鋼の錬金術師アニメ感想

【41〜最終話】

 

 

 

第41話 聖母

 41話・42話合わせての一時間スペシャル。通常こういう場合は明るく楽しい話になるものだが、さすがこのアニメ、ちっともそんなことはなく、いつも以上に重苦しい話だった。死者の数は、これまでで最多であろうと思われる。何より、最初から辺りを埋め尽くす夥しい数の墓石、というのが……。

#それにしても、キンブリーの最期はまさしく爆弾「狂」だった…。

 唯一楽しい気分にさせてくれたのは、次回予告。「お前のテレビを錬成した。チャンネル変えるとぶっ壊れるぜ」とは。そういえば、こんな自信満々のエドの口調を最近久しく聞いてなかったと改めて思った。

 しかし、最後にロゼが喋ったところはかなり感動した。特に、そのセリフが、かつてエド自身がロゼに向かって言った言葉だという辺りが、特に。

 それにしても、ライラは一体何をしたいのだろう……?どうやら、「賢者の石を作ろうとした街は滅びる」という噂を広めたいように見えるが。そして、一方ではラストが「あの人に生かされている。だから賢者の石が欲しい」という意味の発言をしており……これは、犬夜叉の神楽みたいに、自由になりたがっているということなのだろうか。謎は深まるばかりである。

  

第42話 彼の名を知らず

 一時間スペシャルの後半。OP・EDが変わった。

 OPは、曲はとりたてて好きではないものの、映像は気に入った。窓辺に佇む大佐など、前半の静かな絵もかっこいいし、後半のめまぐるしい戦闘もかっこいい。…ちょっと目がまわるような気もするが。

 EDは、曲も映像も気に入った。特に映像は、今までで一番好き。ヒューズがちゃんと出てくるのが無性に嬉しかった。

 さて本編では、いよいよマスタング大佐とアーチャーが本格的に対立。ここで大佐の味方についたアームストロング少佐の、やや時代がかった物言いがかっこよかった。

 そして、リオールでは軍人達を材料に賢者の石が錬成されてしまった。アーチャーもキンブリーも…大体嫌な奴はこれで軒並みいなくなった。マスタングの邪魔をする者が減ったのは歓迎だが、あの声が聞けなくなるのは少々残念ではある。

 しかし、今回、なんといっても一番心に残ったのは、スカーの最期である。兄に対して複雑な心情を抱いていたスカー。気持ちを伝えられなかったことを悔やむスカー。だからこそ、エルリック兄弟に肩入れしてしまったスカー…。一体どんな気持ちで兄弟を見ていたのか……。

「痛みを与えれば、眠ることはできない。……しかし、もはやその心配はない。我にはもう、眠る必要も、ない……」という最期の言葉は、初めて安らかな眠りについた時のヒュンケルを想起させ、無性に泣けた。

  

第43話 野良犬は逃げ出した

 OP前のいつものメッセージが変わっていて驚いた。しかし…それで思ったのだが、賢者の石をやっと手に入れたというのに、二人とも全くそれを使う素振りを見せない。それを使ってもとの体に戻るために、あれだけ必死で探していたはずなのに、ただ逃げるだけで石を使わないのは何故なのか。

 人体錬成についてはエドも知らない=構築式にはなれないとかで、肉体を取り戻すときに必要な錬成陣をもう少し勉強する必要があるのかとも思うが、それなら賢者の石探しと並行してやっているはずである。そんな描写が見られなかったことからすると、やはり、アル自身が賢者の石になってしまったために、おいそれとは使えないーもっとよく研究する必要が生じた、というあたりではないかと思われる。

 それに、二人が賢者の石を手放したところで、ホムンクルス達が追撃をやめてくれるとは思えず、それならば、現時点で元の身体に戻るのは戦闘力の低下にしかならずに危険、ということもあるのかもしれない。

 それにしても、今回最大の見所は、やはりマスタング大佐である。

「私は彼らを撃った。その時私は誓った。たとえ命令であろうと、理不尽なことに従うべきではないと。従わなくていい立場になろうと。お前達を追うのは命令だからじゃない。お前達に腹を立てているからだ。なぜ私の保護を求めず、勝手に逃亡した!

 アニメでは、大佐の過去も詳しく描かれており、そのせいでいっそうこのセリフが重く響いた。そして、大佐をかっこいいと思った。だからみんな、大佐についていくのだろう。

#ここで少し、「自分は嫌いな奴の命令を聞かずにすむ力が欲しかったのだ」と言っていたラインハルト(「銀河英雄伝説」)を思い出した。

 

第44話 光のホーエンハイム

 父親との再会。父親に反感を抱くエドは、ことあるごとにホーエンハイムにつっかかる。一方、アルは父親に関して顔すらろくに覚えていない様子で、それ故ホーエンハイムに含むところもなく、単純に父親と出会えたことを喜んでいる。アルは、どうも父親派のようで、孤立したエドが少しばかり気の毒だった。

 …しかし、二人は一つしか違わないのに、父親に対してこうも差があるのはなぜだろう?エドは、「あいつはアルが生まれてすぐに家を出て行った」と言っているが、それならエドもまだ1歳か2歳でホーエンハイムのことを覚えていないはず。兄弟間で父親に関する記憶に差違が生じるなら、エド3歳アル2歳、というあたりが妥当のように思われるが、それならば「生まれてすぐ」とはいえない。エドの思い違いか、魂だけになっていろいろと幼い頃のことを忘れているらしいアルがそれと同様に父親のことも忘れているのか。

 ホーエンハイムが、二人のことをすぐに息子だと見抜いたのも、不思議と言えば不思議。あの赤ん坊と鎧姿(人間の姿でも難しいかも)を結びつけるのは非常に困難なことだと思うのだが。DQ5でも、パパスは成長した息子を一向にそうだと信じてくれなかった。実は、陰からこっそり家族の様子を窺っていた、などということは……。ホーエンハイムに関しては、本当に謎が多い。

 また、エド達もついにヒューズの死を知ることとなった。その際、シェスカがその原因を「イシュヴァールの真実」を知ったためだろうと言っていたが、そうすると、死の前に調べものをしていたヒューズのアニメ版でのセリフと何かかみあわない気がするので、ヒューズが知った真相は別のものだという気がする。

 ヒューズの死を知ったエドは、隠れていなければならないのに、すぐにマスタング大佐のところに行こうとしたりして(アルも同罪。やはり兄弟……)、いろいろと大変である。父親のこともあり、今回、エドがやたらと子供っぽく見えた。

 それにしても、マスタング大佐(達)は危険にも関わらず、エド達を匿ったりといろいろと目をかけてやっているようなのに、一方のエドは、大佐に反感や敵意さえ抱いているように見える。礼の一つぐらい言ってもバチは当たらないと思うのだが……。「等価交換」をやたら口にするわりには、本人はあまりそれを実践していないように見える……。

 

第45話 心を劣化させるもの

 ホーエンハイム…彼も、人間を材料に賢者の石をいくつも作っていたのか……。たった一つでもあれだけの犠牲が必要なのだから、それを複数となると、相当の犠牲が……。一見いい人に見えるけれど、そう考えると結構悪どい人物なのかもしれない。

 それにしても、ダンテ(達)の望みがただの不老不死の欲望を満たすことだったとは……なんだか拍子抜けしてしまった。もっと何か壮大な計画があると思ったのに。ホムンクルス達もすっかり失望したような表情だったが、人間になりたいがため仕方なく従い続ける様子。だが、大総統はどうするのだろう……。「あのお方の考えることは人間には計り知れない」などと、やたらダンテを過大評価しているように見えたが、ダンテの目的がこんなものだったと知ったら。……まあ、今回ダンテが言ったことはみんな演技で本当は他にも大きな目的が……という可能性も、全くないとは言えないのだが。

 ところで、あの「門」は一体何なのだろう。最後、歪んだあの門をどうにかすることで錬金術というものが使用不能になって終わり……という可能性もあるかもしれない。

 一方マスタング大佐は、大総統と査問会議(?)で正面対決。すごい度胸……。しかし、やはりあの大総統と対峙するのはかなりのプレッシャーがかかるらしく、冷や汗を流していた。それがまたかっこよく見えた……が、二人(大佐とアームストロング少佐)とも北方―前線送りに。暗殺の気配。……まあ、この二人がやすやすとやられるとは思えないが、出番が減るような気がする……。

 今回、賢者の石や戦争についてのマスタング大佐の解説がわかりやすくて助かった。大総統(ダンテ)は、スレイヤーズで冥王や覇王がやろうとしたことと同じことをやっていた、というわけか……。実際、それでスカーは賢者の石を作ったのだし。

#そういえば、エドは、錬金術であんなにうまく変装できるなら、どうしてリオールに潜入する時にそうしなかったのだろうか?

  

第46話 人体錬成

 残念ながら、今回、前半部分を見逃してしまった……!!テレビをつけたら既にマスタング大佐が出立するところ。ああ、よりにもよってマスタングの出番を見逃してしまうなんて、なんというミスを……!!

 ……それにしても、アルは、ひょっとしてバカなんじゃなかろうか…とちょっぴり思ってしまった今回。やすやすとタッカーの口車に乗ってしまうとは。そもそも、性格的にも能力的にもエドより劣るタッカーなどを信用するとは……。

 

第47話 ホムンクルス封印

 アル…エドが必死に戦っている時に、君は……ちょっと見捨てたくなってしまったではないか。エドがマスタングから自立しようとしているように、アルもエドから自立しようとしているのかもしれないが……だからといって、あんな方法をとれば、それが最悪の状況を招きかねないということが、なぜわからないのだろうか。
 もともとエドがあまりアルの話を聞かずにむやみに反感を買うような言い方をしているのも確かだが……スロウスの件については、アルもエドと同じだけの情報を得ていたはずで、考えていなければならなかったことだ。そして、スロウスに危害を加えることができないとするならば、彼女に二人とも殺される覚悟をもしていなければならない。説得などしていられるほどエド達は強くないのだから。アルにそれだけの覚悟があったとは思えない……。

 結局スロウスはエタノールに錬成されて気化してしまうが……。このシーンは綺麗で印象に残った。だが、こうなると、スロウスを「門」の向こう側に戻すのはほぼ不可能となり、ホーエンハイムの言っていた「等価交換で得たものを返せば体は戻る」というのが実現される可能性はかなり低くなってしまった……。
#ところで、その前にエドはオートメイルをナトリウムに錬成して腕をなくしているはずだが……いつの間に腕をつけたのかよくわからなかった。予備の腕も持ち歩いているのだろうか。

#あと、気になるのはウィンリィ。一体なぜ、いつの間にこんな所へ!?それになぜ微笑んでいるのか。まさか、ウィンリィに化けたエンヴィーだった、なんてことは……。

 今回二人のホムンクルスの死はいろいろと衝撃だった。ホムンクルスー少なくともラストの場合は死にたがっていた。不死に近い彼女が人間になりたがるということは、死にたがるということだった……。
 そもそもホムンクルスは禁忌の結果、生まれてきてはいけない存在だったーだから死を彼女が死を望むのは一種の本能、世の理だったのかもしれない。しかし、その存在は、自我を、心を持っていたのだ。それがひどく、悲しい。

 

第48話 さようなら

「あいつ、泣いてました。オレは泣くこともできなかったのに。
 …オレの、代わりみたいに」
 エドのつらさがこの一言に集約されていて、胸を打たれた。特に、スロウスから最期にあんなふうに優しい言葉をかけられた後だけに…。

 しかし、現実はさらに厳しい。その直後、やっぱりエンヴィーだったウィンリィにアルをさらわれ(間抜けすぎるぞアル)、また一方では壊れたタッカーが生きながら罪を背負うことを理解する。
 「お前はママじゃない!」とラースに言われた師匠もつらいだろう。とにかく今回は胸を衝かれる場面が多かった。

 それにしても、「現在、居場所がわかっているホムンクルスは大総統のみ」と倒しに向かう二人だが(この師弟コンビがなかなかいい感じだった)、ラースについては、すぐ側にいる時も攻撃しようとはしなかった。完全に子供の彼が相手だと、精神的に攻撃しにくいのかもしれないし、エドの腕と足を持っているから他のホムンクルスと同じ扱いはできない、ということかもしれない。実力的にも、後回しにして問題ないレベルに見える。
 ただ、最終的にはこうした他のホムンクルスとの違いから、彼が鍵を握ることになるのだろうと思う。

 だが、やはり気になるのはマスタング!そして、ロシアを思わせる夕焼けの町並み。これまでは、なんとなくイギリスのイメージだった(蒸気機関車もあるし)のだが、今回はなぜかロシアを連想した。そこで、珍しくスーツのマスタング。固い格好なのは彼らしいといえば彼らしいが…死地に赴くから正装した…なんてことは……。別れ際、敬礼ではなく手を差し出したマスタング。エドを一人前と認めたのだろうか。どうか、死にませんように。

 これまでの姿勢から一転して大総統暗殺・クーデター…という「短慮」を起こしたマスタング。もっとも、もともと彼が大総統を目指していたのはこの国の在り方を変えるためだったので、それはそれで構わないのかも知れない。だが、後釜にハクロあたりが座ることになったらより悲惨なことになる可能性もある。この事件を機に軍部縮小・議会の発言力強化、となればいいのかもしれないが…マスタングに好意的なあの老将軍がうまく後始末をつけてくれることを願う。そして、マスタングに明るい未来を…!!

 

第49話 扉の向こうへ

「この世はずいぶん不公平ね、この世はずいぶんと残酷ね。
 それ故美しいとも言えるけれど」

 ダンテによる等価交換の否定。真実を突いているだけに痛いものがある。この事実を前に、エドが今後どういう答えを出すのかが要注目(描かれないかもしれないが…)。
#それにしても、このエドとダンテの会話シーンは目が回る…。

 今回は、色々な謎が判明した。ヒューズの言っていた「逆」の意味もようやく判明し、すっきりした…が、ダンテはそもそも自分が長生きをしたいがために賢者の石を使っていたので、詭弁にしか聞こえなかったりする。

 そして、扉の向こうは……パラレルワールド!?人体錬成の時に見たものとは違うようだし、まだわからないことだらけだが、曲とあいまって、なにやら迫力があったのは確かだ。
#最初、このエドが鏡に映ったとき、成長したアルに見えた…。てっきり鏡の中に閉じこめられて、そこからアルを見ているのかと思ってしまった。

#今回、グラトニーがかわいく見えた……が、これからどうなるのだろう?まさか、ラースと相打ち!?

 

第50話 死

 前回も思ったが、空襲のロンドンと曲の組み合わせが何とも言えず。そんな中でのホーエンハイムとのやりとりが印象に残る。

「何かを得るのに必ず代価が必要などと…
 親が子供を愛するとき、そこには何の報酬も代価も…必要ない」

 やはりホーエンハイムは父親だった。そして、永遠の別れ……。
#そういえば、現実に「パラケルサス=(略)=ホーエンハイム」という名の高名な錬金術師がいたらしいが、まさかこうつながっていたとは……!!脱帽。

 等価交換の負の側面、そして現実との乖離を知ってなお、等価交換の正の面を信じたいというエド。あくまでも前に進むことをやめないエドにも胸を打たれた。ことここに来て、ようやく他の面々(ホムンクルス一派や軍の大人達)と同じ土俵に立ったという気がする。

 ……が、そうしてようやく「これから」というところで主人公死亡!?前半部分で、なおも歩き続ける決意を固めたエドを見た直後なので、衝撃も倍増。
 それでなくても、少年漫画で事件の解決しないうちに主人公が死ぬ(それも最終回間近になって)、というのは十分衝撃なのに。まさかこのまま終わらせるつもりはないだろうが…しかしあれは、どう見ても死んでいるようにしか…瞳孔も開いているように見えるし。こうなると、希望は賢者の石だが、エドの魂が昇天する前にアルが行動を起こすのは難しいような気もする。タッカーの例からすると、遺体の修復は可能かも知れないが、そこに再び魂が定着できるかどうかは別問題のようでもあるし。扉の向こう側に「持って行かれた」アルの肉体にエドの魂と精神が定着してしまい、それで復活するとか……。とにかく想像がつかない。
#次回予告の代わりに、ED後に映っていたエドのイラスト。見ようによっては、遺影のようにも見える……。

 それにしても、エンヴィーの正体がホーエンハイムの息子(死産)だったとは驚いた。ラースと同じような立場だったのか…。そのわりには、ホーエンハイムは随分と冷たかったような気がするけれど。……しかし、ホーエンハイムは肉体を次々と乗り換えているのだから、エンヴィーの本当の姿がホーエンハイムに似ている必要はないのではないだろうか。ひょっとして、ホーエンハイムは、乗り換えるときに似たような容姿の肉体を選んでいるのだろうか。

 

第51話(最終話)

 マスタングが、「あなたは何回殺せば…死ぬのかな……」と大総統を倒したところはかっこよかった。彼は、原作で大総統が同じセリフを口にしていることなど知らないはずだが、知っているこちらとしては、それが余計にツボにはまる。ホムンクルスの弱点についてもたぶん知らなかったと思うが、それでも最も効果的な方法をとって大総統を倒すことができた。炎に包まれて……というのも、劇的な感じが。
#それにしても、なぜ大総統は自分の弱点を後生大事にしまっていたのだろう?さっさと破壊してしまえばよかったのに。いや、そもそも何故「弱点」を自分で金庫にしまうことができたのか?それを前にしたら動けなくなるはずではないのか……?いろいろと疑問が残る。

 そして……ホークアイ(なぜ彼女が無事だったのかよくわからないが)が倒れたマスタングに駆け寄って、
「大佐、大佐、大佐!……ロイ・マスタング!!」
と叫ぶ場面もよかった。しかし…こんなところで紛らわしく「別れの曲」などかかるものだから、てっきり本当に死んでしまったかとヒヤヒヤしてしまった。確かにそれでいい雰囲気が出たし、その後のエドとアルが長い別れになることを思えば、この曲がぴったりだとは思う……のだが、それでもやっぱり紛らわしい。
 あと、この後のアイパッチ大佐(准将だが)も素敵だった。やるべきことを成し遂げて落ち着いたのか、険しい感じが消えて、少し丸くなった模様。嫌味のない、なんとも優しい顔つきをしていたのが印象的だった。

「この世界は不完全だ。そしてそれ故に、美しい」
というマスタングの言。他のところでもたまにお目にかかる言葉ではあり、このセリフでこの世界の広さと深さを実感した。最も、私はまだこのセリフに心底共感できるほど成長してはいないのだが…。

 この作品の終わり方については、どうなるのかずっと気になっていたが、まさに「やられた!!」という感じだった。これまでも、この作品を見ていて何度もそう思ったが、今回ほど強くそう思ったことはない。本当に、やられた……!!

 エドワードは、本当にかっこよくなったと思う。弟と離ればなれになり、これまでとは違う、錬金術の使えない世界に飛ばされたというのに、少しもめげることなく、元の世界に戻る方法を探してひたすら前に進み続けている。わずかでも手がかりになりそうなものがあれば即行動、という行動力はどこへ行っても変わらず、やはりそれでこそエドだなあ、とつくづく思う。

 最後の、太陽に手をのばすシーンで、「太陽に挑む者」という言葉が自然と思い浮かぶ。―あの時からずっと、兄弟二人は太陽に挑み続けているのだと。
 本当に、胸の奥が熱くなった。こんな素晴らしいものを見ることができて、幸せだったと思う。

#そういえば、ダンテとグラトニーは呆気なく相打ちになったようだが(自業自得の生きた見本…)、あの後エレベーターに誰かが乗り込んで遺跡(?)に下りてしまう、という危険はないのだろうか。こちらも謎。エンヴィーもどうなったのか、よくわからなかったし…。
#なにより謎なのが、マスタングに何のおとがめもなかったように見えること。名家・アームストロング家の口利きや、ホークアイの必死の裏工作とかでもあったのだろうか……。ハクロ将軍や大総統の家族がどうなったのかも気になるし。映画では、そういうことが明らかにされるのだろうか……?

 

 

 

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