その他の生物
<エルフ族>
人間に数倍する魔力と五、六倍の寿命を持つ種族なのだが、昔いろいろあったため、今ではその数もめっきり少なくなっており、普通は人間の前になど、滅多に姿を見せない。
完全に隔離された隠れ里で、ひっそり過ごしている。
とがった耳、透けるように白い肌
寿命の長さ故か、一見5,6才に見えても実は19才だったりすることがある。
人間が、一時期エルフ族を虐待した頃があった。今でも人間の中には、その美しさや長寿の秘密欲しさに、エルフ達を誘拐し、人身売買している組織などもある。
かなり閉鎖的な種族であるため、最近は「若ボケ」が社会問題となっているらしい。
夜目が利く
自然との共存がライフスタイルのため、自然破壊はタブーらしい。もっとも、メンフィスは平然と森を焼き払っていたが……。
降魔戦争以来、竜とエルフは、いずれ来るべき魔族の侵攻に備えて、様々な武器の開発に着手した。武器の製造は、エルフの村でやっているらしい。
<ドワーフ>
ヒゲむくじゃらで背が低く、ガッチリとした体格をした亜人。フィル王子をそのまま小さくしたような種族。魔術は使えないが、見かけによらず器用で、工芸などにも長けている。
降魔戦争以来、現在に至るまで、その個体数は激減している。
<水霊族(ニルファ)>
姿形は人間にそっくりだが、翡翠の色に輝く体と髪を持った、神秘の種族。
湖などの淡水の中に棲む種族で、性格はいたって温厚だったらしい。
特殊な肉体構造を持つ彼ら(水霊族)は、魔道士にとっては、貴重な魔道材料の塊だった。特に、その肝だったか心臓だったかは、人間に、確実な延命効果を及ぼした。そのため、人間による虐殺で、絶滅したーということになっているが、実は、ドライアド・シティ付近にある大きな湖で、今もひっそり暮らしていたりする。
実は、人間達に比べると、二、三倍の力があるらしい。
<虫(仮)>
クラヴェール火山のマグマの底に眠る魔獣。
小柄なドラゴンほどもあろうかというような、巨大な「虫」
イメージとして、甲虫のたぐいを思わせる、真っ黒くつややかな肌。左右四対、計八本のがっしりとした足。背中の大きな、しかしこの体を宙に浮かせるにはやや小さな一対の羽根。体のあちこちに輝くルビー色をした半球体。
厚い甲で、並の剣ではダメージを与えられない。外殻の強度は竜以上。
巨体のわりに俊敏な動き
「塵化滅」でもさしたるダメージを与えられない。
衝撃波を放ったり、触覚の先端から雷撃を放ったりなど、多彩で強力な攻撃方法を持つ。
<ザナッファー>
レティデウス公国から持ち出された「写本」にその製法が載っている合成獣。120年ほど前に、魔道都市サイラーグを壊滅させた。
体は、磨き抜かれた剣のような銀の色。大きさは竜ほどもある。あえて例えるなら、たてがみを持つ、鋼の狼。ただし体のあちこちからは、銀色のムチ(触手)が生えている。
実は生きた鎧で、食料は装着者自身。当人にもわからないように、少しずつ、宿主の体を食い、成長していく。そして宿主の体と意識を食い尽くした時、白銀の魔獣は完成する。
精神が精神世界面から隔離されているため、魔法は効かない。しかし、そのために、自身は魔法を使うことができない。
物理的な攻撃は理論上通用するが、皮膚に、魔王竜か黄金竜、もしくは雷銀竜の皮膚組織を材質として使えば、太刀打ちできない。
黄金竜のレーザー・ブレスにも似た光を解き放つ。
カンヅェル程度の力を持った魔族になら通用しないだろうが、レッサー・デーモンなどの亜魔族に対してなら、絶対的と言ってもいいくらいの力を発揮する。
<ガルム>
エルメキア帝国と、滅びの砂漠の境界あたりに棲むという、黒い巨犬。
子牛ほどの体格で、性格は獰猛、残忍。その口からは、炎の吐息さえ吐くという。
雷のごとき吠え声。
<半魚人>
一口に半魚人といっても様々な種族があり、ラーゴン種やギルマン種は人間の体にウロコが生えているようなシロモノだが、魚に手足が生えたような種族もいる(例:ヌンサ、ラハニム等)。
後者の生殖方法は、女が卵を産み、それに男が精子をかける。それをしめったところに置いておけば、50日くらいで子供が生まれる……という、魚に近いものである。
<海魔セイレーン>
美しい歌で人を引き寄せ、危害を加えるという怪物。
<悪の魔道士>
圧倒的に、地方に多く発生する。
僻地の魔道士協会などの、狭い世界に所属している井の中の蛙が、その中で自己の力を過信したあげく、周囲の自分に対する評価と、高すぎる自己評価とのギャップに負けて、「ならばオレの実力を見せつけてくれるっ!」などと一念発起し、非行への一路を辿るわけである。
おおむねこのテの奴は、自分のことを「暗黒の魔道士」だの、ヒドい時には「大魔王」などと名乗って廃墟や洞窟などに閉じこもり、ゾンビだのゴブリンだのをこき使っては、ひとりねちねちと悦に入っているものだが、たいていそのままほうっておいても、数年もすればだんだんなんだかむなしくなってきたり、あるいは自分の力が実はそれほど大したものではないことに気づき、こっそりアジトを引き払い、別の村で占いをしたり、いきなり畑を耕したりと、細々と余生を送るケースが多い。
いわば、一種のはしかのようなものである。
<ゴブリン>
大人の胸あたりまでしか背のない、人間型生物。夜行性で、そこそこの知能を持ち、性格はどちらかといえば凶暴。臆病でもある。
大きな都市から離れた町や村では、夜中に、こいつに家畜などをやられることが、よくある。
最もポピュラーな生物
好奇心が強い。からかうと面白いらしい。
<トロル>
人間よりも二回り以上は大きく、それに比して力や体力もあり、なおかつ巨体のわりにその動きは俊敏である。武器は、その鋭い爪と腕力。
最大の特徴は、ケタ外れの再生能力。小さな刀傷くらいなら、比喩ではなしに、みるみるうちに治ってしまう。倒すなら一撃で。
<邪妖精(ブロウ・デーモン)>
魔術を使えるゴブリンのような存在。あまり強くはないが、人間を越える魔力容量を誇る。ちなみに、人間に比べてかなり小さい。
<石魔獣(ガーゴイル)>
石像にそっくりな魔獣で、人が油断して近づくといきなり襲いかかってくるという怪物。不意打ちさえ免れれば、それほど恐ろしい相手ではない。翼を持っており、空から攻撃してくる。
<スライム>
剣などの物理攻撃は通用しない。
塩がよく効く。あびると縮んでしまうという、ナメクジのような性質を持つらしい。
<オーガ>
気が荒く、困ったことに肉食性。巨体に似合わぬスピードと、巨体に見合ったパワーを併せ持ち、困ったことに肉食性。あちこちで、こいつによって、家畜や人に被害が出たりすることもしばしば。駆け出しの戦士や魔道士にとっては手強い相手。
直接攻撃でオーガを倒すには、最低でもベテラン戦士くらいの腕は要る。
人間より頭二つ分は大きい。ブラス・デーモンほどの大きさ。
<クラーケン>
海や、大きな湖などに住んでいるモンスターで、タコとイカとをたしたような姿をしている。
怖いのは、その巨体が生み出す破壊力。ちょっとした船くらいなら、触手でいともあっさり握りつぶす。
<駆け足鳥>
どことはなしに愛嬌のある、子馬ほどの大きさの鳥で、空は飛べないが走る速度は天下一品。人を乗せても馬と堂々競争ができる。ただし育てるのが難しく、成鳥を買えばバカ高くつく。それで卵のうちに買い、育てる、というやり方が一般的だが、大抵は成長するまでに死んでしまう。
ごくまれに、駆け足鳥の卵と偽って、ヒドラの卵が売られていることがあるので注意。
<ロック鳥>
やせた鷲をほぼそのまま、飛竜サイズにまで大きくしたようなもの。
巨体と、その羽ばたきによって巻き起こる突風が武器である。しかし、大きくなってもしょせんトリはトリ頭、それほど手強い相手ではない。
<大ミズクラゲ>
・半透明の巨大なクラゲ。軽く人間を乗せられるほど大きなカサを持つ。触手には微量の電流を帯びており、触ったものは感電、全身がマヒし溺れてしまう。
〜魚類・植物等〜
<屍鳴人参(マンドラゴラ)>
デリケートで、栽培には手がかかるらしい。
<アニムジア>
ウランバール周辺の、ごく一部にしか生えていない木なのだが、一年に一度、わずか数日の間だけ、一斉に花を開かせる。地方及び時期限定。ゆえに、ついたアダ名が、幻の花。白くてきれいな花で、一斉に咲き誇る姿は、まさに見事のひとことである。
<ツネツバキ>
各地に生える広葉樹で、ある時期になると、いまひとつパッとしない花を咲かせる。
<レッドバス>
淡水魚の中では大型で、その身には独特のくさみがあり、食べてもあまりおいしくはないが、調理法によってはなんとかなるらしい。
<フェアリー・ソウル>
洞窟などをふうわりふうわりと漂う、指先ほどの大きさの光の玉。一般には、ホタルモドキと呼ばれている。
無害で、風情があるが、正体不明。
決してつかまえることができない。
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