キラ【
page.16~page.18】〜監視カメラ対策〜
【行動】
監視カメラ対策
“ある日、帰宅した月は、あらかじめ扉に施しておいた仕掛けから、部屋に家族以外の何者かが侵入したことを知り、監視カメラ及び盗聴器が仕掛けられていると推測。逆にこの状況を奇貨として自分の無実を証明しようと考えた月は、いくつかの小道具を用いて「『どう見ても勉強している受験生』を装いながら、一見何の情報も得ていない状況で犯罪者を殺害する」ことに成功する”
(page.16:逆立~page.18:視線)
<小道具>
[ドアノブ、シャーペンの芯、紙きれ]
[グラビア誌]
[ミニ鉛筆]
[デスノート]
“財布、辞書などあちこちに仕込まれている”
[39800円の小型液晶テレビ]
“音声は消しておく”
[コンソメポテチ]
“デスノート、ミニ鉛筆、小型テレビ仕込み済み”
[リューク]
[リンゴ]
<ポイント>
<目的>
L自身に自分のアリバイを目撃させることで、自分の無実を証明する
<メリット>
<デメリット>
<
if>【ゴミ捜査】
監視カメラの存在に気づいた月は、
Lに気づかれることなく情報を得るため小型液晶テレビを利用、その後なんとも思い切りの良いことに、それをポテチの袋と一緒に捨てている。しかし、
Lが夜神宅から出るゴミまで調べていたらどうなっていただろうか。無論、小型テレビを燃えるゴミと一緒に捨てたからといって、どうなるものでもない(廃棄物処理法とかにひっかかる可能性はあるが)。
だが、新品同様のそれをー決して安くはないそれをなぜ使い捨てにする必要があるのか。
それに、この小型テレビの発見により、「月は犯罪者の情報を得ていなかった」というアリバイも崩れることになる。
L以外の者の目から見ても不審な行動であるのは確かであり、異様な勘で月に注目しているLがこれを目にしたら、月=キラの疑いが濃厚になることは間違いない。それは「5%」などではなくおそらく容疑者レベルにまでなるだろう。
月はなぜこのような危険を冒したのだろうか。外に出たときでも犯罪者の情報を得ることはできるため、この対策が絶対に必要だったわけではない。ゴミを調べられた時のリスクの方が大きいのである。もっとも、成功すれば疑いが完全に晴れ(と普通は思う)、さらにこれは
Lとの戦いであると捉えられるため、「幼稚で負けず嫌い」な性格の月はリスクよりも得られるものの方を重視したのだろうが……。幸い、
Lの方にも油断があり、ゴミを調べることはなかった。Lは一部屋に監視カメラを64個も設置するという、水も漏らさぬ監視体制を布いていたため、住人の行動は逐一チェックでき、わざわざゴミをチェックする必要を認めなかったのだろう。捜査本部の人員不足も関係していたかもしれない。だが、月が小型テレビ等を準備したのは監視カメラの数・位置を知る前なのである。
Lが月と同じく完璧主義だったことが幸いしたといえるだろう。
発想 |
緻密 |
迅速 |
度胸 |
難易度 |
リスク |
効果 |
9 |
8 |
9 |
8 |
10 |
6 |
3 |
部屋に何者かが侵入した、という一事をもって現状を把握、その日のうちに今回の作戦を考え、実行した。そのあまりの対応の素早さ故に、逆に疑いを呼んでしまっているが、その行動が並はずれて迅速だったことは確かである。
そして、この状況を逆に利用してアリバイを証明する、というプラス思考。さらに、そのために39800円を惜しげもなく灰にするという大胆な発想。
Lですら気づけなかったトリックを使用したことは称賛に値する。ゴミを調べられたらアウト、という欠点もあるが、よくできていると思う。また、隙のない監視下で平常通りに生活を営み、堂々と犯行を重ねるという度胸もすごい。さらに、監視に気づいていることを全く
Lに気取られないよう振る舞い、「開封のあとを残さないようポテチの袋を再び接着する」「右手でペースを乱すことなく方程式を解き続け、同時に左手で文字を書く」といった非常に難易度の高い技術を要することをこなしてもいる。常人にはまず無理だろう。マジシャン並の器用さ、演技力がいるのではないだろうか。しかし、これだけ難易度の高いことを
Lにも気づかれずにやってのけたにも関わらず、Lの異常な勘と執念の前に、今回の件は「なかったこと」にされてしまい(捜査本部の他の面々がなぜこれに納得しているのかは謎だが)、「疑いを晴らす」という月の目的は達成されないままに終わった。せっかく39800円もの大金を犠牲にしたのに、「勘」などというわけのわからないもののためにその効果が無視されたのでは、月(と小型テレビ)も浮かばれないだろう。
2004.10.2