L
【page.2】〜キラへの宣戦布告〜
【行動】
テレビを通じてキラを挑発する放送を流す
“キラの事が世間に周知されつつあった頃、
ICPOではこの奇妙な連続殺人事件に頭を悩ませていた。そこに、今回の事件に興味をもた通称「L」から協力要請が。Lは、素性は一切不明だが、世界の迷宮入り事件を解いてきたこの世界の切り札とも言うべき存在。彼は早速「キラ」の潜伏地域を日本と断定。全世界同時中継と銘打ちながら、実際には一部地域にのみキラを挑発する内容の放送を流す。時間差でその放送を各地域に流す予定だったが、最初に放送した日本関東地区で、キラは挑発に反応。Lの替え玉として出演していたリンド・L・テイラーを殺害する。”(page.2:L)
<小道具>
[テレビ]
[リンド・
L・テイラー]“テレビやネットでは報道されてない警察が極秘に捕まえた犯罪者で、放送時間に死刑になる予定だった男。“
<キラへのメッセージ(替え玉:リンド・
L・テイラー)>「番組の途中ですが
私は全世界の警察を動かせる唯一の人間 リンド・
L・テイラー キラ おまえがどのような考えでこのような事をしているのか
大体 想像はつく。
しかし おまえのしている事は…
悪だ!!
すでに全世界の警察が捜査を始めている」
*ここで替え玉のリンド・
L・テイラーが殺害されたため、演説は中断された。<ポイント>
<目的>
キラは日本にいるという自分の仮説を裏付け、さらにキラの潜伏場所をより絞り込むため
<メリット>
<デメリット>
<
if>【空回り】
今回キラは、挑発に乗ってリンド・
L・テイラーを殺したわけだが…もしキラが挑発になど乗らず、ここで何もしなかったらどうなっていただろうか。そもそも、キラがこの放送を見ていたと言えるのか。もっとも、放送時にキラがテレビの前にいなくても、この件がいずれキラの耳に入る可能性は高かったと思われる。なにしろこれだけの事件、その後もテレビのニュースなどで取り上げられたり、雑誌で「
Lとは何者か」という特集が組まれてたりした可能性は高い。警察も、積極的にそれを奨励しただろう。キラがテレビやインターネットから情報を得ていたことは既に予測していたようなので、これで「L」がキラを挑発したことは、かなりの確率でキラの耳に入ったはずだ。しかし、この一件がキラの耳に入ったとしても、彼が挑発に乗ってくるとは限らなかった。
Lは、この方法でキラが現在日本に潜伏していることを証明すると警察関係者に伝えていたが、それはキラが挑発に乗って初めて可能なことだ。これでキラが何も行動を起こさなかったら、さらに世間を騒がせただけに終わってしまい、またキラが現在日本にいるとも証明できず、警察関係者への面目も立たない。なぜキラが日本にいると推理したのかを改めて語って聞かせれば、警察関係者の信頼を失うようなことはないとは思うが。しかし、世間を騒がせてマスコミを騒がせたわりに、得られた情報は「キラは冷静で挑発に乗るような性格ではない」ということだけになる。少々割に合わないが、なにしろ情報が少なすぎるので、出来ることはなんでも試してみよう、ということだったのだろう。
【補足】
しかし、
L(や警察関係者)としては、是非ともキラに行動を起こしてほしかったはず。何か声明文が送られてくるのでもいいし、リンド・L・テイラーが殺害されるのでもいい。とにかくとっかかる手口がほしかったはずだ。この後、
Lが捜査員の推理力を見るために「キラだと思われる者と対峙した時、それを調べるにはどうするか」との質問をした際、「誰でも知っている犯罪者をその人の前に出して、殺すかどうかどこかで見ている」との意見が出て、Lに「話にならない」と一蹴されていたが、今回に限っては、それに似た手法を用いている。そう。
Lは、キラがリンド・L・テイラーを殺すことを期待していたはず。彼の周囲に24時間監視体制を敷き、キラが彼を殺しに来るのを待ち構える予定だったものと思われる。なにしろ、キラがどのような方法を用いて犯罪者を次々殺しているのか全く見当もつかなかったのだから、これで少なくともそれがわかるーそして、うまくすれば、犯人を捕えることもできるかもしれない。実際は、そこまで準備するまでもなく、彼は瞬時に殺されたわけだがー
Lのすごい所は、キラが挑発に即座に反応してリンド・L・テイラーを殺害する―その能力があるという推測もたてていたことである。普通は、殺害を決意してから実行にうつすまでにはそれなりの時間がかかるはずだ。キラ事件は確かに常識はずれの事件ではあるが、それでもこれを「殺人事件」とする以上、キラが即座に殺害を実行することをも予想の範疇に入れて、「時間差で各地域に放送を流す」ということをしていたのは、異常なまでの徹底ぶりといえるだろう。結果、
L自身が「正直ここまでうまくいくとは思っていなかった」というほどこの試みは功を奏した。これにおいて謎の人物Lは、鮮烈なデビューを飾ることとなった。。
発想 |
緻密 |
迅速 |
度胸 |
難易度 |
リスク |
効果 |
7 |
7 |
5 |
5 |
6 |
3 |
9 |
「最初の事件に注目する」という基本に従い、見事キラの潜伏場所を突き止めた。自分の替え玉を殺させることでそれを証明しようという発想は、警察側の人間としては珍しい。
また、自分は全く表に出ず、しかも替え玉を用いているので、リスクは低い。キラの情報不足のため不確定要素が多いとはいえ、細かい所まで計画しているようだったし、色々と下準備も必要だっただろう。あとはひたすら喋るだけで一見簡単そうに見えるものの、同時通訳をしているように見せかける必要もあるため、難しいーとまでは言わないが、そう簡単でもない。
ICPOがこの事件に乗り出す前から、キラ事件を殺人事件と捉え、色々と調べていたようだ。しかし、警察の手を借りる必要を認識しながら、実際に彼らと接触をとり協力要請したのは、ICPOがこの事件を問題に取り上げてからーつまり、警察の方から動き出すまでは、Lも積極的には動いていなかったと言える。キラと違って、あまり自分から積極的に動き回るタイプではないらしい。そのためか、キラに対してどうも後手後手にまわっているふうに見える。
今回用いた手自体は割合よく練られていると思うが、キラに比べると少しばかり行動にうつすのが遅かったようにも思われる。
【行動】
キラへの宣戦布告
“替え玉のリンド・
L・テイラーが殺されると、通訳として喋っていたLは、演技をやめL本人としてキラに語りかける。自分の推理やこの計画の目的を話し、キラに敗北感を与えて自分を殺してみろと挑発する。その正体はなお不明のまま、テレビ画面に大きく映し出された「L」の文字だけが人々の記憶に強く焼き付けられた。”(
page.2:L)
【小道具】
[字幕]
“・「だがLという私は実在する」
・「L」“
<目的>
キラへの宣戦布告
<メリット>
<デメリット>
発想 |
緻密 |
迅速 |
度胸 |
難易度 |
リスク |
効果 |
5 |
3 |
10 |
10 |
4 |
10 |
10 |
とにかく危険な賭である。直接手を下さずに相手を殺せるという未知の能力を持つ相手に対し、「自分を殺してみろ」と挑発してみせたのだから。そんなリスクの高い行為を平然とやってのけた
Lは、かなりの度胸の持ち主である。色々とメリットもあるとはいえ、ここまで危険な行為にLを駆り立てることになったのは、「幼稚で負けず嫌い」な性格ゆえだろうか。
2004.7.24
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