キラ【page.55~page.59

L抹殺〜

 

 

【行動】

 L抹殺

“火口には死なれたが、デスノートを押収した捜査本部。そこに記載されていた「13日ルール」により、月とミサの潔白が証明され、二人は解放される。その際、月はミサにデスノートの隠し場所を伝え、秘かに掘り返すよう指示。それにより、ミサは第二のキラであった頃の記憶を取り戻した。月はミサに「流河旱樹」の本名をデスノートに書き、葬るよう指示するが、ミサはその名を覚えておらず、リュークと再び死神の眼の取引をする。そして、それも月は予想済み。レムに寿命の減ったミサを見せて危機感を持たせ、ミサの死の原因となりそうなLを殺害させた。レムは、月の目論見以上の働きを見せて、Lとワタリを殺害し、人間の寿命を延ばしたことで自身も消滅した。こうして、月の最も理想とする形が出来上がり、彼はまた「新世界の神」に一歩近づく…。”

     (page.55:創造~page.59:)

 

【小道具】

[デスノート]
”ノートも「
HOW TO USE」を書くのに使われた物も、地球上には存在しない物質。”

[嘘ルール(*注)]
“13日ルール、及びノートの処分を阻止するルール。“

[リューク]
”デスノートの裏表紙に嘘のルールを書かせた。”

[レム]
”そのミサへの想いを利用して、
Lを殺させた。”

[ミサ]
”死神の眼を取引させる。”

[ミサへの手紙]
”「海砂 君が この手紙を読む時には
 全てを思い出しているはずだ

 東応大学に君が来た時に会った
 流河旱樹と名乗ったが君に見えた名前は違っていた
 僕の友人を覚えているか?
 彼の本名を このノートに書き 葬って欲しい
 しかし この手紙を見て すぐ葬ったのでは
 おそらく僕と海砂が自由になってすぐという事になってしまう
 葬る時は 僕が指示を出す

 そして この手紙は すぐに燃やし
 ノートも何時でも すぐ処分できるだけの数ページだけを
 隠し持ち ノート自体は またしばらく埋めておく様に
 それと 次に僕に会った時 ノートの切れ端を自然に
 触れさせてくれ
 これに従ってくれたら 僕は 弥海砂を
 一生 愛す

                 夜神 月」”

 

<ポイント>

 

<目的>

 本部にノートがあり、それを誰も使っていない状況でLを殺す

<月の計画>

<行動>
ミサにデスノートを掘らせ、第二のキラとしての記憶を蘇らせる。

<目的>
 ミサに、死神の眼の取引をさせる

<パターン1>
ミサが、流河旱樹の本名を記憶している
<計画>
 これなら竜崎がどこにいようと、いつでも殺せる。当分犯罪者裁きは止めておき、事件が風化したところで竜崎を殺す。そして、その死からもまた時間をおいて犯罪者を裁いていき、新世界の神となる。当初はこれが理想の形だったが、父達にもレムの姿を見られてしまった現状では、「竜崎が死に、レムも死ぬ」パターン2が最高の形。

<パターン2>
ミサが、流河旱樹の本名を記憶していない
<計画>
 レムのミサへの思いを利用して、ミサが危機にあることをレムに知らしめることで、レムにLを殺害させる。このパターンもキラ復活の早道になり、悪くないと思っている。
<ポイント>

<パターン3>

ミサが流河旱樹の本名を覚えておらず、レムもミサより自らの命を優先して行動を起こさない
<計画>
 
ミサに死神の眼を持たせ、竜崎を見せる。その後は、基本的にパターン1と同じ。
<ポイント>

 

 

if

【レムのノート、拾得できず】

 Lの死後、月は、その死に憤り感情的に死神を探すふうを装い、部屋を飛び出してレムの死んだ部屋へ向かった。そうして死神の憑いていないデスノートを入手したわけだが、この時、もし誰かがついてきて、ノートを入手できなかったらどうなっていただろうか。
 レムの消える所を冷静に見ていたか、もしくは親切心から月を追ってくる人がいたとしてもおかしくない。…いや、誰も追ってこなかった今回の方が幸運だったのだ。もし、他の捜査官と共に、デスノートを手にすることになっていたとしたら……?

 おそらくそのノートは、火口から押収したノートと共に、夜神局長によって、どこかに隠されることになるだろう。そうなると、月はキラとして活動できなくなる。
 まあ、当面はミサのノートを使えばいいわけだが、それでも所有権のあるノートが手元にないということに変わりなく、時間がたてば、所有権が自然消滅して記憶を喪失し、そしてそれを防ぐために、その後ずっとミサのノートを身体に密着させての生活を余儀なくされるかもしれない。
 ミサを殺してノートを奪えば問題ないが、やはり死神の眼は惜しい。それは最後の手段だ。
 となると、局長の隠したノートをなんとか探しだして(もしくはなんとか自分にもう一冊の隠匿を依頼させるかして)、再び手元に戻す、ということになるだろう。実際、「やった…これであっちのノートを使わなくとも」という月のセリフからも、その予定だったことが窺える。
 まあ、相手は自分の父親で、ある程度行動範囲も把握しているし、それでなくても
Lに比べれば楽な相手。少し遠回りになるものの、いずれノートは月の手に戻ってくるだろう。

 

発想

緻密

迅速

度胸

難易度

リスク

効果

10

10

10

 自分をあえて危機に追い込むことによって、Lを抹殺するという逆転の発想。あくまで自分の手で殺すことにこだわっていた月としては、本来の性格からやや離れたものであり、それだけ広い発想をしているのだとみることもできる。前提条件として、自分を危機に追い込まなければならないため、危険で度胸もいるが、それだけに、得たものは大きかった。様々なパターンを想定し、その対処を練っていたというところも高評価。
 「ミサを助けるには竜崎の本名をレムが自分のノートに書くしかない」という細い一本の糸にレムを追いつめた、その手腕は流石新世界の神にふさわしい策士と言えよう。
 かの策士アドリアン・ルビンスキー(:「銀河英雄伝説」)の言葉に、次のようなものがある。

「人間の心理と行動はチェスの駒よりはるかに複雑だ。それを自分の思い通りにするには、より単純化させればよい。相手をある状況に追い込み、行動の自由を奪い、選択肢を少なくするのだ」

「彼は、今細い糸の上に立っている。(略)切らなくともよい。より細くけずっていけばよいのだ。そうすれば彼の選択肢はどんどん減っていく。もう二、三年もすれば、彼はふたつの道のどちらかをとるしかなくなるだろう」
   (「銀河英雄伝説」三巻第三章【細い一本の糸】)

 …月は、まさにこの通りのことを実践してのけたのである。

 

 

【*注】
 嘘ルール

If the person using the Note fails to consecutively
write names of people to be killed within 13 day of
each other, then the user will die.

このノートに名前を書き込んだ人間は
最も新しく名前を書いた時から
13日以内に次の名前を書き込み
人を殺し続けなければ 自分が死ぬ。

 

If you make this Note unusable by tearing it up
or burning it,all the humans who have touched the
Note till then will die.

 このノートを刻む焼く等して使えなくすると それまでに
 ノートに触れた全ての人間が死ぬ。

 

 

 

2005.8.25

 

 

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