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〜第二のキラ争奪戦〜

 

 

 

【行動】

 第二のキラ争奪戦

“さくらTVへ送られてきたテープの主を、「第二のキラ」と断定したLは、「本物のキラ」のメッセージを偽造し「第二のキラ」に呼びかけることで、差し迫った危機を回避した。そして、何度かのメッセージのやりとりの後、「キラに会いたい」という第二のキラから、そのための暗号を隠した日記を放送するよう要請される。第二のキラを捕まえる好機と考えたLは、指示通りに日記を放送し、そこに書かれた日付の場所は全てチェックするが、特に怪しい者は見当たらなかった。しかし、その後第二のキラから「キラを見つけた」旨のメッセージが届く。焦った捜査本部は、第二のキラに呼びかけるメッセージを放送するが、第二のキラは、キラの側につくのだった。”

      page.26:転倒〜page.29:武器)

 

 

〈事件の経過〉

【2004年4月13日】
  下記の封筒が投函された日。消印は大阪。

【4月14日】
  さくら
TVの出目川ディレクターのもとに、キラを名乗る者のメッセージが入ったビデオテープ4本と用紙二枚が届く。

【4月17日】
  上記のビデオで町場青一・青次両容疑者の死亡日時予告された日で、両容疑者は、予告通り19時死亡。

【4月18日】
  さくら
TVから、17:59よりキラのメッセージが入ったテープが放送される。そこでキラは、警察に自分への協力を迫り、4日後にその返答を再びさくらTVで流すよう要求した。また、この放送中に、コメンテイター二人と、宇生田刑事含む警官三名の命が「キラ」によって殺された。

【4月22日】
  警察は当然キラへの協力を拒否。さくら
TVより、「返事がNOの場合」のテープCが放送される。そこで「第二のキラ」は協力を拒んだ代償に、警察庁長官かLを犠牲に差し出すことを要求。Lを差し出す場合、4月26日のさくらTV午後6時のニュースにLが出演し、十分間のスピーチをすることを要請。

【4月23日】
  放送の翌日、
Lは、「テープの送り主は第二のキラである」という推理を捜査本部の面々に語る。
 そして同日(もしくは翌日の24日)、
Lは夜神月を捜査本部に加える。さらに、その日の午後7時台から、捜査本部の作成した「キラ」のビデオが各テレビ局から放送される。

【4月25日(or26日)】
 捜査本部の作成した「キラ」ビデオ放送から二日後、さくら
TVに「第二のキラ」からの返事が届く。キラに会いたいというから会う方法を考えてほしいという内容。同日、さくらTVの6時のニュースでこのテープが放映される。
 また、この時点で既に、ビデオの製造ナンバーから作られた時期と売られた時期が絞られている。

【5月5日〜5月20日】
 第二のキラからさくら
TV宛にビデオと日記が届く。日記には、キラに会うための暗号が隠されており、それの放送を要求している。日記は、それが捜査本部のもとに届いた翌日に放送される。

【5月22日】
 上記の日記の中に、「友人と青山で待ち合わせ。ノートを見せ合う」という真の暗号が記されていた日。第二のキラは、この日青山でキラ(月)を発見する。

【5月23日】

 第二のキラが、キラを無事発見した旨のメッセージを長野から送る。

【5月24日】

 第二のキラから送られてきた日記の中に、「友人と渋谷で待ち合わせ。今年の夏用の服を数点買う。」という場所を示す記述があったため、Lが一応マークしていた。夜神月も、青山の時と同様本部の一員として現場に赴いている。

【5月25日】
 さくら
TVに、第二のキラから、キラを無事発見した旨のメッセージが届く。L達がそれを見たのは午後7時25分。
 同日午後8時55分、各局のスポットで警察から第二のキラへの呼びかけの第一報が放送される。
 その直後、第二のキラは夜神家を訪れ、キラー夜神月と接触。

 

【小道具】

[偽造「真のキラ」テープ]
“夜神局長が、各テレビ局に7時台から1時間おきに10分ずつ放映する枠を取り、一般には「午前11時頃、警視庁に本物を名乗るキラからのビデオが届き、刑務所内の犯罪者8人を午後二時から十分おきに心臓麻痺で殺害。各テレビ局に真のキラからのメッセージを放映させることを要求」したとして放送された。この呼びかけの原稿は夜神月が作成。また、映像を松田、音声を相沢がそれぞれ担当した。「本物のキラっぽいクオリティの高い映像」という要請を受けて、「
KIRA」のようなオシャレっぽい(?)書体で、キラキラ光っている。”

「キラです。
 私が真のキラであり
 先日さくら
TVで放映されたビデオの主は キラではありません。
 現時点では 私を名乗った者に対し
 私に協力し 私の代弁をしようとしたと寛大に受けとめています。
 しかし 罪のない警察官等の命を奪ったり 盾に取る様な行為は
 私の意思とは反する。
 世の中の混乱を 招くだけであり
 人々の私への理解を 削ぐ行為です。
 もし 私を名乗った者が 私に共感し
 私に協力する気持ちが あるならば 勝手な行動は慎み
 まず 私の意思を理解する事です。
 この忠告を聞かず暴走するならば そちらから裁きます。」

[警察から第二のキラへのメッセージ]
”キラの情報を教えれば、いかにも罪が軽くなる…世界の英雄となり、追わないと聞こえるような呼びかけ。映像は、警察庁のマークのみ。”

「もし まだ あなたが誰なのか キラにわかってないのなら
 間に合います。
 興味本位でキラに近づいては 絶対にいけない。
 キラに接触すれば あなたは必ず殺されます。
 利用されるだけです。
 キラは大量殺人犯です。
 絶対 手を貸そうとしてはいけません。
 今 あなたにできる事は 人の命の尊さをよく考え
 キラの情報を我々に 教える事で罪を償い
 キラの恐怖から世界の人々を救うー(略)」

[模木]
“さくら
TVに送られてくる郵便物全てを一度チェックさせていた。”

[ノートパソコン]
“夜神月にその存在を悟られないよう、模木やワタリからの連絡も「
L」の文字で表示されるようになっている。”

 

<ポイント>

【キラ】

L

 

<目的>

 「第二のキラ」を利用する。

<メリット>

【キラ】

L

<デメリット>

【キラ】

L

・死神の目を持つ「第二のキラ」に殺される可能性がある。

 

if

【偽造「キラ」テープ効果無】

 Lは、さくらTVに送られてきたテープの主を、「第二のキラ」と推理し「本物のキラ」のテープを偽造し放送したわけだが、それに対して第二のキラからの返答がこなかった、もしくは、それでもLのテレビ出演を強行する旨の返事が来たらどうするつもりだったのだろうか。

 この場合、そのまま放置しておけば、恐らく予告通りに警察庁長官の命が失われるだろう。Lは、捜査本部に語ったこととは裏腹に、自分が偽キラの犠牲になるつもりは全くない。しかし、みすみす警察庁長官の命が殺されるのを看過したとなれば、警察との間に亀裂が入り、貴重な手駒を失うことになりかねない。Lとしても、それは避けたいはずである。では、そのために、どんな策を取るのか。

 警察幹部は、偽者ではなく本物をテレビに出演させろ、という要請を出してきているので、以前のように死刑囚を代理に使うことはできない。一か八か、警察庁長官に改名&整形手術してもらう、というのが唯一の策のような気がする。だが、そうなればなったで他の警察幹部が死亡するだろうし、結局、Lと警察の間に亀裂が入るのは避けられない

 もっとも、Lの目当ては「第一のキラ」ただ一人。そして、その正体を夜神月だと、乏しい根拠ながら確信している。その月さえ自分の近くに留めておくことができればーつまり、月さえLの捜査本部に残ってくれれば、Lとしてはいいわけである。そして、月の方も、Lの近くにいた方が都合が良い。だから、意外に……L個人から見れば、あまり被害はないのかもしれない。

【警官動員協力拒否】

 Lは、日記に書かれていた青山・渋谷に私服警官を配備し、そして東京ドームでは検問を行うことを決めた。だが、ここでもし警察が協力を拒否したら、どうするつもりだったのだろうか。

 Lの捜査本部は少人数なので、現状では監視カメラを使う以外に方法はないだろう。東京ドームで検問が行われないことに対して、世間からは不審に思われるかもしれないが、その対応は北上次長が担うことになるので、L側には特に負担にならない。結局、今回は、警察が協力しようとしまいと、あまり関係なかったと言えるだろう。

 

 

発想

緻密

迅速

度胸

難易度

リスク

効果

 「本物のキラのメッセージ」を偽造する際、恐らく「本物のキラ」であろう月に「キラ」を演じさせるなど、なかなか粋なことをしている。また、写真の処分、捜査本部の人数の秘匿など、秘密を保つことに関してはよく行き届いており、捜査の中さり気なく月の動向を探ることも忘れてはいない。

 だが、肝心の第二のキラの捜査となると、ありふれた対応に終始し、クラブ「NOTE BLUE」の存在に気づいた様子もない。目当ての「本物のキラ」に対する時と、明らかな能力の差違を感じる。きっと、あまり興味のないことに関しては、どんな座り方をしていても、推理力が50%以上ダウンしたりするのだろう。

 そのやる気のなさは、月に同行して青山・渋谷に行かなかったことにも表れている。これまでの言動から、月に同行する松田の能力があまり高いものではないことはわかっているだろうに、自ら赴こうとはしなかった。顔だけで人を殺せる第二のキラに、顔を見られる危険を冒したくなかったというのもあるだろうが、やはり全般にわたって、第二のキラ捜査への情熱の薄さを感じる。もともとその傾向があるものの、今回は特に、自分からはまるで動いていないのだ。

 Lにとって、第二のキラ捜査は、あくまでその先のキラ(真)逮捕につながる手がかりとして行っているにすぎないと考えているふしがある。

 

 

2005.1.1

 

 

 

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