黒魔術

 

 

竜破斬(ドラグ・スレイブ)

詠唱呪文

黄昏よりも 昏きもの 血の流れより 紅きもの

時の流れに埋もれし 偉大な汝の名において

我 ここに 闇に誓わん

我等が前に立ち塞がりし すべての愚かなるものに

我と汝が力もて 等しく滅びを与えんことを!

映像

術をかけると、虚空に生まれたうっすらとした赫い光が、目標物に向かって収束していくのが見える。やがてその光が対象を包み、対象自身が大爆発を引き起こす。

 この世の闇を統べる「赤眼の魔王シャブラニグドゥ」の力を借りて繰り出す術。目標物内部のごく小さな一点を純エネルギー化する呪文である。人間の持つ魔力容量の限界を極めた、人に使える最強の呪文だと言われている。精神世界面と物質の双方にダメージを与えることができ、かなりの広範囲と威力を誇る。小さな城ぐらいならかるく消し去れるが、そのため、使う場所は選ばなくてはならない。

<備考>

  • もとは対ドラゴン用として造り上げられた魔法で、最初にこれを編み出した賢者レイ=マグナスが、1600歳のアーク・ドラゴンをこれで倒したことから、ドラゴン・スレイヤー―ドラグ・スレイブの名がついた。
  • これの使える魔道士を二、三人も抱えていれば、その国はかなり大きな顔ができる。
  • 「烈閃槍」程度なら、その呪力障壁で楽に防げる。
  • 増幅バージョンでは、森を丸ごと消し去るほどの威力になる。

使用された数

37回(11位)

主な使用者

リナ(35)、シルフィール、ゾルフ

 

 

魔王剣(ルビーアイ・ブレード)

映像

構えた両手の中に、赫い魔力の刃が生まれる。

 「赤眼の魔王」シャブラニグドゥの力を借りて、呪力を両手の中に凝縮し、赤い剣を作り出す呪文。

使用された回数

6回

主な使用者

ルークのみ

 

 

重破斬(ギガ・スレイブ)

詠唱呪文

闇よりもなお暗きもの 夜よりもなお深きもの

(不完全版→)混沌の海にたゆたいし
(完全版→)混沌の海よ たゆたいし存在(もの)

金色なりし 闇の王

我ここに汝に願う 我ここに汝に誓う

我が前に立ち塞がりし すべての愚かなるものに

我と汝が力もて 等しく滅びを与えんことを!

映像

 空間をきしませ闇が生まれ、術者のまわりに生まれ漂う闇の霧は、やがて、伸ばした左の手のひらへと収束していく。

「力ある言葉」を放つと同時に、手のひらの先に生まれた闇の球は、縮み、虚空へと消えて、次の瞬間、目標の内部へと転移し、虚無を撒き散らす。

 その後、目標の中から吹き出した闇の炎が柱と化して、その全身を包み込む。そして、闇の火柱が大きくはじけ、術者とは逆の方向に、破壊を撒き散らす。

「金色の魔王」の力を借りる呪文。「虚無」の端末を引き出すー言い換えれば、自らの身に、「金色の魔王」の一部を降臨させる術。「虚無」の端末をこの世に引き込む術であるがゆえに、いかなる力も寄せ付けず、ほとんどの存在を「無」に帰してしまう力があるが、暴走すれば、「虚無」は術者を核としてこの世界に具現し、すべてを飲み込む。大変危険な術であるため、現在は封印されている。

<備考>

・リナ=インバースが初めて試しに使ってみた時、生み出された闇は、浜辺に大きな入り江を造り出した。今でもなぜかその場所には、魚一匹寄りつかず、水ゴケさえも生えないという。

使用された回数

4回

主な使用者

リナ=インバースのみ

 

 

神滅斬(ラグナ・ブレード)

詠唱呪文

(完全版)悪夢の王の一片よ

(完全版→)世界(そら)のいましめ 解き放たれし
(不完全版→)天空(そら)

凍れる黒き虚無(うつろ)の刃よ

我が力 我が身となりて 共に滅びの道を歩まん

神々の魂すらも打ち砕きー

動作

右手を天に向かって大きく突き上げ、呪文を口にする

 禁呪法で、「金色の魔王」の力を借りた、もう一つの呪文。重破斬と比べればかなりコントロールしやすく、暴走することも(たぶん)ないだろう。闇を召喚し、虚無を剣と化す術で、威力は絶大。竜破斬に耐え抜くような魔族でさえ、さくさく切り裂く凶悪無比な黒魔術。欠点は、間合いの短さと持続時間の短さ。使うタイミングがやや難しいが、対魔族の切り札になり得る術である。

<備考>

  • 長さはせいぜいショート・ソード並。使っている間中魔力を食い続けるらしく、リナの魔力をもってしても、持続時間はかなり短い。むろん、リナ自身の消耗も少なくない。これを発動させたまま、素振りでもした日には、ものの50回といかないうちに力尽きることうけあいである。(不完全版)
  • 完全版は負担が大きく、刃を制御するためだけに、体力と精神力がぐんぐん吸い取られていき、あっという間に力尽きる。完全版の方が確かに威力はあるのだが、消耗が激しすぎるため、一撃目を外せばあとがなくなる。そのため、不完全版の方がよく使われているようだ。
  • 結界破りにも使える

使用された回数

13回

主な使用者

リナ=インバースのみ

 

 

冥王降魔陣(ラグナ・ブラスト)

映像

目標を中心とした逆五紡星の頂点に闇の柱が吹き上がり、そこから伸びたプラズマがその体を捕える。

 ルビーアイの五人の腹心の一人、「冥王フィブリゾ」から力を借りて繰り出す術。闇の柱の結界と、黒のプラズマが対象の全身を灼き、ブラス・デーモンあたりなら一瞬にして消滅させる威力を持つ。

使用された回数

7回

主な使用者

リナ=インバースのみ

 

 

冥王幻朧呪(ラグナ・ドライブ)

 ちょっと小粋でアドリブの効くゾンビを作り出す術。この術によって作り出されたゾンビは、普通の人間と変わらない速度でーつまりは普通のゾンビよりも数段速く走ることができ、しゃべったり、術者の命令を自分で判断して動いたりできてしまう。

使用された回数

一回

主な使用者

ウィニーのみ

 

 

覇王雷撃陣(ダイナスト・ブラス)

映像

稲妻が対象の周囲で、破邪を司る五紡星の頂点位置に着弾し、そこから伸びた雷撃が、一気に対象に襲いかかる

 「覇王グラウシェラー」の力を借りて使う術。並の純魔族でさえ一撃で四散・消滅させる。ただし、対象があまりにも術者に近いと、自分も五紡星の中に巻き込まれてしまうので注意が必要。

使用された回数

13回

主な使用者

リナ(12)、ワイザー=フレイオン(1)

 

 

覇王氷河烈(ダイナスト・ブレス)

詠唱呪文

大地の底に眠り在る

凍える魂 持ちたる覇王―(ここで右手をあげるらしい)

(以下不明)

映像

空気中の水分が集結、続いて凍結し、対象を巨大な氷の中に封じ込めた後、目標を粉々に粉砕。目標が一瞬にして氷結・破砕・霧散する様を見ることができる。

 ルビーアイの五人の腹心の一人、「覇王グラウシェラー」の力を借りて繰り出す術。魔族をも凍らせる魔力の氷によって対象を瞬時に凍結させ、その直後、白い氷の霧として崩壊させる。複数(デーモンだと五体ぐらい)の敵に有効。

<アレンジ・バージョン>

  • 目標を砕かずに氷漬けにだけすることができる。ちなみに、後でその氷を溶かして対象を生き返らせることも可能。
  • 虚空に巨大な氷の塊を出現させることもできる。

<備考>

  • 氷結後の砕ける音というのはそれなりにやかましい。
  • 身振りが必要。

使用された回数

12回

主な使用者

リナ(11)、ナーガ(1)

 

 

海王滅殺陣(ダルフ・ゾーク)

映像

水面から吹き上がった水は、一枚の鋭利な刃と化し、あっっさりと対象を両断する。

 「海王ダルフィン」から力を借りて繰り出す術。水を一枚の鋭利な刃と化して、あらゆるものを切り裂く。ただし、周囲に大量の水がない場所では使うことができない。

使用された回数

1回

主な使用者

ナーガのみ

 

 

海王槍破撃(ダルフ・ストラッシュ)

 ルビーアイの五人の腹心の一人「海王ダルフィン」から力を借りて繰り出す術。超高速の衝撃波が、対象を粉々に粉砕する。周囲に水がなくても使うことができる。

使用された回数

2回

主な使用者

ルークのみ

 

 

獣王牙操弾(ゼラス・ブリッド)

映像

指先に生まれた光の帯が、対象を目指して突き進む。その光の帯が、術者のコントロール通りに動いて敵を討つ。

 「赤眼の魔王」の五人の腹心の一人「獣王ゼラス=メタリオム」から力を借りて繰り出す術。その威力は「覇王雷撃陣」「冥王降魔陣」などとほぼ同等。やはり魔族にも効果あり。敵一体にしか効果はないが、根本的に違うのは、動きをコントロールできること。光の帯を自由自在に操って目標を攻撃する。

<備考>

  • リナでも呪文増幅を必要とする術で、増幅してようやく発動する。
  • 呪文の構成パターンは「破砕鞭」と同じ。

使用された回数

15回

主な使用者

リナ=インバースのみ

 

 

魔竜烈火咆(ガーヴ・フレア)

身振り

右手をまっすぐ横に上げ、そのまま相手を指さして、続いて両手で印を切る。(その後は不明)

映像

術者のかざした手のひらから魔力の炎の帯が生まれ、対象に向かって突き進む。

 「赤眼の魔王」の五人の腹心の一人「魔竜王ガーヴ」から力を借りて繰り出す術。一直線に伸びる火炎は貫通力があり、目標を貫いてその背後にいる者にまでダメージを与えられる。魔族相手にも殺傷能力抜群の呪文。

<備考>

  • 呪文詠唱、動作、精神コントロールが必要。
  • 呪力結界は、投げつけられた竹べらくらいならあっさいはじく。
  • SP3巻では、追尾能力があるような描写がなされているが、その後の使われ方を見るに、その設定はなくなったと思われる。

使用された回数

10回

主な使用者

リナ(5)、ナーガ(3)、アメリア(2)

 

 

塵化滅(アッシャー・ディスト)

 吸血鬼ですら一瞬にして黒い塵と化し、無に帰す術。威力そのものは、「黒妖陣」と変わらないが、攻撃対象が単数であること、物体にも効果があることなどが違う。

使用された回数

5回

主な使用者

リナ(4)

 

 

黒妖陣(ブラスト・アッシュ)

映像

一瞬、黒い何かが目標の空間を包み込み、広がる黒が消えた後には、その空間内にいた相手は、黒い塵となり、崩れ去る。

 命あるもの、意志あるものを塵と滅する黒魔術。術の生み出す黒い何かは、その中にいるすべての存在(もの)に、滅びの運命をもたらす。周囲の建物や地面、対象の持っている武器などには一切被害を与えず、しかもそれなりの効果範囲を持っているので、なかなか使い勝手のいい術である。

<備考>

  • 一定範囲(大体大人が両手を広げたより、ちょっと大きいくらいの空間)をのみこんで発動する術。
  • 別に視界内で発動させる必要はない。術者の後ろで発動させることも可能。
  • 効果範囲が広く、ある程度の対魔能力を持った相手に効く術といえば、リナが使えるもののうちでは、これか、竜破斬くらいしかない。

使用された回数

28回

主な使用者

リナ(22)、ルーク、ミリーナ、ワイザー、

ナーガ(1)

 

 

冥魔槍(ヘルブラスト)

 あらゆる生命体の活力を奪う、暗黒の槍を放つ術。

使用された回数

3回

主な使用者

リナ、アリア、ナーガ

 

 

黒狼刃(ダーク・クロウ)

映像

黒い羽虫のような、輪郭のぼやけた魔力弾を打ち出す。

 触れた場所を消滅させる魔力弾を打ち出す。

<備考>

・光の剣で、ボールのようにはじき飛ばせる。

使用された回数

3回

主な使用者

リナのみ

 

 

黒魔波動(ブラスト・ウェイブ)

 威力は絶大で、一撃で、壁に人が一人余裕で通れる程の穴を開けることもできる。ただし、以下の二つの欠点があるため、実戦での使い勝手はあまりよくない。

<備考>

  • 両手で触れたものしか破壊できない
  • 一つのものを破壊したら、それ以外のものには衝撃が伝わらない。

使用された回数

4回

主な使用者

リナ(3)、ズーマ(1)

 

 

破砕鞭(バルス・ロッド)

映像

呪文を唱え、両手を前に突き出すと、手のひらから、長大な光の帯がうねりながらほとばしる。

 手のひらから伸びる光の鞭が、対象を打ち砕く。手の動かし方次第で自由に鞭の動きをコントロールできるので、命中率は高い。

使用された回数

3回

主な使用者

リナ=インバースのみ

 

 

群霊覚醒呪(ネクロ・ヴード)

 死体に低級霊を憑依させて、スケルトンやゾンビなどのアンデッドを作り出す術。

使用された回数

4回

主な使用者

ルフィニアのみ

 

 

餓竜咬(ディス・ファング)

身振り

呪文を唱えながら両手を左右に大きく広げ、右手を対象に向かって突き出す。

映像

地面に落ちた術者の影が、不自然な形で大きく伸び、竜の顎を形どる(正確に言えば、術者の影の中から、大きな竜の形をした影が生まれた)。それは、瞬くうちに大地を走り抜け、巨大な顎を大きく開き、対象の影にかみつく。そして、あまり気持ちのよくない咀嚼音……。

 自らの影の中に、異界より影の竜を召喚し、相手の影を食らわせる術。影の受けたダメージは、そのまま本体へと跳ね返り、食らわれた影の持ち主は、影と同じ場所を失う。

<備考>

  • これに噛まれたら、ほとんど致命的なダメージを受ける。しかも「影縛り」などと違い、影を「明り」で打ち消すこともできない。
  • 複数の敵を攻撃できる。ちなみにリナは、これでレッサー・デーモン4体を一度に倒した。
  • 敵を倒した影の竜は、やがて術者の影へと戻る。

使用された回数

6回

主な使用者

リナ(4)、アルフレッド、ランガス

 

 

黒影夢(ヴン・ガ・ルイム)

身振り

両手を高々と振り上げて叫ぶ

映像

「ざざぁっ!」と、術者を中心に羽虫のような音を立て、黒い霧のようなものが大地を這う。霧はゆるりと盛り上がり、数体の黒い影(黒獣人)を生み出す。

 精神世界に住む低級魔獣「黒獣人」を召喚する術。この世に出現した黒獣人は、生物に密着し、対象の気力を奪い取っていく。

<備考>

  • 黒獣人には、地水火風の精霊魔術は通用しない。
  • 黒獣人は、存在がすこぶる不安定なもので、ほうっておいても半日もすれば勝手に消えていなくなる。

使用された回数

1回

主な使用者

アルフレッドのみ

 

 

魔骸降来(ガイアグライズ)

映像

大地につき立ったナイフ(魔法陣の頂点)が黒紫色の輝きを放つ。

 大地に魔法陣を刻み、その中にブラス・デーモンを召喚する術。呼び出されたデーモンは、術者の命令に従って動く。

使用された回数

1回

主な使用者

敵の魔道士

 

 

獣魔吠(グ・ル・ディーバ)

身振り

両手で風を切り、虚空に印を刻み込み、呪文を唱える

映像

出現した蒼い光が地を疾り、巨大な逆五紡の魔法陣を大地に描き出す。魔法陣の光が圧力を増し、その中心―光届かぬ深淵から、黒い姿がわき上がる。

 レッサーデーモンを召喚し、操る呪文。

<備考>

  • 術者の力量にもよるが、普通、魔道士がデーモンを呼びだして操る場合、一度に召喚・コントロールできる数は、せいぜい二匹が限度と言われている。
  • ちょっとウデのいい召喚術士でも、一度に召喚できるデーモンの数は、よくて数匹。

使用された回数

1回

主な使用者

ラガスタイン

 

 

 

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