不動峰戦ダブルス2に関する考察

 

 地区予選決勝の、不動峰VS青学で、ダブルス2は、石田の波動球を返そうとした不二を

河村がかばって負傷したため、棄権することとなった。

 だが、ここで疑問が持ち上がる。そもそも、なぜ不二は、波動球を返そうとしたのか?

 あれを受けたらタダではすまないことは、傍目にも一目瞭然だった。不二は、熱くなっ

ても冷静さを失うことはないタイプのように見受けられるのに、なぜ危険な真似をしたの

だろうか。いくら重要な局面とはいえ…。リョーマや桃城・海堂あたりなら、「ムキにな

って」ということも考えられないではないが。

 そこで思ったのは、「不二にはあれを返せる勝算があったのではないか」ということだ。

不二が得意とするのは、カウンターテニス。

「相手の力を利用する。相手の力が強いほど、その威力は際だつ」

と賞されていた。

 そこで今回も、波動球の負荷を受け流し、逆に相手の力を利用して返す、ということが

できたかもしれないと思われる。まあ、真剣な顔をしていたから、

「タイミングが難しい。失敗したらただではすまない」

「こちらにもそれなりの負荷はかかる。なかなか難しいな」

「面白い技を思いついた。試したことはないが、ちょっとやってみよう」

などということぐらいは考えていたのかもしれないが。

 でも…そうすると…河村の行為は…ムダ?というより余計なお世話?

……それはちょっとあんまりなような…まあ、普通はあれを返せるとは思わないだろうし、

データ魔の乾でさえ把握できない不二のこと。「他にできそうな人がいないから」という

だけの理由で組まされ、ゴールデンペアのように長い間コンビを組んでいるわけでもない

から、河村が不二の考えを把握できなくても仕方ないことなのかもしれない。また、不二は

不二で、河村の行為を予測できず、「勝算がある」ということを伝えようとも思っていない

みたいだった。これは「結果を見ればわかることだし、あえて伝える必要はない」と思って

いたのかもしれないが…やはり、この二人は、連携が全くダメ…とまではいかないが、あま

りうまくいっていないようである。実際、後の山吹中との試合では、それが原因で負けたようだし。

 「天才の思考は常人には理解されにくい」と言われていることでもあるし、不二はそれ

ほどダブルスには向いていないのだろう。それでもダブルスで出なければならないという

のは…2年生が成長するまで、青学には本当に、協調性のある人間が少なかったのだなあ…

としみじみ思う。

 乾がレギュラー落ちしていなければ、乾と河村で組めたのかもしれないが。前衛の得意な

乾と後衛が得意な河村で、この方がバランスもいい。不二の場合、「二人とも後衛が得意(

カウンターパンチャーとアグレッシブベースライナー)」だから、性格を抜きにしても、

あまりいい組み合わせとはいえないと思う。…もっとも、私はテニスを知らないので、

実際どうなのかは知らないが……なんとなく、そんな気がする。

 しかし、今では二年生もだいぶ成長してまともなダブルスができるようになったこと

でもあるし、これからは、不二にはシングルスでその力を存分に発揮してもらいたいと

思う。「ヒグマ落とし」などは、シングルで使ってこそ効果的な技なのだし。

 

 

2003.7.1

 

 

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