レイ=ペンバー&南空ナオミ

page.7~page.22

 

 

<レイ=ペンバー>

【行動】

“警察関係者にキラがいるというLの推理を受けて、警察関係者を調べるために、12名のFBI捜査官が極秘に日本に潜入した。レイ=ペンバーもその一人である。彼は、秘かに警察関係者を尾行していたが、その最中にバスジャックに遭遇し、乗客の信用を得るために、やむを得ず尾行相手に自分のIDを見せる。無論、これまでの調査結果から、相手を疑う余地なしと判じてのことである。幸いバスジャック犯はすぐに事故死し、警察に極秘任務がばれることもなくその場はうまくおさまった。しかし、それから一週間後、ペンバーは新宿駅で背後から突然キラを名乗る男に声をかけられ、指示に従わなければ殺すと脅迫される。そこでキラの力を目の当たりにしたペンバーは、やむを得ずキラの指示通りに山手線に乗り、そこで手渡された封筒に、日本に潜入した同僚の名前を書く。その後ようやく解放されるが、ペンバーは、キラの声にどこか聞き覚えがあるような気がしてならない。もやもやした気持ちのまま列車を降りたペンバーに、突如激しい苦痛が襲いかかる。―心臓発作。今際の際、ようやく彼は、たった今まで自分を追いつめていた相手の正体を知る。そう、それは一週間前、自身が疑う余地なしと判じた少年―夜神月。ペンバーは、最期に誰も知らなかったキラの正体を知った。だが、それは誰にも伝えられることはない……。”

     (page.7:標的〜page.9:)

 

 

<ポイント>

【+】

【―】

【他】

 

 

情熱

論理

迅速

度胸

技術

効果

 さすがFBIだけあって、バスジャックにも動じず、尾行などもそれなりにできるようだが、キラ事件の捜査にあたっては、どうも危機感が足りないようにも見受けられる。結果、多くのミスを犯し、キラに利用されるだけ利用されて殺されてしまった。そのミスには、Lにも責任があると思われるものが多いが、諸々の不自然な点を敢えて見過ごし、キラ事件について独自に考えを巡らそうとしなかったペンバーの責任も大きい。相手が相手なので、用心していても死を免れるのは難しかったかもしれないが、バスジャックの一件がまるで捜査本部に伝わっていないのは問題である。やはり捜査官たるもの、いかなる時も油断は禁物―少々人を信じやすいところのあるペンバーは、潜入捜査などにはあまり向いていない性格だったのかもしれない。

 

 

<南空ナオミ>

【行動】

“殺された婚約者・レイ=ペンバーの仇を討つべく、キラ逮捕を決意。ペンバーの残した数少ない情報から独自に調査を進める中、「キラは心臓麻痺以外でも人を殺せる」「バスジャックにあったバスの乗客の中にキラがいる」との疑いが浮上。そのことをLに伝えるべく警視庁に向かうが、そこで他ならぬ夜神月に遭遇。最初は完全には彼を信用せず偽名を用いて接していたが、月の巧みな弁舌に弱気になっていた心を揺さぶられ、ついには彼を信用して自分の本名を明かしてしまう。これが命取りとなり、南空ナオミも婚約者の後を追うこととなった。”

      page.10:合流〜page.14:誘惑)

 

 

<ポイント>

【+】

【―】

【他】

 

<ミニ考察>

【南空ナオミは、キラは殺人に顔のほか名前が必要ということを知っていたのだろうか?】

 一般には、キラは殺人に必要なのは顔としか報道されておらず、レイ=ペンバーもこのことを知らなかった。ただ、名前のわからない、もしくは間違えて報道されていた大物犯罪者の全てが死を免れているという事実があり、捜査本部でもこのことに関してはしばしば言及されていた模様。優秀な南空ナオミが独自にキラ事件について考えていたならば、このことに気づいていたとしても不思議はない。また、レイ=ペンバーは彼女がキラ事件に関して発言することを好まなかったので、彼がナオミと情報を共有していなくても問題にはならない。

 逆に、南空ナオミが「キラは殺人に名前も必要」ということを知らないとしたらどうだろうか。この場合、問題となるのはなぜ彼女が偽名を使ったか、である。彼女は、ペンバーが極秘であるはずのFBIの身分を明かしたことを知っており、そのためにFBIの情報は彼から漏れたとしか思えないと語っている。それ故に潜入したFBI捜査官は殺されたのだと。

 ただ、それならば、尾行者の正体がFBIだとわかった時点で、FBIを調べて潜入したFBI捜査官の正体を割り出したと考えることもできるはず。キラがもしハッキングなどで捜査本部の情報を得ているのならば、同じ方法でFBIについて調べることも可能ではないか。

 「キラは殺人に名前が必要」ということを知らなければ、ナオミが偽名を使う意味は一見あまりないようにも思えるが、皆無というわけではない。彼女の身元がわかれば、彼女の家族などを調べて脅迫の材料に使ったり、実際に手を下したりできるようになるのだ。もっとも、それでもわざわざ偽名を名乗る動機にはやや弱いような気がするが……。そう考えると、やはり、南空ナオミは「キラは殺人に名前も必要」ということに気づいていた可能性が高い。

 

 

情熱

論理

迅速

度胸

技術

効果

10+

10+

 職業病とでもいうべきか、レイ=ペンバーからバスジャックの話を聞いた時点で、その不自然さに注目。常に物事を事件と結びつけて考える癖がついているようだ。特に、レイ=ペンバーの死後はその仇をとりたいという執念とあいまって、キラを捕まえたいという気持ちは誰よりも強い。さらに、捜査の際はLと同じ点、そしてLも気づかなかった点に目をつけた。その着眼点―勘は見事。そしてそこから、いくつかの仮説を生み出す。それは、客観的に見れば強引で裏付けのない推理なのだが、それが悉く的を射ている。そのため南空ナオミは自分でも知らぬ間にキラをギリギリのところまで追いつめていた。結局は失敗に終わってしまったが、ここまでキラを追いつめた人物は、そういないだろう。

 

 

2004.10.13

 

 

 

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