アンデッド（死せる者）

アンデッド（死せる者）

　

コストが殆ど必要ないため、魔道士が自分の住処等を守るのに多用される。死体に「傀儡虫」を寄生させるか低級霊を取り憑かせれば、ゾンビができる。死体のかわりに骨を使えば骸骨戦士になる。ただし、能力的に、ごく単純で具体的な命令しか受け付けない。それ故、もう少しフレキシブルな仕事をさせるには、グールを飼う。

ゾンビなどの低級なものならとにかく、吸血鬼クラスのやつになってくると、普通に殺したくらいでは死なない。灰になるまで灼き尽くし、壺に入れて蓋をして、川に流したり埋めたり……それぐらいのことをやって、ようやく復活しなくなる。それでも、再び灰を集めて、しかるべき儀式を行ってやれば、きちんと生き返る。本当に滅ぼすには、「浄化」系の呪文で昇天させてやるか、精神世界面から根本的に破壊してやるしかない。

　

　

＜ゾンビ＞

人間の死体が、低級霊に取り憑かれたり、魔法で操られたりして、動き出したもののこと。操る者を持たない野良ゾンビなども、世の中にはいる。

アンデッド・モンスターの中でもトップ・クラスに有名。パワーと生命力―もとい、しぶとさに関しては、かなりのものがあるのだが、なにせとことん動きが鈍い。ちょっとした魔道士や、なぐさめ程度の魔法の武器を持つ戦士なら、余裕で勝てるだろうし、むろんリナ達にかかっては、楽勝レベルの相手である。だが、問題なのは、戦闘力よりも、むしろその精神的なインパクト。不意にその姿を見かけてしまったら、その姿に驚いて、達人でも逃げ出すことがあるとか……。

＜骸骨剣士（スケルトン）＞

　剣で倒すのは難しい。仮に頭を薙いでも、すぐ元の位置に戻ってしまう。

＜グール（食人鬼）＞

ゾンビなどと違って、自分の判断で動くことができるため、召使いとしては、かなり重宝する。

ゾンビやスケルトンよりも、もう少しフレキシブルな仕事をさせるために、魔道士が飼ったりしている。

腐りが進んで動きの悪くなったゾンビをきちんとエサとして与えていれば、なかなか忠実になついてくる。

＜肉（フレッシュ）ゴーレム＞

　その製造技法は、精霊魔術ではなく、死霊術（ネクロマンシー）に属する。ゴーレムというよりむしろ、ゾンビに近いのだが、ゾンビに比べると、におい百パーセントカット。使い方によってはそれなりに役に立つ。術者によっては、人や犬など、生きているものと殆ど見分けがつかないものもいる。

＜動く鎧（リビング・メイル）＞

鎧に低級霊をとりつかせたシロモノで、魔道士などが、警護兵としてよく使う。

これを普通の武器だけで倒すには、かなり根性入れて、えんえんとどつき続けなければならない。

並の戦士では対抗できないほどのパワーがある。しかし、逆の言い方をすれば、並以上の戦士なら、なんとか対抗できなくもない、といった程度のパワーでしかない。

普通、リビング・メイルは、例えば「ここを守れ」と命じられた場合、その場所から離れることはできない。

「全身鎧に、低級霊等を憑依させる、などの方法によってつくり上げられた、文字通りの動く鎧である。製作者の命令には絶対服従し、もっぱら、番人（ガーディアン）として使われる。比較的強力で、地水火風の初級攻撃魔術にはかなりの耐久能力を持つが、単純で明瞭な命令にしか従わない、という欠点はある。」

　　　　（魔道士協会資料より）

＜吸血鬼（ヴァンパイア）＞

アンデッド達の中でも、最強クラスの実力と知名度を誇り、人間のそれを遙かに越える、強大な魔力と生命力を持つ。ほぼ全ての面において、普通の人間を能力的に凌駕しており、強力な魔術を使うものもいる。ただしもちろん人権はない。

人の血を啜ることによって生き続けーいや、在り続けることのできる不死なるもの。半ば永遠に近い命と果てしない再生力。人間を遙かに上回る力と魔力とを持ち―太陽光ダメにんにくキライ、十字架ニガテで流れ水の上通れない、という幼児のようなワガママオンパレード。強いんだか体弱いんだか、よくわからない連中である。

結構弱点も多いし、ある程度熟練した魔道士にとっては、大騒ぎするほどの敵ではない。おひさまに当たったら灰になるし、やたらよく燃えたりするし、ごくまれに、やたらと弱いのいたりするし。それでも魔道士見習いクラスにとってはかなりの脅威。

彼らをもっとも特徴づける点―すなわち、吸血によって死亡した者もまた、同じ吸血鬼となって甦ることこそが、人間の最大の恐怖だった。リナやナーガにとってはただのザコだが、普通の人にとっては恐怖以外のなにものでもない。

普通、吸血鬼に血を吸われ続けた人間は、やがて衰弱し、死へと至り、そのあとで被害者自らも、吸血鬼として蘇る。そのままほうっておいたりすれば、吸血鬼の数は、加速度的に増え続ける。しかし、一度血を吸われた程度なら、よほど大量に吸われない限り、ありていに言って、それほど大したことにはならない。せいぜいが、体の調子がややおかしくなる程度。気にさえしなければ、それまで通りの生活を送ることも難しくない。

普通、吸血鬼というのは、習性なのか、はたまたそういう法律でもあるのか、同じ相手から、何度かにわたってその血を吸い取る、という性質がある。ゆえに当然、被害にあった人のところで待ち伏せすれば、吸血鬼は、向こうの方からやって来る。

「食事」は宵の口と夜明け前に二度。ところで、この「食事」―相手の首筋にかぶりついて血を吸う、という方法が有名だが、要は、何かの生命力を摂取すればよいのだから、実は、生野菜サラダとか肉や魚のお刺身で十分なのだとか。もっとも、「血の味」というのが一番吸血鬼の嗜好に合うのは確かなようだが。

リナ曰く、「自分で自分のことを『高貴』だの『闇の血を引く』だのと抜かす自信過剰のあほうは、世の中広しといえど、吸血鬼一族くらいのもの」らしい。

昼間は殆ど無防備な吸血鬼が生き残るためには、人間の協力者が必要―ということで、お金を払って人間の中に協力者を作っていることもある。

さすがにあの世界は変人が多いのか、おかしなコレクションをしている奴も結構いる。なんと、宝物庫いっぱいにハニワが詰め込まれていたことも。純粋におたから目当てなら、価値観としてはまだまともなモノを持っている、盗賊達を狙った方が安全・確実である。

灰になっても復活する。

オオカミやコウモリに変身することがある。

念動が使える。

＜魔道死霊（リッチ）＞

強大な魔力を操るものが、自らの命と引き替えに、より強大な魔力を得て、不死の存在と化したもの。ネームバリューで言うならば、吸血鬼やゾンビには負けるかもしれないが、ゾンビなどとは違って自我もあり、吸血鬼すら凌駕する圧倒的な魔力を操る。敵にまわせば、ヘタな低級魔族より、よっぽどタチが悪いかもしれない。

茶黒くかわいた肌で、一見ミイラ男かゾンビ

吸血鬼と比べ、リッチは、魔力も大きく、弱点も少ない。

強大な魔力を持つゆえに、詠唱なしで呪文を発動させることも可能。

変身魔法で様々な姿に変化できるものもいる。口と手を増やして複数の呪文と印による複合構成呪文を唱えたりすることも。

圧倒的な魔力を持って、常識外れな数のゾンビ達を操るのも可能。

不可視の衝撃波を放つ。

自分の「影」をつくり出し、それとすり替わったりすることもできる。

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