Lpage.34~page.53

〜第三のキラ逮捕〜

 

 

【行動】

 夜神月を監禁

“ミサを第二のキラとして逮捕・監禁し、Lの中では夜神月がほぼキラとして確定した。しかし、折しも本人に事情聴取を求めようとした丁度その時、月の方からLのもとへ出頭してきて、自らの潔白を証明するため自分を監禁して監視してほしいとLに頼む。あまりにできすぎた展開に、Lは作為的なものを感じるが、他に有効な手もないため、言われた通り夜神月を監禁する。それと同時にキラの犯罪者裁きが止まったため、捜査陣の間でも、一時キラは夜神月ということがほぼ確定しかけたが、しばらくすると、再びキラによる犯罪者裁きが始まったため、事態は再び混迷へと向かう。そして、何の成果も得られないまま50日が経過し、捜査陣の間でも、このまま月達を監禁し続けることに反対の意見が出始めたため、Lは月の父・夜神総一郎に、月を殺そうとするよう芝居をさせる。もしも月かミサがキラならば、夜神総一郎は死んでいるはずであったが、彼は死ななかったため、夜神月の容疑はとりあえず晴れ、捜査陣に加わることになった。ただし、Lの中では月への疑いが完全に晴れたわけではないので、月と自分を24時間手錠につないでの捜査である。ちなみに、ミサは(オカルトビデオと主張しているものの)ビデオを送った自白と数点の証拠があるため、キラが捕まり全てが解明されるまでは監視下に置くという結論である。”

     (page.34:投身〜page.36:親子)

 

 

<ポイント>

 

<目的>

 夜神月の監視

<メリット>

<デメリット>

 

if

【誰かが発狂】

 50日にわたる監禁(しかも両手足まで拘束)は過酷なもので、心身に多大な負担を及ぼす。月とミサは精神構造が常人離れしていたこともあって、深刻な異常をきたすことはなかったが、もしこれでどちらかが発狂していたらどうなっていただろうか。

 まあ、ワタリはその道にかなり詳しいようだし、発狂する前に何らかの手を打つだろうが……。

 もしどちらかが発狂したら、Lへの非難は避けられないだろうし、Lがこだわっていた「殺害の方法」も不明のまま。二人がキラであるという確たる証拠を得ることもできず、キラ逮捕の手柄を誇ることもできない。

 だが、Lをはじめとする捜査本部への非難は大金で解決できるのだろうし、形はどうあれ、キラという存在をなくすことができたのは確かだ(第三のキラの問題は残るが、月なしでもいずれ捕まえられるだろう)。

 発狂したのが月であればもちろん、ミサであっても、月はレムに殺されることになり、結果としてキラ復活はなくなるだろう。

 このような形でキラを葬ることは、L側にも色々とマイナス面が多いが、後の展開を思えば、二人のうちどちらかが発狂していた方が、Lとしてはよかったかもしれない。もっとも、それだと読者はつまらないが……。

 

発想

緻密

迅速

度胸

難易度

リスク

効果

 基本的に、監禁というのは月の策に完全に乗せられる形であり、Lはこれといった対案を示していない。夜神局長を使って一芝居打つというのも、特に新鮮な発想ではなく、今ひとつである。

 リスクも、「夜神局長が殺されるかもしれない」というもの以外は殆どなく、L自身への危険度はほぼゼロ。そのためか、Lの動きはミサ逮捕の時に比べ随分と鈍く、完全に月の後手に回っている。本来なら、ミサを逮捕してすぐに月も事情聴取に呼ぶべきであるのに、あろうことか何日も彼を放置しておき、結果月に証拠隠滅と策を練る猶予を与えてしまっているのだ。これは失点である。

 まあ、監視には手を抜いていないようだが、キラの活動再開後もL自身は月がキラだという説を捨てきれず、監視そのものの意義があやふやになってしまっている。

 

 

【行動】

 第三のキラ逮捕

“月≠キラという結論にやる気をなくすLを尻目に、地道に捜査を続ける月。そして遂に、現在急成長を遂げているヨツバグループがキラと何らかの関わりがあることをかぎつけた。ヨツバが警察にキラ捜査をやめるよう圧力をかけたことから、捜査本部は完全に孤立するものの、「ヨツバにキラあり」の確信は深まる。そんな折、松田は功を焦って一人ヨツバに忍び込み、毎週末キラを含む幹部8人による「殺人会議」が行われていることを知る。そこでミサが潜入捜査を敢行し、幹部の一人・火口がキラであることを突き止めた。そしてLは、遂に「第三のキラ」火口を逮捕するのだが、その直後、火口もまた記憶を取り戻した月に殺されるのだった…。”

      page.37:八人〜page.53:悲鳴)

 

 

【小道具】

Lのコンピュータ]
“全世界の警察や情報機関、役所に直接アクセスできるシステム。”

[監視カメラ・盗聴器・発信器]
Lビル、ヨツバ会議室、火口の六台の車に付けられた。”

[手錠]
Lが月を監視し24時間行動を共にするため、Lの右手と月の左手をつないでいる。”

Lビル]
”地上23階地下2階。屋上には外部から見えないように2台のヘリが格納されている。5階から20階までは、ワンフロア4室ずつプライベートルームになっており、捜査員約60名までを収容可能。何重ものセキュリティ(指紋・網膜照合他)が施されており、中の設備も並のものではない(例:建物の中は全て、死角が無い様に監視カメラが設置されている。)”

[救急車]

[名刺・ミサの写真]
”松田に渡したミサのマネージャー「松井太郎」としての名刺。”

[覗き屋]

”ウエディと共に、監視カメラ・盗聴器の設置を行う。ワタリの管轄下にあるらしい。”

[履歴書]
”「松井太郎」の偽の履歴書。名前の欄には「山下太一郎」と書かれており、写真は貼られていない。右上に、「◎マネージャー 松井太郎」と走り書きしてある。”

[フルフェイスのヘルメット]
”キラ(火口)と対峙する際、顔を見られないようにするためのもの。”

 

<キラに関するLの推理>

根拠

 

<第三のキラに関する推理>

 

<ポイント>

【夜神月】

L

 

<捜査方針(1)>

【第三のキラ】

【捜査方法】

【注意点】

 

<捜査方針(2)>
 
目の前の犯罪者何人かの死を阻止する事は、意味のないことではない。だが、全ての真相を解明しなければ、またキラは現れ、結果的には犠牲者は増える。故に、7人逮捕よりキラを断定すべきである。そのために、ミサを使ってヨツバに探りを入れる。

【第三のキラ】

【捜査方法】

 

<捜査方針(3)>
キラがどのような殺し方を行っているかを知る必要がある。

【第三のキラ】

【捜査方法】

 

 

if

【松田の先走りがなかったら】

 松田の先走り(ドジ)が奇貨となり、キラと繋がりの濃い「殺人会議」の存在が明らかになったわけだが、もし、この先走りがなかったら、捜査はどのように進展していただろうか。

 当初の予定では、アイバーが樹多に近づくことになっていた。加えて、ウエディがヨツバ本社のセキュリティを破ることになってもいたから、しばらくすれば、樹多の社内・社外での行動は筒抜けになっただろう。そうすれば、樹多が毎週末ある会議に参加していることがわかり、そこに盗聴器&監視カメラを仕掛けるのは時間の問題。殺人会議の存在を知るだろう。

 その後は、ウエディに各家にも盗聴器&監視カメラを設置してもらう。捜査本部の少人数ではそれら全てを監視するのは難しいだろうが、殺人会議の様子をしばらく見ていけば、火口が一番怪しいと気付くはずだ。奈南川や三堂、紙村でさえも、薄々勘づいていたのだから。とりあえず、火口の行動を集中的に監視することになるだろうし、そうなれば、火口がキラだということ、そしてデスノートの存在に気付くのも早い。

 火口の留守にデスノートを押さえ、しかる後に火口の確保―となるだろう。もっとも、デスノートを押さえたら、火口を確保する前に、復活した真のキラにより、火口は殺されるだろうけれど。おそらくこれが、月の描いていた理想の形ではなかっただろうか。

 松田の先走りがなければ、あのような大追跡劇は行われず、従って、第二部でデスノートの存在が知られていることもなかっただろう…。

【奈南川=キラ】

 「キラではなさそうな者」として奈南川に電話を入れた月だが、これでもし奈南川がキラだったらどうなっていただろうか。

 奈南川の方も、とりあえずその場では「取引」に応じるだろう。問題は、その後。こうなっては、隠し通すか逆にいち早くLを抹殺するか。できれば抹殺したいだろうが、監視されている状況下でL抹殺の相談をしても意味はなく、かといって、一人で実行するのも無理。つまり、保身が最優先、ということになる。もしもここで、彼が保身を優先してデスノートを燃やしてしまえば、逮捕は難しいだろう。だが、電話してしばらく後に裁きが止まったとなれば(”23日ルール”の壁がある)、疑いは濃厚になる。起訴までは持ち込まれなくても、社会的にダメージを受ける可能性は避けられない。しかし、ノートに名前を書いている所を見られるのをもっとまずい。どのみち疑いが避けられないのなら、デスノートを燃やすのがベストだろう。L側にとっても、これが一番いいはずだ。殺し方はわからないままだし、「キラ逮捕」は難しいだろうが、少なくとも「キラ」という存在はいなくなるのである。

 だが、(これはまだL側の知らないことだが)「偽ルール」の存在があるため、「ノートを燃やす」「どこかに埋めて、名前を書き込まない」といった方法を採ることはできない。仮にできたとしても(レムがちゃんと説明していた場合)、頭脳・性格によっては、ここで保身に向かわず攻撃に出る可能性は常にある。人間は、追いつめられると何をするかわからない。火口がそうだったように。第二のキラがやったように、政府高官や警察庁長官を人質にとったり、何の罪もないヨツバの平社員を次々と血祭りに上げるといった暴挙に出る可能性もある。実際、もし最初に火口に「取引」を持ちかけていたら……そんな事態になってもおかしくはない。月・Lが人選を誤らずに幸いであった。

【ミサ、捜査協力拒否】

 もしもミサがLの口車に乗らずに協力を拒否したらどうなっていただろうか。月も基本的にはLに反対の立場であったから、下手をすればL一人で動かなければならない羽目になっていた。監視と盗聴で地道に探っていくしかないのだろうが、会議の回数も減った上、1ヶ月という制限時間がある。それを過ぎれば夜神局長が実力行使に出てしまうため、急がなければならない。…間に合うかどうかは、微妙な所である。

【ミサの先走りがなかったら】

 もしもミサの先走りがなかったら、あんなに早く、火口がキラだと断定することはできなかっただろう。だが、それならそれで、会議に参加していた者の行動を丁寧に追っていけばいいだけのこと。結局は、上の「松田の先走りがなかった場合」と同じ結果になるだろう。

 

発想

緻密

迅速

度胸

難易度

リスク

効果

 松田やミサの先走りで、予想外に展開が動くが、その都度素早く計画を立て直し、逆に状況をうまく利用してきた。

 とはいえ、今回Lは、あまり自分では動いていない。ヨツバに目を付けたのは月だし、エラルド=コイルとしてヨツバに接触するというのもアイバーの案。

 やはり、第三のキラに関しては、さほど興味を抱けないということが、その成果にありありとあらわれている。一応指揮者の義務は果たしているものの、めざましいほどではない。それを補うかのように手足となって活躍したのは専らミサ・アイバー・ウエディ。彼らなしに、この短期間での火口逮捕は有り得なかった。

 

 

 

2005.4.23

 

 

 

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