時は来たれり

 

 

冒険の書:P51

 ボブルの塔。入口の扉は閉ざされていたので、外の階段でてっぺんまでのぼり、そこからフックつきロープを使って中に入る。…なるほど、ここで使うのか。しかし……一見明るく見える塔なのに、中に入ると何かすごく嫌な感じがする……なぜだろうか、空気がひどく淀んでいる、というのか……以前、これと似たような感じが確か……いやよそう、考えると気が滅入る。とにかく、今は先へ進むことだけ考えよう。

 塔の内部は、外とは違って強敵ばかり。しかも、これまで戦ってきたモンスター達に比べ、数段パワーアップしている。中でもブラックドラゴンは強敵。さすがドラゴンというだけあって、かなり手強く苦戦する。気を抜くとやられかねない。ゴールデンゴーレムのバギクロスも侮れない。Gがごっそり手にはいるのは嬉しいけど……。奇跡の剣があってよかった。これでかなり助かった。僕の分だけでも回復呪文を節約できるし、戦闘中もあまり僕の体力は気にしないですむ。長丁場になりそうだから、これは本当にありがたい。

 5Fまでおりると、天空人とおぼしき男が倒れていた。とてつもなく強い二匹の魔物が竜の目を奪って逃げたのだとか。その魔物はまだ近くに潜んでいるはずだから逃げるようにと言い残してその男は息を引き取った。

 竜の目……?何のことだろう。「二匹の魔物」というのも嫌な予感がする。しかし、今は進むしかない……。

 さらに進むと、巨大な竜の像があった。さっきの人が言ってた「竜の目」と何か関係があるのだろうか。わからないままに先へ進む。1Fへ下りるとレバーがあって、それを引くと扉の開閉ができるようになった。よし、これで引き返すことになっても色々と楽になるぞ!

 そこから地下へおりる。途端にゾクゾクするような悪寒が襲ってきて、思わず足を止めた。単に空気が冷たいのではない。もっとこう……魂まで凍えてしまうような寒さを感じる。

 暗い。地下は地上とは違ってかなり入り組んでいる。その上これだけ寒いと…駄目だ、本当に、気が滅入ってくる。どこまで行っても堂々巡りのような。決してここから抜け出せないような……もう二度と、明るい日の光を目にすることができないような気になってくる。そう…あの神殿では丁度……いや、余計なことを考えるな。ただちょっと複雑なだけのダンジョンじゃないか……。

 いちだんと冷気が濃くなった。……嫌なにおいがする。目をこらすと、通路の突き当たりに巨大な何かが……その後ろにちらりと見えるのは、宝箱?これは……魔物が何か重要なものを守っているのだろうか。しかし、この魔物…この魔物は……。

 胸の高鳴りを必死でおさえながらそちらへと進む。近付くと、今度ははっきりとわかった。

 ……ゴンズだ。

 間違いない。父さんの仇……。

 自然、剣を持つ手に力が入る。奴は僕のことを全く覚えていないようだった。

 しかし…僕も奴も、互いに相手をこのまま生かしておくつもりはない!!

 そして、戦いが始まった。

 レティがバイキルトをかけてまわる。サンチョはひたすらスクルトを。僕とキラはひたすら攻撃……。ベホマラーの使えるキラには星降る腕輪を装備させて、回復も担当してもらう。

 そして、やがてほどなくゴンズは倒れた。……呆気ないほど簡単に……。ちなみに、とどめをさしたのは、なんとレティの会心の一撃。イオナズンを唱えさせるつもりだったのに、間違って攻撃させてしまい…しかしそれがどういうわけか会心の一撃になってくれたのだ。これも何かが味方してくれているのだろうか。

 これで…これで二人。父さんの仇を、今……!!

 だが、仇はあともう一人残っている。ジャミとゴンズに指示を出し、その後直接父さんにとどめをさした最も憎き敵、ゲマ……!!

 天空人は、二匹の魔物と言った。そして、ゴンズが守っていた宝箱の中身は、「竜の左眼」。ならば、「竜の右眼」を守っているもう一匹の魔物がいると考えるのは必然。

 ゴンズがここにいたということは、ゲマもこの近辺に潜んでいるはず……。

 ゲマ……今日こそお前を、倒す………!!!

 

 しかし、こちらも少々消耗している。この状態で、あのゲマと戦うのは得策ではない。奴と戦うのなら、万全の状態にしてからでなくては。ここは面倒でも一旦引き返して体力を回復させ、ゲマとの戦いに備えた方がいいだろう。

 そう考え、はやる気持ちをおさえて僕達はいったん町へと戻って休養し(ついでにお金を銀行に預け)、再度ボブルの塔に向かった。今度は1Fから中に入れるので思ったほど面倒ではない。

 地下へとおりて、まだ行っていないところを見て回り……そして、僕は見つけた。地下深くに……夢の中で何度も見た、あの薄ら笑いを。

 ゲマ……!!

 胸が詰まり、呼吸もままならない。

 今、奴が目の前にいる!!

 今すぐ…今すぐ奴をこの手で引き裂いてやりたい……!!

 爆発しそうな感情を、必死に剣の中に抑え込める。

 ゲマはあの時と同じように笑い、話しかけてきた。ただ一つ違うのは、今回はゲマが僕を殺す気だったということ。

 そして……それはこちらも同じこと。

 そして、戦いが始まった。

 最初にキラにフバーハを唱えさせた以外は、ゴンズ戦の時と同じ戦法。しかし、ゲマはゴンズなどより遙かに手強い。息や呪文などの攻撃が強力なのはもちろんだが、マホカンタを使われるのも困る。レティの力では、直接攻撃では殆どダメージを与えられないのだ。しかし、マホカンタを使えるキラには回復もしてもらわないといけないし……呪文攻撃が主力のメンバーを入れたのは失敗だったのかも知れない。だが、こいつにだけは……こいつにだけは、負けるわけにはいかない!!

 そして、キラのMPがそろそろ危なくなってきた時。ようやく、勝利することができた。

 ついに…ついに、ゲマをこの手で……!!

 だが、そう思ったのも束の間、ゲマはまだ生きていた。

 多少弱った様子ではあったものの、その笑いは少しも変わらず。そして、このことをミルドラースに報告すると言い残して去っていった。

 逃したか……!

 僕の方も満身創痍、その様子を見ていることしかできなかった。

 やっと、奴の息の根をこの手で止めることができたと思ったのに…!!

 だが一方で、僕は、この事実を不思議なほどすんなりと受け容れていた。あのゲマをこんな所でこんなにすんなりと倒せるはずがない、そんな気もしていたから……。

 だが、今度会う時こそは、必ず……!!

 

 とにかく、逃げられてしまったものは仕方がない。落ち着け…気持ちを切り替えなくては……。今は、そうだ…竜の右眼だ……。

 僕たちは、竜の右眼を手に入れた後、また外へ出て一休み、それから三度ボブルの塔へ向かった。既にボロボロだったのだ。

 さて、この右眼と左眼をどうするか……やっぱりあやしいのは、この竜の像の顔だよな、目があるべきところに何もないし。

 そう思い、早速はめてみる……が、何も起こらない。変だな…これでいいと思ったのに……って、ああっ、反対じゃないか!そうかそうか、こっちに右眼を入れるんだった……これでよし、と。

 正しい位置にはめ込むと、今度は変化があった。なんと、竜の像の口にあたる部分から、舌が…つまり廊下が出てきて下の通路とつながったのだ。

 へえ……見た目によらず、なんともユニークな仕掛けだなあ。でも、こんな仕掛けを作った神様って一体……?

 教会の人達がとりわけ真面目だから、神様も厳格一辺倒という感じかとなんとなく思っていたけど、神様も結構面白いところがあるのかもしれない。仕えている人が真面目でも、その対象がそうだとは限らないものなあ。ラインハットだって、兵士は真面目みたいだけど、ヘンリーはどう見たって真面目や厳格なんて言葉からはほど遠い奴だからなあ。

 おっと、こんなことを考えている場合じゃない。さっさと中へ入ろう。

 像の内部…つまり、竜の体内に入ると、全く魔物が出なくなった。これはありがたい。するとやっぱりここは、何か神聖な場所なんだろうな。ゲマ達がこの場所に何かするのではなく単に鍵を奪っただけだったのは、きっとここに入れなかったからなのだろう。

 階段を下りていくと、深い穴があった。フックつきロープを使って下へおりると、小さなでっぱりに着地した。そこの扉から中へ入ると、そこは……。

 すぐに空気が変わったのが変わった。すごく神聖な雰囲気。体の底から清められていく気がする。

 丸い部屋で、床に大きな竜の姿が描かれている他は、何の装飾もない。ただ中央に、ぽつんと一つ台座があるだけ。その上で、青く光るオーブが力強いオーラをはなっている。おそるおそる手にとると、それはすんなり僕の手の中に収まった。

 不思議な感じがする……ドラゴンオーブ…よく見ると、中にドラゴンがいるような……うっすらと姿が浮き出ている。手にするには大きすぎるような…触れてはいけないもののような気がするのに、このオーブはこうして僕が触れるのを許し、どこまでも温かい。大いなる力強さ、安らぎ……これが神というものだろうか。

 おそらくこれに、マスタードラゴンの力が封印されているのだろう。どうすればいいのかはわからないが、とりあえずこれを天空城に持っていくことにする。

 その途中、像の最深部で一本の杖を見つけた。深緑色の、ドラゴンの形を象った美しい杖。ドラゴンの…杖。その杖のまわりだけ厳かな雰囲気が漂い、なんというか……かっこいい。思わず手を伸ばすと、それは杖の方から僕の方に飛び込んできた…ように、見えた。

 …不思議だ。ずっと前に生き別れた兄弟と出会ったかのような……生まれる前にどこかに残してきた分身と一つになれたような……そんな一体感を感じる。

 この杖は……僕の杖だ。

 握っているだけで、体の底からすごい力がわき上がってくるのを感じる。

 思わぬ収穫だ。もっとも、この塔では思いがけない出会いが多すぎたが……。とにかく天空城へ戻ろう。ドラゴンオーブを渡さなくては。

 

 

冒険の書:P52

 城に戻ると、玉座の間で一悶着起きていた。天空人達が、「プサンなどという者はこの城にはいなかった」と、プサンを問いつめていたのだ。確かに、プサンはその外見・言動等を含め、色々と怪しい人物ではあるのだが……しかし、悪い人間ではない。そんな気がする。とりあえず、仲裁に入るべく、割って入ることにする。

 プサンは、相変わらずの態度で、特に困っている様子は見せない。それよりも、僕たちのもっているドラゴンオーブにすぐさま気付き、それを渡してほしいという。一瞬迷った…が、これを僕たちが持っていても仕方がないのは確かだし、プサンも悪い人ではない…と、思う。不安も残るが、勘の鋭い子供達もそう言っていることだし…ええい、渡してしまえ!!

 というわけで、思い切って渡してみた。すると…とたんに溢れる、まばゆい光。こらえきれずに、思わず目を閉じる。そして、再び目を開けた時、瞳に映ったのは……。

 そこにプサンの姿はなく、かわりにいたのは銀色に輝く巨大な一頭のドラゴン……マスタードラゴン!!

 そうか……プサンがマスタードラゴンだったのか!!

 あまりの驚きに、声も出ない。

 だって、まさか……まさか……!!

 マスタードラゴンは、僕たちの驚きをよそに、厳かな口調で語り出す。プサンと同一人物だとは、とても思えない……。

 彼(?)は僕たちに礼を述べ、魔界の者達と戦う手助けをすると言ってくれて、天空のベルというものをくれた。これを鳴らせば、マスタードラゴンが来てくれるらしい。…なんというか、本当に気さくな神様だなあ……。他に強力な武器防具、種や木の実なんかをもらえないかとちょっぴり期待したけれど、流石にこれはだめだった。

 それにしても、マスタードラゴンって、なんとなく金色の竜って思いこんでいたけど銀色だったんだなあ……。

 とにかく、早速外へ出て、この天空のベルというのを鳴らしてみた。

 カランカラン…と高らかに鐘の音が鳴り響く……かと思いきや、チリンチリン、と意外に可愛い音がする。

 やがてほどなく、どこからかマスタードラゴンが飛来してきた。ぐるりと旋回しながらやって来るのがかっこいい。そして、僕たちを背中に乗せて、マスタードラゴンは空高く舞い上がる!!

 流石にマスタードラゴン、その行く手を遮るものは何もない。自由に、どこまでも羽ばたいていく。しかし…マスタードラゴンって、もっと高く速く飛ぶものだと思ってたんだけどなあ。いやもちろん、実際にはかなり高くて速いのだろうが……こうして乗っていると、あまりそんな感じはしない。低空飛行したらその速さが感じられるのではないかと思うのだが、マスタードラゴンはむやみに人間や動物を驚かせたくないと言ってそれをしてくれないのだ。僕としては、驚いているところを見てみたかったりもするのだが……神様の仰せでは、仕方がない。うう……プサンなら了解してくれるんじゃないかと思ったんだけどなあ。

 ただ、それでもさすが神であるドラゴン、そこらのドラゴンとは羽ばたき方が違う。その羽ばたきは、優雅にして力強い。それでも、もとがドラゴンなだけに、鳥の美しさにはかなわなかったりするが……。しかし、マスタードラゴンの飛んでるところって、上から見ると確かに優美に見えるのだが、横から見るとちょっぴりコミカルな感じがする。これって、マスタードラゴンそのものを表しているのではないだろうかっ!?……って、考えすぎかな、これは。

 まあなんにせよ、こんなふうに空を飛ぶのは…それも、空高く神様の背に乗って空を飛ぶというのは、理屈抜きでワクワクする。

 ああ……今ならなんだってできそうな気がするよ、なんだって、ね……!!

 

 

みちる

ゆうしゃのちちおや

せいべつ:おとこ

レベル:48

ちから:160

すばやさ:111

みのまもり:50

かしこさ:91

うんのよさ:94

こうげき力:260
 
(攻撃力:225)

しゅび力:175

最大HP:351

最大MP:197

レティ

みちるのむすめ

せいべつ:おんな

レベル:41

ちから:46

すばやさ:127

みのまもり:72

かしこさ:121

うんのよさ:114

こうげき力:131

しゅび力:194

最大HP:228

最大MP:218

Eきせきのつるぎ
(ほのおのブーメラン)

Eドラゴンメイル

Eふうじんのたて

Eちりょくのかぶと

Eほのおのリング

Eようせいのけん

Eプリンセスローブ

Eうろこのたて

Eしあわせのぼうし

キラ

でんせつのゆうしゃ

せいべつ:おとこ

レベル:40

ちから:113

すばやさ:91
(
素早さ:181)

みのまもり:47

かしこさ:69

うんのよさ:87

こうげき力:223

しゅび力:217

最大HP:260

最大MP:158

サンチョ

めしつかい

せいべつ:おとこ

レベル:43

ちから:124

すばやさ:42

みのまもり:29

かしこさ:42

うんのよさ:72

こうげき力:209

しゅび力:144

最大HP:399

最大MP:79

Eてんくうのつるぎ

Eまほうのよろい

Eてんくうのたて

Eてんくうのかぶと

Eきぼりのめがみぞう
(Eほしふるうでわ)

Eらいじんのヤリ

Eまほうのよろい

Eふうじんのたて

Eシルクハット

ピピン

グランバニアへいし

せいべつ:おとこ

レベル:40

ちから:142

すばやさ:76

みのまもり:40

かしこさ:75

うんのよさ:39

こうげき力:232

しゅび力:180

最大HP:305

最大MP:0

ピエール

スライムナイト

せいべつ:???

レベル:46

ちから:137

すばやさ:113

みのまもり:61

かしこさ:83

うんのよさ:75

こうげき力:267

しゅび力:226

最大HP:309

最大MP:124

Eドラゴンキラー

Eほのおのよろい

Eドラゴンシールド

Eちりょくのかぶと

Eメタルキングのけん

Eやいばのよろい

Eメタルキングのたて

Eちりょくのかぶと

 

カジノのコイン   174465まい

おかね しょじきん 9561G
    ぎんこう  65000
G

ぼうけんしたじかん 160時間27分

 

 

2004.9.7

 

 

 

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