本当は強いニセ勇者たち
ダイの大冒険において、最初に敵として登場したのがニセ勇者達だった。当時のダイではとても太刀打ちできず、ダイは仲間のモンスター達の力を借りてゴメちゃんを救った。
今でこそ「臆病者」のイメージの強いニセ勇者達だが、最初は強かったのだ。彼らの使った呪文を見ても、それがわかる。
でろりんはメラ(習得LV.2)とイオラ(習得Lv.31)を使っていたし、ずるぼんはバギ(習得Lv.12)を使用。キャラクタープロフィールによると、効果は薄いもののホイミ(習得Lv.1)も一応使えるとか。まぞっほも、最終局面で黒のコアを凍らせて(習得Lv−ヒャドLv.5、ヒャダルコLv.20、ヒャダインLv.26,マヒャドLv.32。恐らくヒャダルコかヒャダインを使用したものと思われる)いる。
これらの呪文から覗える彼らのレベルはなかなかのものだが、ここでニセ勇者が倒したモンスター達を見ても、それなりに強い相手ばかりで、彼らが口だけの詐欺師ではないことがわかる。
ここで、ニセ勇者達の強さを量るために、第一巻に登場したモンスターと、そのレベルを下の表にしてみた。色がわからないので同種の色違いとは区別できなかったが、とりあえず、同系色のモンスターの中で最も弱いモンスターを採り上げてみた。
モンスター名の横にあるのがモンスターレベル(DQ3のみ)、DQ各シリーズの下には、通用レベル(FC版DQ1公式ガイドブック参照。DQ2,DQ3は、出現地域の到達レベル(同じくFC版公式ガイドブック参照)から)。
モンスター |
DQ1 |
DQ2 |
DQ3 |
スライム(mLv.1) |
1 |
1 |
1 |
おおなめくじ |
― |
1 |
― |
いっかくウサギ(mLv.2) |
― |
― |
3 |
フロッガー(mLv.3) |
― |
― |
3 |
ドラキー |
3 |
6 |
― |
ゴースト |
4 |
― |
― |
じんめんちょう(mLv.3) |
― |
― |
4 |
やまねずみ |
― |
6 |
― |
キングコブラ |
― |
6 |
― |
ホイミスライム(mLv.4) |
― |
9 |
9 |
マンドリル |
― |
10 |
― |
キャタピラー(mLv.6) |
― |
― |
10 |
アニマルゾンビ(mLv.7) |
― |
― |
11 |
おばけキノコ(mLv.9) |
― |
― |
14 |
あばれざる(mLv.11) |
― |
― |
14 |
サーベルウルフ |
― |
17 |
― |
マッドオックス(mLv.17) |
― |
― |
20 |
おおクチバシ(mLv.18) |
― |
― |
21 |
オーク |
― |
21 |
― |
マドハンド |
― |
21 |
― |
マリンスライム(mLv.18) |
― |
― |
22 |
マーマン(mLv.20) |
― |
― |
22 |
だいおうイカ(mLv.22) |
― |
― |
22 |
きめんどうし(mLv.22) |
― |
― |
23 |
おどるほうせき(mLv.16) |
― |
― |
32 |
上記が最初にデルムリン島で、ニセ勇者達が最初に戦ったモンスターである。殆ど不意打ちであったものの、レベル20前後のモンスターを相手に殆ど一方的な戦いを展開した。
そして下記は、ロモス王宮でニセ勇者達と戦ったモンスター達。
モンスター |
DQ1 |
DQ2 |
DQ3 |
スライム(mLv.1) |
1 |
1 |
1 |
おおアリクイ(mLv.3) |
― |
― |
3 |
マンドリル |
― |
10 |
― |
ゴールドマン |
12 |
― |
― |
キメラ |
13 |
― |
― |
どろにんぎょう |
― |
14 |
― |
あばれざる(mLv.11) |
― |
― |
14 |
サーベルウルフ |
― |
17 |
― |
じんめんじゅ |
― |
20 |
― |
だいおうイカ(mLv.22) |
― |
― |
22 |
サイクロプス |
― |
30 |
― |
おどるほうせき(mLv.16) |
― |
― |
32 |
こちらもレベル20前後のモンスター達が多いが、中にはサイクロプスのような強敵もいる。
デルムリン島ではニセ勇者達の先制攻撃だったが、今度はモンスター達の先制攻撃。しかもずるぼんを欠いている。それでも、でろりんの攻撃で戦況は逆転。でろりん達が勝てたのは、単に「魔王が死んでモンスター達がおとなしくなったから」ではないことがわかる。
レベル20前後といえば、DQ3では転職が可能になるーつまり「一人前」とされるレベルである。船を入手するのも大体この時期で、ここに至るまでにした苦労などを考えると、ニセ勇者達も結構強いのではないかと思えてくる。
実際、ロモス城の兵士たちより強いのは明らかだし、後に、レオナ姫の護衛でデルムリン島にやってきたパプニカの兵士達がキャタピラー(と思われる)一匹を見て少々怖れをなしていたことを考えても、ニセ勇者達は一般的な兵士たちよりも強いのではないだろうか(カール王国ではどうかわからないが)。ロモス武術大会に出ても、もしかすると決勝まで残ることができるかもしれない。
とはいえ、クロコダインがロモスに攻めてきたとき、実際に活躍したのはニセニセ勇者達ではなく、ロモスの勇敢な兵士たちだった。どんなに強い力があっても、勇気がなければ宝の持ち腐れ……なんとも勿体無い話である。
なお、参考までに。ニセ勇者編でダイが切り札として使用した魔法の筒に入っていたのはDQ4のモンスター達で、「キングスライム、ベビーサラマンダ、スペクテット、ダゴン、テラノバット、ヘルビートル、さそりアーマー」の七種ではないかと思われる。色がわからないので正確ではないだろうが、そこそこの実力を持つニセ勇者達が(見たことのない魔物に驚いたという事情はあるにせよ)苦戦したことから、このぐらいのレベルのモンスターではないかと見当をつけた。
2008.5.3
追記:尚志さまより、「ジャンプコミックス・パーフェクトブック1」という公式ガイドブックでは、ニセ勇者たちのレベルは13になっているという情報をいただきました。ありがとうございました。