タイタニア

〜感想・評価〜

 

ここでは、作品についての評価と感想を述べています。

あくまで個人的なものであり、適切な評価を下せる自信は今ひとつなのですが、

楽しんで頂ければ幸いです。

 

注)・評価は5段階評価です。

 

 

タイタニア

 

評価(原作)

ストーリー

この先物語が大きく動いていきそうな予感はあるが、焦点がはっきりせず、起伏に欠ける。

オリジナリティ

宇宙が舞台にもかかわらず、「映像化できないように」という意図をもって書かれた。

一貫性

まだ完結していないが、現時点(3巻まで)で破綻はない。

話の構成

話が動き出すのが遅い。。

文章

読みやすい。

感動

特にない。

キャラクター

大勢出てくるが、そのわりには際立った個性がなく、どうも感情移入しにくい。

ユーモア

ところどころ散見されるが、ぎすぎすした雰囲気を中和できるほどではない。

ギャグ

C

ギャグを言う人がいない…ヒューリックにしてからが、既に…。

合計

25

総合評価

 「銀河英雄伝説」との差異を出そうとしたためか、直接的な戦闘よりも、政治的な駆け引きにより重点が置かれた内容になっている。しかしそのためか地味さは拭えず、しかも全編にわたりギスギスとした雰囲気が漂い非常にストレスがたまる。キャラクターも、能力はともかく内面は凡人とあまり変わらぬ人が多く、あまり惹かれない。主要登場人物にやる気のある人が殆どいないことも、物語に入りにくくしている。この先物語が大きく動きそうな予感はあるものの、その手前で話が止まってしまっているため、結果として地味で刺々しいという印象だけが残った。

感想

好きなキャラクター

アリアバート、ドクター・リー

心に残った場面

「気取るな、ばか!」

心に残った回
(アニメ)

「エスタールの邂逅」

「野望のプレリュード」

 これを読んだのはずいぶん前になる。だが、期待したほど面白くはなく、そのまま部屋の奥にずっとしまい込んでいた。その後アニメ化された時には、内容は殆ど忘れ去っており、覚えていたのは「主人公(ジュスランだが、名前も覚えていなかった)が小さい女の子を保護しており、いいコンビになっていた」「主人公は、女の子は無償で保護したが、野心家の女性からの保護して欲しいという申し出はすげなく断った」「妖怪じみた黒幕(アジュマーン)がいた」ということぐらいで、ヒューリック陣営にいたっては、その存在すら完璧に忘れ去っていた。しかしアニメを何回か見ると、それなりに興味をかきたてられ、また原作を読んで見る気になった。
 そして、苦労して原作を部屋の奥から引っ張り出した結果、これが部屋の奥に封印されていたのは非常に納得できることだったと再確認することになった(苦笑)。このぎすぎすした雰囲気だけは、どうにもいただけない。先が気になる程度には面白いのだが、これからというところで止まってしまったのではどうしようもない。この先面白くなりそうな気がするだけに、もどかしい。
 余談だが、この作品に関しては解説つきで新装版が出ている。解説だけ立ち読みしてみたところ、どれも興味深く、特に二巻の解説は、私がタイタニアを読んで感じたこととほぼ同じことが明確に表現されており、なぜこの作品にのめりこむことができないのか、大いに納得したものだ。…解説者と違って、そこに味を見出すことができるほどには、幸か不幸か私はまだ成熟してはいないようだが…。

 

評価(アニメ)

ストーリー

焦点が明確にならぬまま終わってしまった…。

キャラクター

原作の毒気が中和され、感情移入しやすくなっている。

画像

画面は華やかで、戦闘シーンも迫力のあるものになっている。

音楽

5+

壮麗で素晴らしい。話が音楽に負けている気も…。

構成

ようやく盛り上がりを見せ始めたのは終盤になってから。ちょっと遅かったか…。

演技

4+

魅力が増す。容姿や心理描写の省略に加え、これも作品の毒気を中和するのに一役買っていたと思う。

遊び心

B

バルガシュの前にエスタールで同じ状況を作り「if」を表現するなどの面白い試み。

オリジナル

つまらないものもあれば、面白いものも。前半は今ひとつだが、終盤になると面白いのが増え、「エスタールの邂逅」と「野望のプレリュード」は特に良かった。

原作の忠実度

B

基本的な粗筋は同じだが、その過程はだいぶ脚色されている。

合計

28

総合評価

 アニメは原作からぎすぎすした部分を取り去り、かなり入り込みやすくなっている。また、原作では大半を占めていた心理描写の大幅カットと映像効果により、登場人物への好感度も大幅に上がった。原作者がインタビューで評していたように、「タイタニアは華麗な舞台劇、ヒューリック陣営は白黒ミュージカル」の雰囲気であって、イドリスの陰険さもヒューリックの泥臭さも、その中に華麗に昇華されているのだ。
 しかし、最初と最後ではそれなりに盛り上がりを見せたものの、中盤では話があまり動かず少々退屈した。原作がそうだから仕方の無い部分もあるのだが、原作ではさらりと流された部分を詳しく描いたり、オリジナルのエピソードをつけ足し…というのが、中盤はどうにもつまらなかったのだ。タイタニア側ではとにかくジュスランが動かないのだから、ジュスランが仕事をしている(交渉で巧みに各国の争いを収めるなど)様子を描いたりすればいいと思うのだが、アリアバートとお茶を飲んでいるばかりで殆ど動きがない。そしてヒューリックの方はといえば、追われているという緊迫感もなく、一人ふらふらと旅に出ている始末である。資金調達か逃亡劇のどちらかで、もっと苦労があってもいいと思うのだが。
 この先アニメで見てみたい場面も色々とあったのだが、そこまでいかずに終わってしまったのは残念だ。きりよく終わらせるには、仕方の無いことなのだろうけれど。

 

 

 

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