世界設定
<魔道士協会の通説〜世界の成り立ち〜>
この世の中には、いくつもの世界が存在する。そのすべての世界は、遠い昔、何者かの手によって混沌の海に突き立てられた、無数の「杖」の上にある。それぞれの世界は丸く、平ら。
そのそれぞれの世界を巡って、遙かな昔から戦い続けている二つの存在がある。一つは“神々”、もう一つは“魔族”。“神々”は世界を守ろうとするもの。“魔族”は世界を滅ぼし、それを支えている「杖」を手に入れようとするものたち。
ある世界では“神々”が勝利を収め、平和な世界が築かれ、ある世界では“魔族”が勝利をおさめ、その世界は滅び去った。そしてまたある世界では、戦いは今もなお続いている。
リナ達の住んでいる地では、“赤眼の魔王”シャブラニグドゥと“赤の竜神”スィーフィードとが覇権を巡って争っていた。戦いは幾百、幾千年にも及んだ。この戦いの中、「眠る竜」と呼ばれた大陸の半分が蒸発したとの話もあり、その戦いの凄まじさが伺える。
<およそ五千年前>
竜神は魔王の体を七つに断ち切り、それをこの世界のいたるところに封じ込めた。だが、さしもの竜神も力つき、「混沌の海」へと沈んでいった。しかし、万が一の魔王の復活を恐れ、竜神は力尽きる寸前に、地竜王、天竜王、火竜王、水竜王の四体の分身を作り上げ、それぞれにこの世界の東西南北を任せた。
<約千年前(降魔戦争)>
七つに分かたれた魔王シャブラニグドゥの一つが復活した。魔王は一人の人間にとりついてその肉体と精神を乗っ取り、自らを蘇らせた。魔王は北を治める水竜王に罠を張って戦いを仕掛け、やっとのことで水竜王を滅ぼしたが、自分自身も体を大地に繋ぎ止められ、身動きがとれなくなってしまった。だが、これを機に、地には魔族や獣達があふれ出すことになったのだという。
<現在の世界>
降魔戦争の時に、滅びの砂漠、魔海、群狼の島、北の拠点に、冥王、海王、獣王、覇王がそれぞれ配され、神封じの結界を形作っているため、この地域には、他の神(竜王)の力は及ばず、神の力を借りた呪文を使うことはできない。
舞台となる地域は広さにしてヨーロッパ地方ほどのものだが、海と砂漠とで、他の地域とは少し孤立している。本来なら海も砂漠も、越えられないほどのものではないのだが、砂漠には冥王の、三方の海には海王、獣王、覇王の結界拠点があるせいで、自然の脅威プラス魔族達の瘴気のせいで、交流は不可能になっていた。
<特殊用語>
【滅びる】
知識や能力、意志、性格、記憶といったものがバラバラに分解されたり、闇に滅したりすることで、こうなれば、たとえ神や魔といえど、もとの形で復活することはまずありえない。ばらばらに細分化されたものは、たとえばその力だけが何かに移る、ということはあるかもしれないが、もとの形で復活することは、もはや絶対にない。
【倒される】
この世界に具現する力を失うーこの世界への物理的干渉力を失い、何もできなくなる、ということ。純魔族などは、時が経ち、何らかの方法で力を取り戻せば、再びこの世に具現することができる。しかし、人間などの普通の生物に関しては、転生することはあっても、そのままの形で復活することは、まずない。
【瘴気】
むせかえるような敵意、悲しみ、絶望感―それらが絶妙にブレンドされた空気。魔族の力の源。
<町>
一口に領主といっても、その規模は大小様々。広大な領地にいくつもの城を持っている者もいれば、ほんのささやかな領地に、ちょっと立派なお屋敷といった程度の城を持つロードもいる。
貧富の差の大きい町では大抵、領主は金持ち、と決まっている。
町が大きくなるにつれ、中心部分には役所だの神殿だのが増え、普通の家が少なくなるもの。
町全体を壁が囲む、というつくりが城下町として一般的。
城下町では、通常、城に近づくほど、公共施設が増え、住人の地位、生活レベルも上がっていく。大きな街ならば、たいてい教会や魔道士協会、戦士の斡旋所などがあり、行政に対してそれなりの発言力を持っているものである。
ちなみに、町の中にデーモンなどが出た時は、即座に城から兵士が迎撃に出るのが普通。
城塞都市の城壁は、言うまでもなく、万が一の時のため、外敵から町を守るためのものである。この場合の外敵というのは、戦争を仕掛けてくるどこかの国だったり、モンスターの群れだったりするわけなのだが、基本的に、門を出入りする人々のチェックに関しては、それほど厳しくはない。ここいらへんの締め付けをあんまり厳しくやりすぎると、人手がやたらと要るうえに、交易商人や旅行客達も寄りつきにくくなり、町をさびれさせることになるのだ。むろん、ロコツに怪しい奴(ゼルガディスは白ずくめの怪しい格好で大丈夫なのだろうか……?)とか、手配されている人間などは町にはいるのを拒否されたりもするが、基本的には普通の格好をしていて(…ナーガは?)、町に入るそれなりの理由があれば、それでいいらしい。
戻る