DEATH NOTE
in HUNTER
×HUNTER

 

 

 デスノート。

 このノートに名前を書かれた人間は、死ぬー。

 漫画「DEATH NOTE」では、そんな印象深い言葉と共に送り出された一冊のノートを巡り、激しい戦いが繰り広げられた。
 その模様を手に汗握り見つめていた人達も多いことだろう。

 ここでは、それと同じぐらい念能力でもって激しい戦いが行われているハンター×ハンターの世界にデスノートを持つ者が現れたら、どれだけの影響力を発揮できるか、考えてみたい。

 HUNTER×HUNTERの世界にデスノートが存在するとしたら、それは具現化系の念能力者によるものになるだろう。
(もっとも、闇のソナタなどというものが存在する世界だから、念能力者に関わりなくデスノートが存在していてもおかしくはないが。)

 強烈極まりない効力故に、具現化は難しいだろうが、本家デスノートにも色々と制約はあることだし、不可能ではないと思う。

 実際のデスノートの制約はこちらに詳細を記してあるが、ハンター×ハンターの世界にデスノートが存在するとしたら、その制約はどのようなものになるだろうか。

 まず、「名前と顔が必要」「名前を書かれた人間以外の死を直接的に招くような死に方をさせることはできない」「名を記入して40秒後に心臓麻痺」などの基本的なルールはそのまま適用されると考えていいだろう。
 特に後者は、激しい戦いの繰り広げられる
HUNTER×HUNTER世界では、意外と厳しい制約となるかもしれない。
 ただ、所有権やノートが複数存在した時のルールは、意味をなさなくなるので、これらについてはあまり考えなくてもいいだろう。死神に関しても、わざわざ具現化するメリットもなければ、制約となるデメリットもなさそうなので、おそらく具現化されることはあるまい。もっとも、「所有権放棄で記憶消失」―この場合は念能力喪失になるがーのルールは存在しうるかもしれないが。

 また、大元の「DEATH NOTE」では、死因や死の状況まで特定できるという機能から、対象者の「死の直前の行動」をかなりの範囲で操ることが可能だったが、ハンター×ハンターでその機能をつけると便利すぎて、具現化がより難しくなると思われる。ましてや、具現化系は操作系と特別相性がいいわけではないのだ。そのため、特定できる死因や死の状況は、大幅に制限されると考えられる。
 特定できる死因は、せいぜい心臓麻痺、病死、事故死などで、死の状況も、病名や死亡日時(
23日後までしか指定できないなどのルールは大元の「DEATH NOTE」に沿う)を特定できる程度まで狭められるだろう。それでも十分すぎるほど強力だが。

 あと、筆記用具について、大元の「DEATH NOTE」では、「文字として書き込めさえすれば何でもよい」というルールだが、ハンター×ハンターでは、付属の専用ペン(これも具現化)でなければ駄目、というルールにした方が面白そうだと思う。
 その制約を加えることで、多少なりとデスノートが具現しやすくなるだろうし、ペンに何か直接攻撃用の武器としての機能を付加しておけば、より応用の利く能力となるだろう。
 デスノートはその性質上、相手と直接相対して使うにはあまり向いていない。名前がわからなければ使えず、わかったとしても、効果が現れるまでの
40秒(短縮も可能だが)、時間を稼ぐ必要がある。
 遭遇戦や、キメラアントのような不特定多数相手の戦いでは不利だろう。
 やはり、デスノート以外にも何か別の能力を持っておくことが望ましい。とはいえ、デスノートだけでもかなり容量を食うだろうからあまり強い念能力は無理だろうし、その必要もない。デスノートの威力は強力無比なのだから、時間稼ぎができればいい。
 そうすると、ペンからインクの霧かクモの糸のようなものを出して目くらまし・足止めに使う……というようなのがいいのではないだろうか。具現化系なら、変化系とは相性がいいので、オーラを霧状に変化させるのは容易だろう。放出系とはあまり相性がよくないが、あまり強い能力ではないし、ペンを手元から離さないという制約でなんとかなるのではないだろうか。それで駄目なら、ついでに「ペン先を特定の方向に向けておく」というような制約もつけておけば大丈夫だろう。

 やや話はそれたが、HUNTER×HUNTERでデスノートを具現化するなら、大体このようなルールになるのではないだろうか。

 だが、デスノートを語る上で、もう一つ、欠かせぬものがある。

 言うまでもなく、死神の眼だ。

 この眼で相手の顔を見ると、その人間の寿命(自分の寿命は見えない)と殺すのに必要な名前が見える。大元の「DEATH NOTE」では、死神と取引をし、自分の残り寿命半分と引き換えに手に入れることができる。

 HUNTER×HUNTERで死神の眼が存在するとしたら、それは恐らくコンタクト(もしくは眼鏡)という形で具現化することになるだろう。制約は、もちろん寿命。
 ただ、眼球という形で具現化するわけではないし、死神と取引をするわけではないため、具現化した時点で自分の残り寿命半分を犠牲にするというのは、あまり適切ではないように思う。
 大元の「
DEATH NOTE」に沿うなら、この「死神のコンタクト(仮)」を装着している時間分だけ寿命が減ると言い換えることもできるが、それだと制約としては弱くなる。
 むしろ、使用した時間の何倍かの寿命が失われる、というような制約にした方がいいかもしれない。例えば、一秒使用するごとに十日(あるいは一月か一年か)寿命が縮まる、というふうに。

 死神の眼は、デスノートとセットで強力な効果を発揮する。

 世界中の殆どの人間の身元をネットで割り出せるというHUNTER×HUNTER世界では、デスノートで殆どの人間を殺せることになる。流星街出身の人間だけは例外かもしれないが、それさえも、ハンターサイトにアクセスすれば、大抵の情報は入手できる。キメラアント戦では全く役に立たないが(注:デスノートには、「生後780日に満たない人間にはデスノートの効果は得られない」というルールがある)、人間相手なら、殆ど無敵といってもいいだろう。

 本家「DEATH NOTE」と同じようにキラとして世直しを図るにしても、ブラックリストハンターとして活躍するにしても。そして、殺し屋として活躍するにしても。どの道を選ぶにせよ、これほど怖ろしい存在もないだろう。文字通り、死神の如き能力なのだから。

 ただし、先にも述べたように、直接戦闘では弱いので、逆に殺し屋をさし向けられるようなことになったら非常にまずいことになる。漫画「DEATH NOTE」と同じく、自分の正体・能力を知られないようにすることが最重要の能力といえるだろう。使いこなすには、それなりの知恵が求められる。

 クラピカも、鎖よりもこの能力にした方がよかったのではないだろうか。もっとも、幻影旅団の顔写真がネットに流れていないのなら、全く無意味と考えたのかもしれないし、直接手を下さなければ復讐は果たしたことにならないと思ったのかもしれないが…。

 

 

 

2007.1.28

 

 

 

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