キャラクターの棋力

〜加賀、岸本の棋力はどれぐらいか?〜

 

        出番は少ないものの、アマの中ではかなり強いと思われる加賀と岸本。

この二人は他の人に比べてどれぐらい強いのだろう?

  と思い、分析を試みることにしたのがこのコラムである。

〜岸本について〜

  まず、はっきりとしたデータの多い岸本から見てみよう。

  岸本は、元院生であったが、一年と二ヶ月でやめている(「碁ジャス☆

キャラクターズガイド」参照)。この間一組に上がったのは一度だけ。恐

らく二組の中位〜上位で留まっていたのだろう。囲碁部に入ったのはその

後の、中学2年になるかならないかという辺りだと思われる。そして、中

学3年では海王中囲碁部の部長を務め、塔矢を別にすれば、強豪と言われ

る海王中囲碁部の中でも一番強い。碁会所の客が「頭を下げて打ってもら

う」ほどで、そこらの中学生より随分強いはずの三谷でさえ、岸本には手も

足も出なかった。

  ここで気になるのは、これだけの棋力を持つ岸本が、なぜ冬の囲碁部の

大会(ヒカルが年齢を偽って出た大会)に出場していなかったのかということ

である。この点については、「『ヒカルの碁』の秘密」でも指摘されており、

岸本はおそらく体調を崩して休んでいたのだろうとその著者は述べている。そ

して、当時の海王の副将は、ポカをして筒井に負けるぐらいだから、きっと岸

本の代理で出たに違いない、と分析している。

  確かに、元院生の岸本が実力で出場できなかったとは考えにくいし、当時の

副将は他の二人に比べあまり強くないような気がするので、私もその通りだと思

う。大将は加賀に「塔矢アキラもどき」と言わしめるほどだったし、三将も、「こ

の者の力があったから、これだけの碁が打てたのです」と佐為や先生にほめられる

だけの力があった。ただ、気になるのは、なぜ岸本の代理が副将で出ていたのか、

ということである。実力順で言えば、彼は三将になるのではないか。先生の方針か

らして、何らかの作戦だったとは考えにくい。となると、岸本が急に休んだため、

そのまま彼のポジションについた、と思われるのだが…ということは、岸本はもと

もと副将で出場するはずだった=当時の大将は岸本より強い、ということになる。

  加賀を相手に中押しがちするのだから、それだけの棋力があると考えてもおか

しくはない。おかしくはないがー元院生の岸本より強いとは、海王恐るべし。岸本

が、院生をやめた後囲碁部に入部する気になったのも、きっとそれだけレベルが高

かったからだろう。流石強豪と言われるだけのことはある。…彼らに勝てる学校な

んて、あるのだろうか?

〜加賀について〜

  次に、加賀について見てみよう。

  加賀は、小学生の頃通っていた囲碁教室で塔矢アキラに一度も勝てなかったが、

彼さえいなければトップだった。そして、中学二年の冬、筒井が「こんなのでき

たら塔矢アキラ並」と評した難しい詰め碁を一目で解き、囲碁大会では対戦相手

を一局10分で倒す。流石に海王の大将には中押し負けだったが…彼は元院生の

岸本より強いのだから、これは相手が悪かったと思うしかないだろう。さらに、

中学3年の秋、三面打ちのヒカルと対局。三谷も筒井も負けた中、一人ヒカルに

勝利した。そして、その棋譜は、院生試験の際、随分と先生の目をひいたようだっ

た。…恐らく、院生になれるぐらいの棋力はあったのではないだろうか。

  ところで、GBAでは、キャラクターの棋力は

三谷<平八<加賀<ヒカル<岸本

  となっているが、確かにその通りであろうと思う。つくづく、よくできてい

るなあとあらためて感心させられた。

 

2003.6.10

 

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