼくの目の中には、ずっと、お父さんだけがいた。お父さんだけが。

 お父さんは起きあがって、ぼくに言った。お母さんはまだ生きているって。そして、お父さんに代わって、必ずお母さんを………助けるようにって。たぶん、最後は、そう言おうしたんだろうと思う。

 ぼくは、その言葉を最後まで聞けなかった。お父さんが言い終わる前に、ゲマが……ゲマが、とても大きい火の玉を作りだして………それが、お父さんに向かって放たれたから。

 ぼくが最後に見たのは、お父さんが白い光に飲まれ、叫ぶ光景。

 光が消えたあと、そこには、黒い跡しか残っていなかった。

 お父さんは、どこにもいなかった。

 ただ、黒い跡だけが。そこに。

「……これは失礼。火葬より土葬の方がお好みだったかな?」

そんな声が聞こえたような気もするし、聞こえなかったような気もする。

 おとうさん。

 頭の中には、その言葉だけが浮かんでいて。

 他には、何も考えられなかった。

 その後、ゲマがぼくのゴールドオーブを粉々に砕くのが見えたけれど、何も感じなかった。

 ゲマが何か言っていたけれど、何も耳に入らなかった。

 頭の中が、どんどんしびれてきて、何も見えなくなっていく。

 ……最後に。

 取り残されたプックルが、起きあがって何かを探すように辺りを見回した後、黒い跡へ駆け寄るのが見えたような気がした………。

 

 

みちる

パパスのむすこ

せいべつ:おとこ

レベル:15

 ちから:47

 すばやさ:34

みのまもり:16

 かしこさ:20

うんのよさ:8

こうげき力:75

 しゅび力:73

さいだいHP:118

さいだいMP:50

プックル

ベビーパンサー

せいべつ:???

レベル:13

  ちから:61

 すばやさ:51

みのまもり:27

 かしこさ:16

うんのよさ:40

こうげき力:80

 しゅび力:61

さいだいHP:104

さいだいMP:0

Eチェーンクロス

Eてつのよろい

Eてつのたて

Eてつかぶと

Eてつのツメ

Eけがわのマント

 

Eてつかぶと

 

 

2004.4.8

 

 

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