L
【page.23~page.25】〜第二のキラ推理〜
【行動】
第二のキラ推理
“4月18日午後5時59分、さくら
TVから「キラからのメッセージ」が放送された。その中で、予告通り生出演中のニュースキャスターが殺されるのを見たLは、放送がこのまま継続されることに危機感を抱く。すぐに捜査本部の面々がさくらTVに放送中止の指示を出すよう試みるが、連絡が取れない。それに業を煮やした宇生田が直接さくらTVに赴くが、TV局の入口に辿り着いた途端、心臓麻痺で死亡。その後も、駆けつけた警官二名が入口で心臓麻痺で死亡。一方その頃、夜神局長がビデオテープを回収すべく、顔を見られないよう護送車でTV局に突入していた。Lは北上次長に連絡を取り、これ以上の犠牲を出さない為に統制を取ることを要請、同時に夜神局長救出の作戦も指示。無事生還した夜神局長からビデオテープ他証拠物件を受け取った。そして、そこからテープの送り主がキラではなく、キラの偽者―第二のキラというべき存在であることを推理するのだった。”(page.23:激走〜page.25:馬鹿)
【押収品】
[封筒]
[メッセージの印刷された用紙二枚]
[デジタルビデオ@〜C]
“@は、テレビでは放映されず、テレビ局員に自分がキラだと信じさせる為に、テレビ局員だけが観る様作られたビデオ。町葉青一・青次両容疑者の死亡日時予告(4月17日19時)が入っている。”
[送られてきたテープのコピーテープ]
<ポイント>
<
if>【第二のキラ、テレビ局内に存在】
今回、「第二のキラ」は局外からテレビ局入口の様子を監視していたが、もし第二のキラがテレビ局内にいたら、どうなっていただろうか。
まず、夜神局長は亡くなっていた可能性が高い。そして、そのことから
Lは「キラ」が局内にいることに気づく。そして、「キラ」を捕えるべく動くだろう。実際にやったように、顔を隠した捜査官を送り込み、不審者がいれば逮捕、いなければ局内の者を全て重要参考人として把握―詳細に各人について調べ上げ、ある程度絞られたところで、また監視カメラを仕掛けるのではないだろうか。「第二のキラ」であるミサも一応モデルなので、局内にいても不思議ではないが、アリバイがなく(その時間自由に動くことができ)、さらにキラに好感を持っていることもわかれば、当時テレビ局の中にいた者の中でも容疑は濃くなるだろう。監視カメラを仕掛ければ、本物のキラより大雑把なミサのこと、月と違ってすぐにボロを出すに違いない。レムがカメラに気づいてミサに注意を促す可能性もあるが、それ以前に、監視カメラを仕掛ける時の家宅捜索で証拠となるものが発見されるだろう。簡単な家宅捜索でも、テープ作成に使ったビデオ機器やデスノートなどが出てくるだろうことは想像に難くない。
テープ放映時、ミサが局内にいなかったのは、
Lには不運、ミサには幸運な出来事であった。【北上次長、協力拒否】
今回、第二のキラ逮捕には至らなかったものの、北上次長の協力を得て、夜神局長の救出と、周辺道路を検問封鎖しての捜査が可能になった。しかし、ここでもし、北上局長が協力を拒否していたらどうなっていただろうか。
こうなれば、
Lの予測したように、正義感の強い警官達に(どのぐらいかはわからないが)次々と犠牲者が生じ、警察は世論の非難を浴び北上次長や警察庁長官の責任追及は免れないところだが…そして、それによってL側の捜査態勢も変わってくる可能性もあるが、それは全て後に発生すること。当面、目の前の事態にL達だけでどう対処するかが課題となる。まず、相田や松田の携帯からできるだけ多くの同僚に電話をかけさせ、「キラに対するには顔を隠さなければならない」ことを伝える。同時にワタリを警察庁へ向かわせ、パソコンの「
L」から同じことを呼びかける。顔を隠すだけならそう難しくはないはずなので、さくらTVに向かうつもりの者達も、この指示には従う可能性が高い。おそらくこの指示は全員に十分には伝わらないだろうから、ある程度犠牲者が出るのは避けられないだろうが、それでもこれで犠牲者を減らすことはできるはずである。夜神局長の救出も、同様の指示をすれば問題ない。特に、誰かー松田あたりを車で入口ギリギリまで迎えに行かせることができれば申し分ない。
発想 |
緻密 |
迅速 |
度胸 |
難易度 |
リスク |
効果 |
7 |
6 |
5 |
5 |
5 |
5 |
7 |
「やり方が気に入らない、キラらしくない」とある意味一方的な思い込みともとれる理由ながらも、テープ送付者を「第二のキラ」と推理してのけたのは見事。キラの殺人の方法が「超能力のようなもの」としか思えないということもあり、普通、「キラ」は一人というふうに考えてしまいがちだ。事実、
Lはこれまでキラを(その行動とあわせて考えてもいるだろうが)単独犯と推理していた。「キラの力を持った者は一人ではないかもしれない」「キラの偽者」「第二のキラ」といった考えは、出そうでなかなか出てこないものである。しかし、実際にテープ放映中の対処は後手後手にまわった。すぐに行動を起こした夜神局長とは対照的である。北上局長に協力を要請したりもしているが、下した指示は、「キラに姿を見せずに現場に向かう」ということが中心ーつまり、夜神局長が既に誰に言われるでもなく実践していることで、別に
Lでなくともできる事。事件後の推理には目を見張るものがあるが、事件中にはあまりたいしたことはできなかった、という印象だ。あと、実際にテレビ出演してキラ(偽)に殺される気など全くないにも関わらず、捜査本部の面々に平然と「私を差し出すべきです」と心にもないことを言ってのけるあたり、いい度胸といえるかもしれない。
2004.12.22