Lpage.54~page.58

〜敗北〜

 

 

【行動】

 敗北

“ようやく第三のキラを逮捕したL達捜査本部。しかし、その傍らで月がキラとして復活したことに、誰も気づかなかった……死神以外は。結果、火口は殺され、捜査本部には死神レムと一冊のデスノートが残された。その存在は、「月がキラでミサが第二のキラ」というLの推理をより強化するものではあったが、それをデスノートに記された「13日ルール(注)」が阻む。それは二人の潔白を証明する内容で、Lは二人を解放せざるを得なかった。Lは死神レムに様々な質問をして、情報を聞き出そうとも試みるが、レムはミサの味方であるため、これといった成果は上がらない。そして、苦しむLを尻目に、その裏では、キラの仕掛けたL抹殺計画が、着々と進行しつつあった……。八方塞がりのLは、ついに「13日ルール」の検証を始めようとするが、その時にはキラの計画は、既に完了していた。キラを追いつめようとする、Lの行動―まさにそれが引き金となって、キラの計画が実行に移される。ミサを守ろうとするレムによって、まずワタリが、そしてL自身も、心臓麻痺で抹殺される。死に行くLが今際の際に見たものは、邪悪に微笑む月の顔―長らく探し求めていた「キラ」の顔だった。Lは自分が敗れたことを悟ったが、同時に自分の推理が間違っていなかったことを確信し、最期に「キラ」に出会えたことで、満足して息を引き取った……。”

     (page.54:中〜page.58:胸中)

 

【*注 13日ルール】
”「このノートに名前を書き込んだ人間は、最も新しく名前を書いた時から13日以内に次の名前を書き込み、人を殺し続けなければ自分が死ぬ」というもので、月が監禁前にリュークに書かせた嘘のルール。
 これにより、50日以上監禁され、今も監視下にある(=14日以上文字を書いていない)月や海砂がキラや第二のキラなら生きているはずがないということから、二人の潔白が証明された。”

 

 

Lがレムにした質問>

 

<ポイント>

 

 

発想

緻密

迅速

度胸

難易度

リスク

効果

 死神の姿に惑わされず、あくまで基本にこだわる姿勢は評価できるが、それ以外の点では今ひとつ。最大の失敗は、レムの言う事を全面的に信じたことである。キラが死神を手なずけた、という可能性などは考えなかったのだろうか。「13日ルールの検証」は、自分が本質的にキラと同等の存在であると対外的に知らしめてしまう危険性をはらんでいるが、それに気づいている様子もない。
 もし、それを承知でやるというのならば、もっと早く実施するべきだった。キラの犯罪者裁きが再開される前に。それが遅れたため、
Lの行動は、結果としてキラを利することにしかならなかった。自分の死への引き金を引くことにしかならなかったのだ。
 もっとも、
Lがすぐに検証を行っていたとしても、結果が出るまでには13日の猶予が必要であり、それまでにレムがキラの思惑に気づいてLを殺す、という可能性もあったから、素早く行動しても、結果は同じだったかもしれない。しかし、死の確率は減っていたはずだ。

 …Lは、自分が興味を持った事件にしか動かない人物だった。そして、Lは月以外のキラには興味を抱けなかった。月と違い、Lは、自分の興味のないものについて、あまり熱心に取り組むということができなかった。その結果、興味のない事柄については、推理力、行動力などが著しく低下した。
 自分の推理が間違っていたのではないか、月はキラではないのではないかという疑念は
Lのやる気を著しく損ねたが、その間も、キラは、活動を怠らなかった。

 ……おそらくは、それが、Lの敗因となったのだろう。

 

 

2005.8.28

 

 

 

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