ヨツバ幹部
【
page.37~page.52】
《ヨツバ幹部の行動》
“尾々井、鷹橋、紙村、葉鳥、樹多、三堂、奈南川、火口。ここに挙げた8人は、大企業ヨツバグループで、将来は社長の椅子も狙えると言われている幹部の一人。ある日社長に呼び出され、キラの「殺人予告ビデオ」を見せられたことから、毎週末に開かれる「殺人会議」への参加を余儀なくされる。それは、ヨツバグループの更なる発展のために、キラに誰の殺人を依頼するか話し合う、という内容。会議の参加者のうち誰かがキラとのコネクションを持っている、という建前だが、実際は誰もが「会議の参加者にキラがいる」ことに気づいていた。会議では、殺人被害者の選定の他、キラを追う日本警察に圧力をかけてキラ捜査を中止させること、及び捜査を今なお続行している
Lの殺害が決定された。そのため世界三大探偵のうち一人、エラルド=コイルにLの正体を暴くよう依頼するが、コイルはLと同一人物だったため、他の要因も重なって、逆に「殺人会議」の存在と参加者を探り当てられてしまう。その後はLの用意した罠に次々とひっかかり、最終的にはミサによって、「第三のキラ」の正体が暴かれる。そして、ほぼ同時期に、キラの悪事に付き合わされることに耐えきれなくなった面々―紙村、三堂、奈南川もまた、キラの正体に勘づき、一堂に会して対策を練っていた。こうして、「第三のキラ」は孤立し、Lに捕まるが、その後復活した「真のキラ」によって消されてしまう。そして、他のヨツバ幹部達もまた……。全ては、キラの掌で踊らされていたのだ。”
(page.37:八人〜page.50:四葉)
【会議の席】
時計回りに尾々井・奈南川・紙村・葉鳥・三堂・樹多・鷹橋・火口
<尾々井 剛>
<ポイント>
【+】
会議中に松田を見つけて最初は動揺するものの、すぐに冷静さを取り戻し、近くにいた葉鳥と紙村に別室で話を聞くよう指示。どう対処するか話し合う時間を稼いだ。
「前金200万ドル」というコイルの条件に対し、「こちらの器の大きさと、コイルを高く評価していることを見せておいた方がいい」と、500万ドル渡すよう指示。
「週末に集中して事故死」よりも、「日時指定に不可能が生じて心臓麻痺」の方が問題があるとした。
慎重を期すため、会議は隔週で開き、殺すのも月2〜3人にするよう提案。それ以上急激な伸びは危険だと考えた。
「ここに来るなら上乗せ250万ドル」というコイルの要求も既に予想していたらしく、平然と了承した。
弥海砂の面接では、コイル(アイバー)と共に、相手が心おきなく話せるような雰囲気を作った(どこまで意識してのことかは不明だが)。
【―】
会議中、ドアの外に松田を見つけ、思わず立ち上がった。
コイルに「樹多がキラと繋がりがある」とまで悟られたということに気づいていなかったふしがある。
コイルがLや警察のスパイだという可能性を完全に無視し、その不安を打ち明けてきた紙村を「なんでそうマイナス思考ばかり働くんだ」と否定した。
【他】
八人の中では最年長者のためか、「殺人会議」において常に司会役を務め、話がそれた時は、それを元に戻す。
会議で弱気な発言をした三堂を、「我々にはキラとコネクションがある(=下手な発言をすれば殺される)」と言ってたしなめた。
「松田を殺す」という火口の案を採用し、「どう殺してどう隠蔽するか考えよう」と会議をすすめた。
「会議を抜けたい」という葉鳥に対し、「ここで抜けてもお前の立場は何も変わらない」とたしなめた。
「これで葉鳥がキラというのはなくなったか」と軽口を叩く奈南川に対し、「葉鳥がキラなら何を言っても死なない。逆にどんな演技をしてもいいということになる」と軽口を返す。
「コイルを殺す」という火口に「顔もわからにのにどうやって殺すんだ」「顔を出す事を条件にしても本人かどうかわからない」などともっともな疑問を投げかける。
「いざとなったらコイルだかLだかのアジトにミサイルをぶちこむだけだ。ヨツバは強い」と軽口を叩く。
葉鳥の死について、「これで葉鳥の死の意味は十分わかったと思う。肝に銘じろ」と淡々と締めくくった。
コイルの調査(第一回)が不十分だという意見が相次ぐ中、コイルが「Lの存在は軽視すべきでない」と忠告をくれたりもしている、等と指摘しバランスをとった。
「七人平等な立場で意見できた方がいい」と、キラが名乗りをあげることに反対した。
「ヨツバの宣伝に弥を使い、Lについて聞き出すことを奨める」というコイルの案に対し、Lの正体を暴くのが契約だったはずで、ここでそれをヨツバに委ねるのは筋違いだと反対した。
弥海砂の面接で、「拘束した相手の顔を見ましたか?」と質問し、「聞きすぎだ」と三堂に心配される一方、三堂が「声は聞いたということですね?」と質問すると、「聞きすぎでは…」と同じ心配をする。
論理 |
勘 |
発想 |
慎重 |
度胸 |
行動力 |
処理 |
6 |
4 |
7 |
5 |
8 |
8 |
8 |
よく言えば鷹揚で器が大きく、悪く言えば大雑把。しかし、人間関係についてはなかなか細かい心配りをし、全体のバランスをとることに長けている。自分ではあまり案は出さないものの、説明されたことはよく理解し、出てきた案をうまくまとめて会議をスムーズに進行させる。見た目ほど賢くはないが、不用意に発言しないので、周囲にそれを悟らせない。発言数が少なく、独特の威圧感を持ち合わせていることと併せて、彼の発言には他のよりも一言一言に重みがある。
<鷹橋 鋭一>
<ポイント>
【+】
「松田を殺す」という火口の発言に、「殺すとして会社の中ではまずいし、事故死させるとしても死ぬ前に誰かに話されたら困る」と至極現実的な問題点を提起。
【―】
「キラは何故悪人を裁くだけでなく、殺人請負まで始めたのか」と発言し、火口に馬鹿にされていた。
8人中唯一人、キラが「殺人会議」を開かせる理由を察することができず、「キラは殺し屋を始めたのか」など的はずれな発言をして火口に馬鹿にされていた。
予定と違う死に方をした人間がいることについての疑問が提出された際、「そんなに気にすることではない」と軽視した。
会議中、ドアの外に松田(他人)を見つけて思わず立ち上がり、「おい そいつ 話を盗み聞きしてたかもしれない…」と、疑って下さいと言わんばかりのセリフを不用意に口走った。
コイルが「樹多とキラが繋がりがある」とまでわかっているということに全く気づかず、「依頼を出しておいて応えないのでは怪しまれる」と呑気に樹多を非難している。
「キラの考え」にについて全く考えていなかったようで、奈南川の説明にいちいち感心していた。
「葉鳥が死んで正直ホッとした」という奈南川に、驚きの反応を示した。
コイルからの、Lについての報告書を「3日にしてはよく調べてある」と評価し、「3日で調べた事ではない」と火口に馬鹿にされる。
【他】
松田の処理を真剣に考えなければいけない時だというのに、ミサにみとれていた。
論理 |
勘 |
発想 |
慎重 |
度胸 |
行動力 |
処理 |
4 |
2 |
2 |
2 |
3 |
4 |
5 |
一応大企業の要職にあるのだから、まるきり無能というわけではないだろうが、それも親の七光りによるものが大きく、この顔ぶれーいや、その軽率さを考えると一般の犯罪者と比べても劣っていると言わざるをえない。実際、殺人会議のメンバーに選ばれたのも、キラの引き立て役にされるためであり、会議では常に馬鹿にされている。まさしく、「馬鹿」であることが、会議での彼の存在意義だったのだ。どこからどう見ても「凡人」であり、普通なら決して表舞台に立つ事などなかったであろうに、このような形で目立つことになるとは、彼にとっても不幸なことだ。
<紙村 英>
<ポイント>
【+】
コイルからの連絡を「金さえ出せば仲間になる」と解釈する仲間達に対し、「自分たちにとって都合良く考えすぎじゃないか」と慎重な見方をした。
会議の後、「みんな、コイルがLや警察のスパイだという可能性を完全に無視しているのではないか」と尾々井に不安を吐露したが、一蹴される。
「Lの方がコイルよりも上手だと考えると、(コイルにLを調べさせるのは)どうも乗り気がしない」と発言。
会議中、「誰がキラなのか名乗ってもいいのではないか」ともちかけた。
会議中、Lから奈南川にかかってきた電話に目敏く注目していた。
「松井マネージャーが一度強引に売り込みに来ただけなのに、なぜコイルは、ヨシダプロが弥をヨツバに売り込んでいるとわかったのか」「売り込みに来た事自体、ただの偶然だったのか」という点にに疑問を持った。
「もうキラの悪事にはついていけない」と、7人中唯一自ら行動を起こし、三堂に相談を持ちかけた。
「三堂や奈南川は放っておいたって出世するし、八人で死の会議なんて馬鹿なことをするはずがない」と判断し、キラは鷹橋か火口だろうとおおよその見当をつけていた。
最初の殺人会議で、特別な人事異動があると電話をかけてきた時の社長の声が、少し怯えた感じだったと気づいていた。
【―】
「人を殺して出世」というのに承伏しかねる様子を見せている。
「コイルがLや警察のスパイだという可能性を完全に無視しているのではないか」といった重要なことも、臆病さからか会議で発言できなかった。
【他】
「疑いがかかるだけでも社のイメージダウンどころか自分たちはクビだ」と、8人の中でも特に「追う者」の存在を気にしている。
週末の「殺人会議」に不平を漏らす同僚(鷹橋か三堂?)に、「月曜だったら会社に来るのが憂鬱になる。週末だからまだいい」と言って宥めていた。
「事務所のモデル沢山」というミサの言葉に反応していた。
「処理」するはずの松田が酔ってベランダで逆立ちを始めた時、思わず「酔ってるのに危ないぞ」と制止しようとした。
「この中から死人が出るのはまずい、やりにくくなる」と、なんとか葉鳥がキラに殺されるのを阻止しようとしている。
会議で葉鳥の死が殆ど取り上げられなかったことに衝撃を受ける。
コイルにも会議に出席してもらうべきだと提案。
論理 |
勘 |
発想 |
慎重 |
度胸 |
行動力 |
処理 |
7 |
8 |
7 |
10 |
6 |
6+ |
6 |
いつもおどおどしており、一見ただの小心者に見えるが、なかなかどうして、このメンバーの中でもかなり優秀な部類に入り、その注意深さを買われて殺人会議のメンバーに選ばれた。慎重なだけではなく、意外に目敏く、しばしば重要なポイントを突いている。ただ、哀しいかな、その自信のなさそうな態度が裏目に出て、会議にあっては彼の意見はあまり採用されていないが。また、8人の中では最も道徳心が高いようで、それ故にキラの悪事に荷担する事を特に重荷に感じていた。臆病そうに見えるのに、キラへの対策を立てるべく、唯一水面下で自ら行動を起こすなど、時に、思いもよらぬ行動力を見せる。とにかく、見た目に反し、松田(もしかしたら相沢ら一般の刑事も)などよりもよほど有能である。
<葉鳥 新義>
<ポイント>
【+】
本来なら病死や事故死で死ぬはずだった3名が、心臓麻痺で死んでいる点に、特に引っかかりを覚える。
会社に侵入した松田を取り調べている時に、松田にかかってきた電話に、「ヨツバにいることは言わずに、会話もこちらに聞こえるように」した上で出るように指示。
【―】
松田の処理を本気で考えるべき時に、「ミサを本気で宣伝に使うことを考えてもいいのではないか」とやや的はずれのことを言っていた。
コイルが「樹多とキラが繋がりがある」とまでわかっているということに全く気づかず、「樹多さんは慎重な行動を取ったと思うが…」と、樹多の行動の是非という些末なことに注目していた。
コイルに「樹多がキラと繋がりがある」ことを悟られたとわかり、キラの巻き添えで犯罪者として捕まるのは御免だと、会議から抜けたいと発言。その結果、キラに殺される。
論理 |
勘 |
発想 |
慎重 |
度胸 |
行動力 |
処理 |
4+ |
5 |
4 |
4 |
2 |
4 |
5 |
無能というわけではないが、特別有能というわけでもない、見た目通りの平均的な人物。それ故、犯罪を犯して「捕まるかもしれない」という心理的重圧に耐えきれなくなった。紙村ほどの慎重さは持ち合わせていなかったため、それを思わず口にして、キラに殺されてしまった。せめて、鷹橋のような脳天気さがあれば、殺されずにすんだものを…。
<樹多 正彦>
<ポイント>
【+】
「警察やLに対しては樹多を中心に対処する」という会議の決定が下されて後一週間で、裏金で依頼人を分からない様に世界中の名探偵や殺し屋を雇う方向で進め、探偵「エラルド=コイル」を見つけた。
会議中、ドアの外に松田を見つけた時も、冷静さを保ち、不用意な発言をした鷹橋を、「大声出すな。別に聞かれてまずい話もしてないじゃないか」とたしなめた。
「タレントの売り込みにきた」と称する松田を「産業スパイか警察という可能性もあり得る」と指摘するも、三堂に否定された。
タレントの売り込みにきたはずの松田が本人を連れていない点に注目、本当にミサのマネージャーなのかどうか、直接念を押した。
【―】
探偵「エラルド=コイル」が「L」と同一人物であることに気づかず、Lにみすみす情報を渡してしまった。
コイルから突然の電話を受けたとき、驚き焦り、まともな対応ができなかった。
コイルの言う「口止め料」の意味が咄嗟には理解できなかった。
「で…どうするんだ?キラと繋がりがあるとまでバレてるなら、最低でも口止め料の200万ドルは払わなければならないって事になるが」
と、意見を求めはするものの、自分では何ら有効な対応策を発言することはなかった。
コイルがLや警察のスパイだという可能性を完全に無視していた。
同年齢の三堂に「コイルに電話して出て来いと言ってみろ」と指図され、不満そうな様子を見せる。
コイルから「会議に参加するなら上乗せ250万ドル」と要求されて動揺し、尾々井に指示を求めた。
紙村らがキラへの対応を話し合うために集まったときに、呼んで貰えなかった。
【他】
三堂が弱気な発言をした際、薄ら笑いを浮かべて「臆病風に吹かれる奴は確実に殺される」と皮肉った。
予定とは違う死に方をした人物についての原因調査を任されていた。
思わずミサに見とれる鷹橋に、「今はそういう問題じゃないんじゃないか?」と注意している。
コイルから電話を受けた後、「どう返事をするか皆で決めるべきだ」と判断し、すぐに尾々井に連絡した。
奈南川が「キラの考え」という言葉を口にした時、冷笑して「キラの考えってなんだよ 教えてくれよ 奈南川」とからかうように言った。
コイルの考えについての説明を三堂らから一通り聞いた後、「私もコイルは頭がキレると思う。こういう奴は味方につけておかなければ駄目だ。後々役にも立ちそうだ」と、コイルを仲間に加えることに賛同する。
コイルを仲間に加えることが決定されると、「あまりモタついてるとコイルに見切られる」と、すぐにコイルの条件で契約しようとした。
「週末に集中して事故死は確かにまずい」と発言
「誰がキラなのかわかれば、必ず裏で『○○を殺してくれ』という奴が出てくる」と、キラが名乗りを挙げることに反対する。
「毎週末の死」の改善策として、「二週間おき」を考える。
「弥海砂がLを知っているかもしれない」というコイルの報告に感心する。
計算高い人物として、三堂に評されている。
論理 |
勘 |
発想 |
慎重 |
度胸 |
行動力 |
処理 |
6 |
3 |
3 |
5 |
5 |
5 |
8 |
Lや警察への対処、コイルとの取引、予定外の心臓麻痺死者に関する調査などの実務をこなす。雑用を押しつけられている、という見方も出来る。また、人望がないのか、会議外で人に頼られることはなく、紙村達がキラ対策の密談を持った際も、声をかけられなかった。発言力も、能力のわりには低い。指示されたことは着実にやり遂げることからして、有能で処理能力は高いが、咄嗟の対応はできず、独創的な案も出していない。いわゆる「指示されたことには有能だが、突発的事態にはまるで対応できない」典型的な官僚タイプ、と言えるだろう。偏見かもしれないが、冷たく人間味が感じられないところも官僚のイメージ通りである。
<三堂 芯吾>
<ポイント>
【+】
予定と違い、心臓麻痺で死亡した人間がいることから、「死の依頼に不可能な点があると、キラは心臓麻痺で殺してしまう」という仮説を立てた。
会議中、ドアの外に松田を見つけた時も冷静さを保った。
コイルの「口止め料」という言葉から、樹多がキラと繋がりがあるとまで悟られたと気づいた。そしてそれを、事態を理解できていない鷹橋達に説明してやった。
「報酬のふっかけ方から見て、コイルは樹多個人ではなく組織的にやっているとまで踏んでいる」「コイルはキラに自分を売り込んできている」ことを見抜く。
「金さえ出せば仲間になる」というコイルの暗黙のメッセージに気付き、「契約する事で互いの弱みを握り合う形になる」とコイルを仲間に加えることを提案。「コイルを殺す必要は全くない」と、なんとしてもコイルを殺そうとする火口をたしなめた。
コイルに提示された金額よりも多い「500万ドル」という前金を渡すという尾々井の案について、「金で動く人間なのだから、こちらが太っ腹だと見せてやれば安心する。金で飼っておけばこちらも安心できる。絶対に出し惜しみは駄目だ」と賛同する。
キラへの対応を話し合うのに、紙村に真っ先に頼りにされた。
「三堂は放っておいたって出世するし、八人で死の会議なんて馬鹿なことをするはずがない」と紙村に評価されている。
キラは火口ではないかと大体の見当をつけていた。
「キラより考えの浅い者もいないとまずい」という考えから、鷹橋はキラの引き立て役であると看破した。
火口がいつも「出世なんて」と口癖のように言っているのが、逆にこだわっている証拠だと見抜いていた。
火口から、参議院議員の父親に連絡してさくらTVのキラ特番を止めさせるよう要請された時、「そんなことをしては逆に怪しまれるし、(キラが処理してくれるだろうから)その必要もない」とうまくあしらった。
【―】
「殺人会議」で、「毎週誰かを殺す必要もないのではないか」と発言。「臆病風を吹かす奴はキラに殺される」と樹多に皮肉られ、額に汗を浮かべ、ムキになって反論した。
警察に圧力をかけたことで安心し、ドアの外にいた松田を「警察のはずがない」と楽観的に否定した。
コイルがLや警察のスパイだという可能性を完全に無視していた。
弥海砂の面接で、完全にLの思惑に乗せられた。
最初の殺人会議で、特別な人事異動があると声をかけてきた時の社長の様子がおかしなことに気づかず、「また出世だ」と思って意気揚々と参じた。
【他】
「金曜・土曜にヨツバにとって有利に働く死が毎週起こる」とまで調べたコイルを、やはり有能であると評価。「毎週末に死というのは改善すべきだ」と提案。
「キラの意見がどうしたって力を持つ。キラの言う事に逆らったら…というのが自然に働いてしまう」と、キラが名乗り出ることに反対した。
「Lを殺すのを優先し、それまでは慎重に事を運ぶ」という奈南川の意見に賛成する。
「ヨツバの宣伝に弥を使い、Lについて聞き出すことを奨める」というコイルの提案に賛意を示す。そのリスクや「Lの正体を暴くのはあくまでコイルの仕事」という契約内容にはあまりこだわらず、「これだけ条件が揃っていれば、ヨツバがイメージキャラに使い、探った方が早いというのも当然だ」と、プラス面を重視していた。
弥海砂の面接で、「拘束した相手の顔を見ましたか?」と質問した尾々井を「聞きすぎだ」と心配する一方、自分は「声は聞いたということですね?」と質問して、尾々井に同じ心配をされる。
自宅は、ウエディ曰く、「普通のセキュリティーじゃない」。
「殺人会議」には嫌気がさしているものの、どうしようもないとあきらめていた。
最初はキラ候補として計算高い樹多というのも考えたが、コイルへの依頼・運営資金の口座提供をさせられたことからキラではないと判断した。
「まともな人間はこれがバレた時のことを考える」と、殺人による企業の繁栄には内心反対している。
論理 |
勘 |
発想 |
慎重 |
度胸 |
行動力 |
処理 |
8+ |
7 |
7 |
5 |
7 |
6 |
8 |
若いが有能で、大企業の幹部にふさわしい。特に威圧感は感じさせないが、冷静で、会議中も、同年齢の樹多に指図するなど、それなりの発言力がある模様。洞察力にも優れているが、やや楽観的で、肝心な点を見落とすことも。最悪の場合を想定して動かなければならない犯罪者には、あまり向いていないといえるだろう。
<奈南川 零司>
<ポイント>
【+】
「殺人会議」が始まって間もない頃、皆が「キラ」という「見えない殺人者」の下で異様なまでのプレッシャーを感じている中で、「誰がキラと繋がりを持っているのか、そんな事は少し考えればすぐわかる事だが、命が惜しかったらそこには触れない事だ」と汗一つ浮かべずに冷然と発言した。
「人を殺しての出世」に異を唱える紙村に対して、「私たちは会話しかしていない」となだめる。
コイルの「口止め料」という言葉から、樹多がキラと繋がりがあるとまで悟られたと気づいた。
「報酬のふっかけ方から見て、コイルは樹多個人ではなく組織的にやっているとまで踏んでいる」「コイルはキラの考えまで見抜いている」ことを見抜く。
キラが欲しているのは「知恵」と「社会的地位を備えた上での金」だという「キラの考え」を見抜き、そう発言する。
コイルがキラに自分を売り込んできていることに気付き、「いくら出してもコイルを買え」と発言する。
会議中、Lを名乗る月から電話を受けたとき、内心では動揺しつつも、表面上は冷静さを装う。
コイルとLが、ほぼ同時期に殺しのタイミングを遅らせることを提案してきたことから、コイルとLが繋がりを持っていたことを勘づく。
Lの要請を請け、殺人会議で名の挙がった人物を殺すのを、「Lを殺すのを優先する」という口実を設け、一ヶ月先に伸ばすことに成功する。
「そこそこの才気があり、奈南川なら(わざわざ殺人会議を開いたりせず)自分一人で行動するように見える」とLに評される。
「ヨツバの宣伝に弥を使い、Lについて聞き出すことを奨める」というコイルの提案を受け入れることを渋る尾々井の内心をいち早く察し、「Lの正体はあくまでもコイルが暴くべきで、ここで我々に委ねるのは筋違いだという事だろ?」と代弁した。
紙村と三堂から、キラへの対策を練るために呼ばれたが、用心してすぐにはその話題に乗らなかった。
「奈南川は放っておいたって出世するし、八人で死の会議なんて馬鹿なことをするはずがない」と紙村に評価されている。
キラは火口ではないかと大体の見当をつけていた。
最初の殺人会議で、特別な人事異動があると声をかけてきた時の社長が少し変だと気づいていた。
Lを名乗る月から電話を受けた時、自ら火口の名を口にすることで月を引っかけ、火口がキラであるとの発言を引き出した。
火口の逮捕でヨツバが傾くことを予測し暗澹たる気分になった紙村と三堂を、「そういうに時こそ、ヨツバの為、社会の為に貢献するのが本当のヨツバ社員じゃないのか」とキザな台詞で元気づける。
【―】
「警察は、キラは心臓麻痺以外でも殺せることをわかっていない」と、警察について深刻に考えていない。
松田の対処を決める際、「この部屋の中にいたわけじゃないんだ 会話は聞いてないだろ?」と事態を軽く見ている。
コイルがLや警察のスパイだという可能性を完全に無視していた。
会議中、Lを名乗る月から電話を受け、完全に相手のペースに乗せられた。
【他】
葉鳥が「会議を抜けたい」と発言した際、「これで葉鳥がキラというのはなくなったか…」と軽口を叩く。
「自分がキラだと思われても何の不都合もない」と発言。
「馬鹿な正義感」という言葉を口にする。
「この会議から抜けようとする者がどうなるか、キラは最低一人ははっきりと見せしめにしておく必要がある」と、葉鳥の死にも冷徹そうな発言。
「皆キラに一生ついていくし、逆らう者もいるはずがない」と、キラが名乗りをあげることを提案する紙村に対し、「葉鳥の死の効果もあるしな」と、消極的な賛意を示す。しかし、樹多・三堂が否定の意向を示すと、それにも頷き、どっちつかずの対応をとる。
「慎重にやっていくにこしたことはない」と、「会議は隔週・殺すのも月2〜3人単位にする」という尾々井の提案に賛同し、それで尾々井の意見は会議の決定事項となった。
一度会議の様子を見ただけの月とLに、「キラではなさそうでそれなりの発言力を持っていそうな人物」として真っ先に名が挙がる。
Lのペースに乗せられることを快く思っておらず、あくまで自分の意思で動きたいと考えている。
自宅は、ウエディ曰く、「普通のセキュリティーじゃない」。
三堂・紙村とキラへの対策を話し合っている時にLから電話を受け、そのことを(Lの許可を得ずに)二人に告げた。
論理 |
勘 |
発想 |
慎重 |
度胸 |
行動力 |
処理 |
8+ |
7 |
7+ |
5 |
8+ |
9 |
8+ |
最年少にもかかわらず、頭脳・発言力はトップクラス。営業職にあるせいか、ハッタリがうまく、話術にも長けている。なかなか度胸もあり、キラを挑発するような言動が目立ち、キラに反感を抱いている様子が窺える。プライドが高く、他人に意のままにされることが不満なのだろう。こうした所は、月に似ている。ただ、月と違い、警察などの「追う者」の存在に真剣に対処する様子が見えない。自信に溢れ、度胸もあるぶん、楽天的になってしまうのだろう。そこが、月に及ばないところだ。もともと殺人会議についてはどこか投げやりで、あまり熱心ではない様子。一見冷徹にも見えるが、発言をよく観察すると、なるべく人を殺したくないと言う心理があるようにも思える。殺すには惜しい人物だった。
<火口 卿介>
【行動】
“報道された犯罪者を消していくという条件で、死神レムからデスノートを譲り受けた。しかし、自分の能力に自信が持てず、ヨツバの若手幹部7名を選び、毎週末誰を殺すか話し合う「殺人会議」を開くことに。慎重に事を進めたつもりだったが、デスノートの理解が不十分で心臓麻痺による死者を出してしまったことと、ヨツバの急成長から、捜査本部に殺人会議の存在を知られてしまう。そのことに気づけないまま、弥海砂によるおとり捜査にひっかかり、自らキラであることを告白。しかも、それを録音される。それらのことに一切気づかぬまま、
Lの仕組んだ「さくらTV」を使っての「大追跡劇」に乗せられ、自分の名がテレビで公表されるのを防ぐため奔走。追いつめられて「死神の眼」の取引をするも、スモークを張ったパトカーに包囲され、ついに逮捕される。そして、連行されようという時、真のキラによる裁きの手が火口にのびたのだった……。”
(page.37:八人〜page.52:寸止)
<ポイント>
【+】
松田の存在を脅威とみなし、すぐに「殺すしかない」と判断。問題はそれをどう隠すかだ、と具体的な問題提起に入る。
松田がベランダから落下するのを目撃したが、念のため後でデスノートにも名前を書いた。
コイルの「口止め料」という言葉から、樹多がキラと繋がりがあるとまで悟られたと気づいた。
「会議を抜けたい」と発言した葉鳥を見せしめに殺害した。
「「思われる」など不確定な要素が多い」「Lの顔や名前など、肝心な所が何もわかっていない」などとコイルからの報告書に不満を述べる。そして、同時に、それが「コイルですら己のライバルといってもいいLの事をたったそれだけしかわかっていなかったという事であり、三日で調べた事ではない」ということにも気づいていた。
Lから逃れるために、弥海砂がデスノートの所有権を放棄して記憶をなくしたことを、コイルの報告書から推測。「それくらい私でも読みとれる」と言っていることから、自分の能力にはあまり自信がないようだ。
電波を遮断した地下室を作った。
さくらTVに侵入した時、一応テレビカメラの位置には気を付けるようにしていた。
【―】
「殺人会議」において、あからさまに鷹橋や紙村、葉鳥(特に鷹橋)を馬鹿にした言動を繰り返す。普通なら「もし相手がキラだったら」と考えてそんな言動はとてもできない、ということに考えが及ばないのであろうか。
会議中、ドアの外に松田を見つけ、思わず立ち上がった。
松田やコイル等、邪魔者が現れるとすぐ「殺す」ことに思考が傾き、視野が狭い。
ノートは家に置いてあるため、松田殺害が決定された時もすぐには殺せず困っていたが、たくさんのモデルに接待されると女性を口説いたりお酒をのんだり(しかも軽く酔っぱらっていた模様)する方に熱心で、あまり真剣に松田殺害について考える様子を見せなかった。
コイルからの報告書(1回目)に不満を述べるばかりで、採り入れるべき忠告をしてくれている点などには注目しなかった。
「毎週末に死というのは改善するべきだ」という三堂の提案に対して、「かなりの工夫をして殺しの対象を選んでいるのだから、疑いを持てる者などいないし、キラと結びつくはずもない」と、慎重さに欠ける発言をする。
「八人で会議して行動しているのだから、一人では何も出来ない馬鹿で腰抜け」とLに評される。
「ヨツバの宣伝に弥を使い、Lについて聞き出すことを奨める」というコイルの案に賛同。リスクについてはあまり考えていない模様。また、尾々井がこの案にいい顔をしなかった理由を見抜けなかった。
弥海砂がL(とキラにも?)接触したことを知り、彼女を妻に迎えることを決意。「弥も、次期ヨツバを牛耳る者であり、キラである私と一緒になる事を拒むはずがない」と、人間というものを理解していない発言をする。
弥海砂の面接に加わりながら、さしたる質問をせず、やる気のない態度を見せる。
弥海砂の面接で、完全にLの思惑に乗せられた。
ミサが「第二のキラ」を名乗り証拠を見せるとあっさり信用し、自分がキラだと告白した。そして、それを携帯に録音されたのにも気づかなかった。
第二のキラ・死神の眼を手に入れたと思いこんですっかり有頂天になり、社長に自分がキラだと教えて出世しようと考える。そして、社長になった暁には「殺人会議」の残りのメンバーも殺すつもりだった。その後「知恵」を得られなくなったヨツバが没落したり、自分が逮捕されたりする可能性については考えていないらしい。
さくらTVに松田(松井マネージャー)の姿が映し出されると、完全に冷静さを失い、松田の本名を知るべく奔走。三堂に連絡してさくらTVに圧力をかけさせようともしていたが、そんな時間的余裕はもうないことや、松田以外の者にキラの正体が漏れている可能性についても考えられなくなっていた。
松井マネージャーの本名を知るべく出かける際、デスノートだけではなく、拳銃も持って出かけた。どう考えても見つかった時に言い逃れできなくなるというのに…。
さくらTVによるキラ特番の放送開始後電話をかけてしまった、ヨシダプロの者、ミサ、及びそのマネージャーも念の為殺そうと考えていた。レムに指摘されるまで、通信記録から逆に怪しまれることも考えていなかったのだ。
さくらTV局内が無人であることに気づいても、罠だとは考えなかった。
出世や金に貪欲。「地位なんてくだらない」といつも口癖のように言っているが、逆にこだわっている証拠だと見抜かれている。
人を馬鹿にし、上手く使うこともできず、開発部部長から開発室室長に格下げされた。
奈南川・三堂・紙村には、火口がキラだと薄々勘づかれていた。
死神のレムからも、「卑劣で最低の人間だ」と完全に見放される。
自分の家のセキュリティには異常なほど気を遣っているのに、殺人会議の行われるヨツバの警備は「日本の一般的な会社の下」のままだった。
慎重さを見込んで紙村を会議に加えたにも拘わらず、実際にはその意見を軽視している。
デスノートを切り取って使うことを思いつかなかった。
デスノートを積極的に検証していこうとはしなかった。
【他】
会議で出た「贈賄でキラに裁かせる」という案を好んで使う。
レムに、本物のキラがちゃんと存在していることを確認している。
「キラは、知恵が欲しいから自分だけでなく他の7人を集めた」という奈南川の発言に対して、「そんな事は言われなくてもわかってるよ 偉そうに言うなよ」と発言。
「誰がキラなのか名乗ってもいいのではないか」という紙村に、「キラだって、いくらこの七人の前でも自分がキラだとバレたくないに決まってるだろ」と反対する。
「毎週末の死」の改善策として、「不規則にするならアミダかダーツで日にちを選ぶ」というのを考える。
追いつめられて死神の眼の取引をした事で、一転、万能感に浸る。
前のキラ(夜神月)は、情状酌量の余地のある者に対しては極力裁きを下さないなどの「裁きの基準」を持っていたが、火口は殺人を犯し報道された者を片っ端から裁いており、「人間らしい感情が感じられない」と、(キラである記憶を失った)月に評される。
車を6台所有している。
ウエディの侵入に要する時間からすると、Lビルよりも火口の地下室の方がガードが固い。
レムとの会話時及びモノローグの一人称は「私」、会議では「俺」。
ミサの面接を担当したのは、司会役で最年長者の尾々井、人事部人事課課長の紙村、経営戦略部部長兼ヨツバファイナンス取締役の三堂、そして新技術開発室室長の火口。明らかに、火口だけ浮いている。
論理 |
勘 |
発想 |
慎重 |
度胸 |
行動力 |
処理 |
6 |
3 |
3 |
5 |
2 |
5 |
5 |
そこそこの能力はあるが、いかんせん視野が狭く、発想が貧困にすぎる。また、神経質なほど地下室を改造したり、他の人の意見を採り入れるため会議を開いたりなど慎重な面が見られる反面、その他人の意見を軽視したり、「見つけられるはずがない」との油断から慎重さに欠ける発言をしたりする。やたら人を馬鹿にする言動を繰り返すのも、人前ではわざと「俺」という一人称を使うのも、自分に自信がないことの裏返し。これらのことは全て、
Lの「一人では何もできない馬鹿で腰抜け」という評価を裏付ける。そして、自分の優位を確信した時や、追いつめられた時の火口の醜態は見苦しいの一言だった。強大な力を一般人が手に入れたらどうなるか、といういい見本である。やはり人間、分に過ぎた力を持つものではない。
2005.6.25
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