リナのつぶやき(1)
<いわく、どこぞの洞窟に眠っている。いわく、どこぞに拠点を構える怪しい団体が隠し持っている。いわく、湖にふつーの剣をほうり込むと、きれーなねーちゃんが出てきて伝説の剣をくれた。
そして一番ありがちなのが、伝説の剣が、どこぞの岩につき立っており、引き抜いた者が剣の主―というパターン。>
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P6~7)よく使われるパターン。スレイヤーズ世界の住人は、まったくもって商魂たくましい。
<言いながら、ガウリイの視界をかいくぐり、空いているほうの左手で、彼のサーモン・ソテーをひと切れふた切れ、自分のお皿にこっそり移してみたりする。>
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P9)以前なら気づいたかもしれないが、光の剣の後遺症か、全く気づかないガウリイ。
<しかし、ふつーの相手にならいざ知らず、戦士にして天才魔道士たるこのあたし、リナ=インバースに、ンな泣き落としなど通用しないっ!>
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P13)しかし、セレンティアでは、魔道士協会評議長のおじいさんに本気で涙流して泣きつかれて、やむなく承知してしまったという。(トドメは報酬額の提示だったらしいが……)
<―ま、魔力剣の手がかりらしき手がかりは、結局得られなかったけど、たまにはこーゆー、さしてアテもない、のんびりとした旅もいーもんである。
これであと、いきなし野盗でも出てきて、あたしにどつき倒されたあと、おたからごっそり置いていってくれれば、何も言うことないのだが……>
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P18)リナ=インバース、かの者は常に、平穏と最も遠いところにある。トラブルにも、トラブル好きの人がわかるのか?
<あたしは、ガウリイが体勢を整えるまでの時間かせぎに、あーいうセリフを吐いたのだ。
決してあたし自信がおーざっぱな性格をしているから、というわけではない。ないったらない。お願い信じて。>
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P31)強調されればされるほど、信じられなくなるのはなぜだろう?
<……ったく……あれやこれやでちょっぴし名前が知られれば、よくない噂ばかりが先行するのが世の常、とはいうものの……>
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P32~33)事実無根ではないようだが……。
<めごっ!
無言のうちにあたしがふるった、大人の頭ほどの石に、うしろあたまを直撃されて、ガウリイはすこしおとなしくなった。>
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P39)ふつーは死ぬと思う。
……リナの旅の連れは、色々な危険がいっぱい。並の人間にはつとまらない。
そういえば、アメリアもゼルも、やたら頑丈だったな……。
<むろんガウリイは問題外。彼に言い合いや交渉をさせる、というのは、柳の枝に命綱くくりつけてバンジージャンプするようなもんである。>
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P49)
<をうっ!?これはよっとして、噂に聞く、世間話したがり病っ!
いなかのおっちゃんやおばちゃんがよくかかる病気で、普段狭い世界の中で暮らしているぶん、よそものに、あれやこれやと聞かれると、ついべらべらしゃべりまくってしまう、とゆー、恐ろしいシロモノである。
この病気を持ってる相手につかまると、どーでもいーよーなくそ面白くもない話を、えんえんと聞かされ続ける、という運命が待っている。
しかし逃れる手段はある。急いでいる、とかなんとかきっぱり言い切って、迷わずその場を後にするのだ。>
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P58~59)ヴェゼンディでも被害にあったからねえ……。
<おしっ!気になったら即確認っ!我慢は体によくないぞっ>
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P112)
<光の剣が五百五十だというのなら、魔風のおまけつき、程度の無銘の魔力剣に、それ以上の値段をつけるわけにはいかないっ!それこそが適正価格、商人としてのポリシーというもんであるっ!
……地方によっては、搾取とか詐欺とか言うかもしんないけど……>
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P156)自覚はすれども反省はせず!!
<頭と呪文は使いようっ!やりかたしだいでなんとでもなるっ!>
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P178)
<ををっ!?珍しくガウリイがひとの言うこと聞いてたっ!>
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P11)聞いてなかったらどうなるかを身に染みて知ってるだろうから……(笑)。
<大きくなりつつある町ほど、活気とーそれに比例した歪みが生まれるものである。>
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P28)
<反乱起こそう、なんぞと考えてる奴のところに乗り込んで、『盗品売買のこと、国王にバラされたくなければ……』なんぞと言うのは、『この場で私の口を封じてください』と言っているようなもんである。>
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P36)
<しかしーもしも相手が飛び道具で攻撃かけてきたならば、あたしがよければガウリイに当たる>
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P49)おお!珍しくリナが常識的なことを言ってる!
<ガウリイの手が空いているのなら、『それ行けガウリイ』とか言って突っ込ませて、あたしは後ろで見物、というテもあるのだが……>
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P95)そういえば、この手を使ったのは最初だけで、最近は全然使ってないね。
また見たいなあ……(笑)。
<さすがー強いぞ!ガウリイ!これであと、脳ミソがあれば完璧だっ!>
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P102)うんうん。
<ともあれ、どっちが悪党だとしても、そうでない方の味方について、魔力剣の二、三本とか、金貨の二、三百枚とかをお礼にいただく、というのもまた一興>
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P117)
<……むかしの英雄伝承歌なんかにあるみたいに、忍び込んだその先で、悪役が、仲間といっしょに、いきなり自分の悪事の解説をしている、などという展開があれば、とことん楽ではあるのだが……>
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P119~120)そんな幸運、滅多にあるものではない。
<もちろん大うそではあるが、あたしの知ってる、どこぞの国のプリンセスが、もしもこの場にいたならば、『正義のためには手段選ばず!』とか言ってくれたことだろう。たぶん。>
(10―
P128)また番外編に出てきてほしい。
<抜き身の剣持ってる奴に、ダッシュで走ってこられたら、ふつー、たいていの人間は逃げるぞっ!>
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P131)そうか、リナも「たいていの人間」だったのか!
<注意一秒ケガ一生!その一瞬が命取り!あたしはすでに、呪文を唱え終えている!>
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P142)懐かしい標語。語呂がいい。
<そうなった場合、『ごめーん。間違えちゃった。てへっ』とか言ってごまかす、というあたしの意見は、ミリーナにつめたく却下された。>
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P166)仮にも領主代行をぶっ飛ばしてそれはマズイだろう。
<こいつのよーな、我が身だけはとことんかわいい自己中タイプの人間(もう人間やめてるけど)なら、防御だけは、がちがちにかためているはずである。>
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P264)心理学者リナ、健在!!
例えば
DQで、呪文や息攻撃をある程度無効に出来る装備を手に入れた後、わざと敵に呪文を唱えさせてて優越感に浸る、っていうのと似てるかな?
<かくいうあたしたちもまた、夜の宿で、いきなしデーモンの襲撃を受けて、一撃必殺で返り討ちにしたら、あたりの建物にも被害出て弁償させられたり、趣味と実益を兼ねて盗賊団のアジト潰しに出かけたら、アジトが野良デーモンに襲われて壊滅してて、予定してた収入がなくなって、八つ当たりで近くの山に竜破斬かまして地形変えたら、近所のひとから苦情が来たり、と、数々の恐ろしい攻撃を受けたりしている。>
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P9)ドラまたリナは、デーモンよりも、近所の人からの苦情の方が怖いらしい。
<けど『うそつき』呼ばわりはやめてもらいたいもんである。あたしはただのひとことも、『揺れない』とか『安全だ』などとは言ってない。>
(11−
P80)ガウリイだけは、経験からか、野生のカンか、うすうす察していたのは流石、というべきか。
<時々かしこいぞっ!ガウリイ!本能でやっただけかもしんないけどっ!>
(11−
P127)どちらにしても、侮れない。
<―だがー
抱えた手の中で、ディラールの体は、すこしずつ、体温を失ってゆく。
―あたしはー知っている。
人の死とはーこういうものなのだ、とー。>
(11−
P165)
<ま、ミリーナはともかくとして、そもそもガウリイに助言を求めること自体、根本的な間違いである。>
(12−
P82)……あれ?でも、そういうリナも時々、ガウリイに意見を求める時があるのでは……?
<ふっ。混乱している状況で、人間真理を手玉に取るなどチョロイこと。>
(12−
P135)まるで悪役……。
<あたしらは貧乏クジかぁぁぁぁぁっ!?>
(12−
P230)珍しく。
<……いるんだ……やっぱしエルフにも……自分の好き嫌いを理論武装でゴマ化すひとって……>
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P8)
<『あたしは知んない。じゃ、ミルガズィアさんがんばって』とあっさり言って忘れるわけにはいかなかった。
やらなきゃなんない。けどやりたくない。>
(13−
P26)迷えるお年頃。
<……これで、パジャマの上から胸甲冑、なんぞとゆー間の抜けた格好じゃなかったら、けっこーサマになってるんだろーけど……>
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P33)