123 リッカの夢の宝物

 

 

【セントシュタイン】

 

リッカ「ハァ………。

    あっ ○○。ごめんね ため息なんかついて。
   でもさ ちょっと聞いてくれる?」

  (はい)

   「じつはね 宿屋の仕事をしてて 最近思うことがあるの。

    同年代の女の子はオシャレしてさ ショッピングとかデートとか
   楽しんでるっていうのに…。

    私は朝から晩までお客さまの相手をして そうじやせんたくに追われる日々…。

    宿屋の仕事はきらいじゃないけど 私のやりたいことって
   ホントにこれでよかったのかなって…。

    それでね。そんなことを思いながら倉庫のかたづけをしてたら
   お母さんの手紙が見つかったの。

    読んでみるからよく聞いててね。……えーコホン。親愛なる娘リッカへ。

    今は病にふせ か弱い貴女ですが いずれりっぱな女性になると
   母は信じています。

    そんな願いもこめて 母は夢と名のつく洞くつに
   貴女へのささやかなプレゼントを用意しました。

    もしも貴女がなにかにいきづまることがあったら そこへ行ってみてください。

    でも くれぐれもムリはしないでくださいね。母より。

    …手紙はこれで終わり。でね。私 ここに行けば
   なにかが見つかるような気がするんだ。

    でもさすがに ひとりじゃムリかなーって思って○○に相談したかったんだ。

    ねえ○○。私といっしょに 夢と名のつく洞窟を冒険してくれないかな?」

  (うける)

   「やったー!ありがとう○○。
   あなたがいっしょにいてくれたら コワイものなしだわっ。

    それじゃまず夢と名のつく洞くつを見つけるところからはじめよっか。
   ○○は宝の地図って知ってる?

    お客さんから聞いたんだけど 宝の地図には名前がついてて
   洞くつのありかが示されてるのよ。

    だから夢って名前がついてる宝の地図を使って洞くつを見つければ
   オッケーってわけ。

    洞くつを見つけて中に入ったら 私もすぐにあとを追うわ。
   ちょっと大変だけど よろしくね」

 

リッカ「お母さんの手紙の中にあった夢と名のつく洞くつは
   宝の地図に記されているはずよ。

   まずは夢と名のつく宝の地図を あなたに見つけてきてほしいの。

   もしかしたら あなたの御友達が持っているかもしれないし
  地図を見つける方法はまかせるわ。

   夢と名のつく宝の地図が見つかったら 今度はその地図を使って
  じっさいに洞くつを見つけるの。

   洞くつを見つけて中に入ったら 私もすぐにあとを追うわ。
  それじゃ お願いね ○○」

 

 

【ダンジョン】

リッカ「おまたせ○○。それじゃ さっそく洞くつ探険といきましょうっ。

    私はあなたのじゃまにならないように こっそりうしろからついていくわ。

    お母さんのプレゼントは洞くつの最後にあると思うから
   私をそこまで連れていってね。

    それじゃ お母さんのお宝目指してレッツゴー!」

 

 

リッカ「あっ!あれかな!お母さんが私に残してくれたプレゼントって!

    とんでもない財宝とかだったらどうしようかな。さっそく開けてみるね」

リッカ「これって…。手あみのセーターだ…。今の私にぴったり…。

    ねえ ○○見て!手あみのセーターよ!今の私にぴったりなの!

    あれ?中に手紙が入ってる…。読んでみるね…。

    親愛なる娘リッカへ。

    貴女がすくすくと育っていく姿を想いながら このセーターをあみました。

    思わせぶりな手紙のわりに こんなにみすぼらしいものでごめんなさい…。

    病にふせっていた私には こんなことしかできなかったのです。
   病弱な母をゆるしてください。

    でも貴女がここまでたどりつけるようになるなんて 母はとてもうれしいです。

    なにか不安をかかえている貴女に 母から言えることはただひとつ…。

    失敗をおそれずに 自分のやりたいことをやりなさい。
   母はいつだって 貴女の味方ですよ。

    直接話を聞くことができず 心苦しいけれど
   母はいつまでも天国であなたを見守っています。

    リッカ……。そばにいてあげられなくてごめんね。

    母親らしいことを…何ひとつできなかった私を…ゆるしてください…。

リッカ「…うっうっ…。ありがと…お母さん…。

    …私 忘れかけてたよ…。なんのためにあの宿屋をついだのか…。

    私の夢は…私のためにすべてをなげうったお父さんと…。

    こんなに私を愛してくれたお母さんの思い出がつまったあの宿屋を
   守っていくこと…。

    …私もう なやまない。お父さんとお母さんの宿屋をきっと世界一にしてみせるわ。

    それが私の幸せのためだから…。

    さ 戻りましょう○○。宿屋でみんなが待ってるわ!」

 

 

【セントシュタイン】

リッカ「ありがとう○○。 私はもうふっきれたわ。
   私の夢は この宿屋を世界一にすることよ!

    さ これはお礼よ。受けとってね」

○○はせかいじゅのしずくとせかいじゅのはを手に入れた!

リッカ「なやみはふっきれたけど もう冒険はコリゴリ…。
   あんなにコワイものだったなんて」

ルイーダ「あらリッカ。○○と冒険に行ってたの?うらやましいわね」

リッカ「あっ ルイーダさん!もしかして 宿屋の仕事サボったの怒ってる…?」

ルイーダ「フフ…。そんなわけないじゃないの。ちょっとね 思うところがあったの。
    あんまり気にしないで」

リッカ「そう。だったらいいけど…」

リッカ「それじゃ○○。本当にありがとう!
   私これからもがんばるから おうえんよろしくね!」

 

 

 

 ステルスを使ってもある程度近づけば魔物に発見されてしまうというのに、魔物どころかこちらにまで全く気づかれることなくついてくるとは…侮りがたし。

 でも、どうせならこっそりついてくるのではなくて、一緒に堂々と会話をしながら歩きたかったな…。仲間になっても話せないのは、残念でならない。せめてクエストの間だけでも…。

2011.9.25

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