デスノート・重箱の隅

 

 

 デスノートについては、様々なルールが存在するが、それを知れば知るほど、また新たな疑問がわきあがってくるのも事実である。ここでは、そんな疑問の数々を検証していきたい。

 

 

死因を「老衰」とするとどうなるのだろうか

参考ルール

  • デスノートに病死と書き、病名と時間を指定をした場合、
    その病気の進行に必要なだけの時間指定がされておらず
    無理が生じると、書き終えてから40秒後(6分40秒後?)に心臓麻痺となる。
  • 病死と書いた場合、病名を書かず時間指定をすれば、
    その時間通りに適した病気で死ぬ。
    ただし、デスノートで操れる死の時間は人間界単位で23日間以内である。(これを、23日間ルールという。)
  • 病死とし、病名は書き死の時間指定をしない場合、その病気で死ぬのに24日間以上かかる時は
    「死の時間を操れるのは23日間」は適用されず、
    その病気で死ぬのに適した時に死ぬ。
  • 上記の場合でも、死因や死の状況等を書き直せるのは6分40秒以内であり、どんなに先の死であろうとその死の時間を動かす事はできない。

 「老衰」は強いて言えば「病死」の範疇に含まれるのではないかと思うが、それならば、自分の名前を書いて死因を老衰とすれば、早死にすることはなくなるのだろうか。

 しかし、身体が急速に老化する病気というのもあるだろうから、それで死ぬかも知れないし、万一、老人になれるだけの寿命が最初からなかった場合、「老衰死は不可能で6分40秒後に心臓麻痺」となるかもしれない。

 …やはり、自分の名前をデスノートに書くのはやめた方がよさそうだ。

 

デスノートを故意なく落とした場合は?

参考ルール

  • このノートは人間界の地に着いた時点から人間界の物となる。
  • 人間界で使われるデスノートには、生きた死神の人間界で人間に使わせるという意思が始めになければならない。
  • その後、人間に憑いた死神が死ぬ事は考えにくいが、
    死んだ場合、その死神が人間界に持ち込んだデスノートの効力に変化は生じない。

 上のルールを見ていて生まれた疑問が、「生きた死神の人間界で人間に使わせるという意思が始めに」ない場合はどうなるのか、ということだ。
 別に人間に使わせるつもりなどなかったのに、ついうっかりデスノートを落としてしまった。…そんな時、デスノートはどうなるのだろうか。

 「人間界の物になった時点でデスノートとしての効力は失われ、ただのノートになる」という可能性が一番高いのではないかと思うが……ルールに反した死神が制裁を受ける(=死ぬ?)だけでデスノートの効力は変わらない、という可能性もないではない。
 しかし、後者の場合、当然使い方の説明などはないから、何も知らずに拾った人間が、その効力を知らないままに使ってしまう、ということが起こるだろう。これはこれで問題だと思うが……。

 それにしても、もし前者ならば、これらのルールは全て、デスノートを人間に持たせて遊ぶ事のできるーつまり、二冊以上のデスノートを手に入れた数少ない死神のためだけに作られたということになる。死神界とは、意外と厳しい所なのかもしれない。

 

ノートを奪われた(なくした)死神はどうなる?

参考ルール

死神は必ずデスノートを一冊は所有していなければならない。その一冊は人間に譲渡できないし、人間に書き込ませる事も許されない。

 隙をつかれて人間にデスノートを奪われたり、紛失してしまった場合など、どうなるのだろうか。デスノートを持たない=人間から寿命をもらえない=死神失格、ということで、死んでしまうのだろうか。

 しかし、そうすると、リュークがどうやって死神大王を騙したのかが気になる。騙して二冊目を手に入れたというのだから、死神大王につく嘘としては、「ノートをなくしたからもう一冊下さい」というのが妥当だろう。なんといっても、デスノートのページがなくなることはないのだから。

 では、単に紛失しただけで、人間の手に渡らなければいいのだろうか。その場合なら、死神は何のおとがめもなく死神大王から新しいノートをもらえるのかもしれない。

 だが、人間に奪われた場合は……恐らくただではすまない。ノートを奪われたということは、すなわち人間の優位には立てなくなったとうこと。死神失格とされるには充分な理由ではないだろうか。普通の人間なら、死神からノートを奪おうなどとは考えないだろうが、月やLならやりかねない。憑く相手は慎重に選ぶべきだろう。

 

デスノートを使用した人間の行く先は?

参考ルール

このノートを使った人間は天国にも地獄にも行けない。

 「死神になる」というのが最もわかりやすいが……。そうすると、リュークも昔は人間だったのだろうか。

 死神大王が、時折仲間(手下?)を増やすためにノートを落として人間に使わせていた、とか……。

 これについてはまだわからない点が多すぎるが、もしこれで月が死神になったら、今度こそ本当に恐れるもののない、文字通り「新世界の神・キラ」として君臨することは間違いないだろう(人間だった頃の記憶があれば、だが…)。そして、そうなったら、同じくデスノートを使ってしまったレイ=ペンバーと死神界で壮絶なケンカが繰り広げられることになるかもしれず、それはそれで面白いかもしれない。

 

死神の眼を持った人間に見える寿命は?

参考ルール

  • デスノートの所有者となった人間は、自分の残された寿命の半分と交換に、人間の顔を見るとその人間の名前と寿命の見える死神の眼球をもらう事ができる。
  • 死神の目を持った人間は顔を見た人間の名前と寿命を見る事ができるが、デスノートを持つ事によって、命を取られる側から取る側になる為、殺す人間の寿命だけが見えていればいいという考え方から、自分を含め、他のデスノートを持った人間の寿命の方は見る事ができない。
  • 死神は人間に死神の目で見える名前や寿命を教えてはならない。これは人間界の混乱を避ける配慮である。

 死神の眼を持った人間が、自分の寿命を見る事ができない理由の一つとして、レムは「残り寿命の少ないことを知った人間は何をするかわからず、それによる人間界の混乱を防ぐため」というのを挙げているが、死神から見た人間の寿命は死神界の単位で表されており、人間には単なる数字の羅列としか見えない。なのにこのような理由が示されるということは、死神の眼を持った人間には、人間の寿命は人間界単位で表示されて見えるのだろうか。

 そもそも、人間はデスノートで人間を殺しても寿命をもらうことはできないので、殺す人間であろうとなかろうと、寿命が見える必要はない。
 また、「命を取られる側から取る側になる」と言っても、死神からは、デスノートを所有する人間の寿命はちゃんと見えている。

 まあ、所詮は死神の決めたルール。前者については、ひょっとすると、実際に人間に使わせてみるまで、「人間はデスノートに名前を書いても寿命が延びない」ことに気づかず、作ってしまったルールなのかもしれない。それに、もともと「死神の眼」というのは寿命が見えるようにできているので、全ての寿命を見えなくするよりは、デスノート所有者の寿命だけ見えなくする方が楽だった、という考え方もある。
 後者に関しては、「人間に対する死神の上位」を示すものなのだろうか。デスノートを所有しても、死神と同類になったのではなく、あくまでも死神よりは下にある、という……。

 で、結局死神の眼を持った人間には、見える寿命は人間界単位なのか死神界単位なのか、という点だが……ミサの態度からだけでは、まだなんとも言えない。しかし、もし人間界単位で見えるのだとしたら、友人知人の残り寿命も全部見えてしまうことになり、あまりありがたくない機能である。

 

「見合った寿命」とはどのくらい?

参考ルール

人間を助けて死んだ死神の命は、助けられた人間に見合った寿命として与えられる。

 「見合った寿命」というからには、死んだ死神の寿命がどうあれ、何百年といった人間にとって非常識な長さにはならないのだろう。

 では、一体どのぐらいの長さになるのか。

 人間界の、その時点での平均寿命なのか、それとも「デスノートが効かなくなる」124歳(人間として最大限の長さ?)まで生きられるようになるのか。
 あるいは、その死神がその人間を助けるために殺した人間(ジェラスの場合は、ミサのストーカー)の寿命が割り振られるのか。

 やはり、死神界にはまだまだ謎が多い。

 

「文字の前」とはどの場所を指す?

参考ルール

死因や死の状況を先に書き、
後から名前をその文字の前に書き込んでも有効となる。

その際、名前を書くまでの有効期間は人間界単位で約19日間。

 一口に「文字の前」と言っても、言語によって文字の並びは異なる。日本語や英語(左→右)ならば、「死因・死の状況の左側」に書けばよいが、アラビア語(右→左)のように、逆の場合だと、死因の右側に記入する必要があるのではないか。

 これは、記入した言語で決まるのか、それとも死神の言語に準ずるのか。今のところ決め手はないが、このルールを発見した夜神月が「文字の前」と表現しているところからすると、後者の場合、死神の文字は日本語や英語と同じく右向きに表記する言語だということになる。

 

どのぐらいの間文字として残れば有効なのか?

参考ルール

文字として残る物であれば、書く道具はノートに直に書き込みさえすれば何でもよい。化粧品や血でもかまわない。

 例えばイカスミのように、一年足らずで消えてしまうようなものは、筆記具として有効なのだろうか?

 まあ、月愛用のシャーペンなども、いつまでも残るわけではないし、死神の筆記具に比べればはるかに短いはず。書かれた人物が死ぬまで文字が残れば有効、ということなのかもしれない。

#ところで、「ノートにひっかき傷」「穴を開ける」などで文字を残すのは有効なのだろうか?「直に」はともかくこれを「書き込む」と呼んでいいものかどうか……。これも、月に検証して欲しいところである。

 

月・ミサは短命?

参考ルール

  • 死神と眼球の取引をし、その目で見える人間の寿命は
    人間界にあるデスノートに関わっていない人間界での本来の寿命である。
  • 死神は特定の人間に好意を持ち、その人間の寿命を延ばす為にデスノートを使い、人間を殺すと死ぬ。

 レムは、ミサに好意を持っているから、Lを殺せば自分は死ぬだろう、と言っている。しかし、Lを殺したからといって、ミサの寿命が延びるとは限らないのではないか?

 そもそも、「Lを殺せばミサの寿命が延びる」というのは、「Lによりミサ逮捕→ミサ死刑」というのが前提にあるだろう。しかしこの場合、ミサ死刑に至るまで何十年もかかるとは、ちょっと考えにくい。月もLも、防御より攻撃を重視する性格で、常にギリギリの勝負を繰り広げているから、決着がつくのは早いと思う。それがどんな形にせよ…。

 だから、もし月やミサの寿命が、順当にあと何十年もあれば、「二人の死因はLによるものではない」可能性が高くなるだろう。
 しかしレムは、
Lを殺すことがミサの寿命を延ばす事になると考えている。レムには二人の寿命が見えているはずだが……このことからすると、その寿命はかなり短いのではないか?

 もちろん、デスノートが絡んだ事で、本来の寿命が無意味になったとも考えられるため、そう決めつけるのは早計だが。
 ……しかし、もし月やミサの寿命が極端に短いとすれば、
Lに勝ったとしても、そのすぐ後に急逝……という結果に。個人的な希望だが、月・L・ミサの三人には、寿命ではなく、同士討ちのような形で人生の幕を閉じてほしいと思う。最期まで、デスノートに魅入られた者として…。

 

分厚いデスノート

参考ルール

デスノートは、いくら名前を書いてもページがなくならない。

 ページがなくならない、ということは、ページが増える、と解釈してもいいのだろうか。だとすると、熱心な死神や古参の死神の持っているデスノートは、辞書のように分厚いものになっているのだろうか。

 リュークやレムの持っているデスノートは、普通のノートと変わらないようだが、これは二人がそれほど勤勉な死神ではないということなのか、それとも、デスノートは閉じている時には普通の厚さになる、という特性でもあるのか。後者だとしたら便利な話である。

 

人間の寿命はいつ決まる?

参考ルール

  • 生後780日に満たない人間には、デスノートの効果は得られない。
  • 人間界単位で124歳以上の人間をデスノートで殺す事はできない。
  • 残りの寿命が人間界単位で12分以下の人間はデスノートで殺す事はできない。
  • 死神はデスノートに人間の名前を書く事で自分の寿命を延ばせるが、人間は延ばせない。

 残り寿命の短い人間を殺すことができないのは、主な使用者たる死神が、殺した人間の残り寿命をもらって生きていることと関係があると思うが、生まれて間もない人間を殺すことができないのは何故だろうか。

 それはひょっとして、その人間の寿命がまだ決まっていないからではないか?
 死神は人間の寿命をもらうためだけに存在するとレムも言っていたが、だとすれば、逆に「死神の寿命を延ばす以外のことで人間を殺す必要はない」という考えから残り寿命の極端に短い人間、寿命のまだ決まっていない人間にはデスノートが効かなくなったのではないか?

 そういう可能性はあると思う。そして、その通りならば、人間の寿命が決まるのは遅くとも生後780日……。このもともとの寿命は死神が決めるものではないようだが、一体誰が決めているのだろうか。死神大王か?それとも神か?

 こういったことも、(作品中でなくてもいいから)いずれ明かしてほしいものである。

 

なぜ、細かい規定がなされているのか

参考ルール

  • 死んだ死神は消えるが、デスノートは残る。
    そのノートの所有権は、通常、次にノートに触れた死神に移るが、死神大王に返上するのが常識とされている。
  • 死神は必ずデスノートを一冊は所有していなければならない。その一冊は人間に譲渡できないし、人間に書き込ませる事も許されない。
  • 人間界で使われるデスノートには、生きた死神の人間界で人間に使わせるという意思が始めになければならない。

 死神が人間にノートを持たせて遊ぶには二冊以上必要で、さらに、死神界では二冊以上の所持は原則として認められてはいないらしい。リュークも死神大王を騙してなんとか手に入れたのだし、死んだ死神のノートも、通常は死神大王に返上するのが常識とされている。
 つまり、デスノートが人間界に出回るというのはそうそうある話ではないのだ。

 なのになぜ、かくも詳細な規定がなされているのであろうか。万一出回った時に備え、人間界の混乱を防ぐために作られたとも考えられるが、それならば最初からデスノートを人間に使わせるのを禁じればいいものを、そうはしない。
 では、死神の娯楽として認められているのか?だが、それならなぜ二冊目のデスノートが入手出来ない仕組みになっているのか。

 ……死神界は、謎だらけである。

 

下記のルールは表記ミス?

参考ルール

デスノートに病死と書き、病名と時間を指定をした場合、
その病気の進行に必要なだけの時間指定がされておらず
無理が生じると、書き終えてから40秒後に心臓麻痺となる。

 5巻P112の「how to use it」に上記の文が掲載されているが、英文では"die of a heart attack after 6 minutes and 40 seconds after completing the DEATH NOTE."―すなわち「書き終えてから6分40秒後に心臓麻痺」となっており、上の訳文とは異なる。

 6分40秒以内なら時間や死の状況は何度でも変更可能であることを考えると、これは恐らく和文の方にミスがあるものと思われる。

 しかしーということは、この「使い方」、作者は和文ではなく英文を先に書いているのだろうか?

 

 

 

2005.2.14

 

 

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