ヒュンケル語録

 

 

「剣でオレを上回る者などこの世に存在せん…」

     (4巻「父の敵…アバン!?」)

会ったことのない竜騎衆にまで知れ渡っていたヒュンケルの口癖。

 

 

「たとえ正義のためだろうとなんだろうと
 その力がオレの父の生命を奪ったことに変わりはない…!

 それを正義と呼ぶなら… 正義そのものがオレの敵だっ!!」

     (同上)

至極シンプルな理屈。

 

 

「…せっかくお見えになったのだ ゆっくりと見物なさっていってはいかがです。

 ”兵どもが夢の跡”をね…」

     (5巻「これが地底魔城だ!」)

ヒュンケルの特技には「皮肉な笑み」「挑発」がある。もちろんポップのそれよりも効果は大きい。

 

 

「父は…武人の鑑であったと…オレは今でも思っているからな…」

     (5巻「稲妻にかけろ!」)

ヒュンケルは純粋さにおいて、ダイにひけをとらないのではないかと思う。

 

 

(この優しさ…このあたたかいぬくもり…まるで……聖母だ…!)

     (5巻「正義の稲妻剣!!!」)

 

 

「オレの…オレの負けだ…!」(同上)

雲間から差し込む光が清清しい。ヒュンケルが負けを認めたのはこれが最初で最後。

 

 

(…ありがとう…最後の最後で目が覚めたよ…

 …できるなら…おまえたちの力に菜ってやりたかったが…
 オレはもうここまでのようだ…

 …さらばだ…ダイ…ポップ… …さよなら…マァム…!!)

     (5巻「さらば孤独の戦士」)

マァムにだけ口調が優しい…。

 

 

「だが…オレは気づいた いや 仲間たちが気づかせてくれたんだ。

 人間の世界もまだまだ捨てたもんじゃないってことをな!」

     (11巻「起死回生」)

私も、この作品のおかげでそう思えるようになりました。

 

 

「…オレは人を幸福になどできん。不幸にしかできないんだ。

 だからせめてこの世の悪党どもを不幸にしてやろう
 そう思っておまえたちの仲間になっただけの話…」

     (11巻「強敵に捧ぐ…!!」)

少し前まで魔剣戦士と呼ばれていただけに…。

 

 

「だが 人間がすべて悪ではない!
 それはお前自身が誰よりもよくわかっているはずだ!!
 なぜならお前の愛した女性もまた人間だったのだから…!!!」

     (11巻「心を捨てた男!!」)

 

 

「おまえは人間の最も美しい部分と最もみにくい部分を同時に見てしまった。

 だからその矛盾に耐えきれず 人間すべてを自分の目の前から消してしまおうと思ったのだろう。
 しかしそれはまちがいだ。ソアラを失った悲しみはそんなことでは消えはしない!」

     (11巻「心を捨てた男!!」)

人間の最も美しい部分と最も醜い部分…本当に矛盾だらけの生き物だ。
長年体内に光の闘気と暗黒闘気を共に抱いて生きていたヒュンケルは、それをよく知っていたのだろう。

 

 

「…いかに不死身の魔剣といえど 刀身が消滅してしまっては二度と再生できん。

 魔剣は今死んだのだ…」

     (12巻「父との決別」)

ヒュンケルのセリフは実に詩的というか、「かっこいい」セリフが多い。

 

 

「十の力を持った者同士が十の力で戦えば
 もはや戦いとは呼べない凄惨な殺し合いになると言うことだ」

     (13巻「ロモス武術大会」)

これも一つの真理。そして、世にはそんな「殺し合い」がいくつも転がっている。

 

 

「だから戦うんだ!

 生死をかけた戦いの中で味わう苦しみや傷の痛みだけがオレの罪悪感をうめてくれる…!!

 オレは今こうして正義のためのつぐないをしている と…!!

 戦いの中だけでオレはその手ごたえを感じられるんだ…!!!」

     (21巻「戦火の告白」)

ヒュンケルの「告白」。陽の光がどこまでも美しく、そして哀しい。

 

 

「見ろ!友もオレを呼んでいる…!!

 戦場へ…!!!」

     (同上)

ここまで武器を大切にしている人はそうはいまい……。

 

 

「どうせ死ぬならオレたちはここで死にたい…!!!

 一秒でも一瞬でもおまえをかばって…!!」

     (23巻「折れたる剣…!!!」)

最期の瞬間まで、戦いの中に。

 

 

「…いい気分で目覚めたよ…ミストバーン…!

 今なら…おまえの首でも簡単に落とせそうな気がする…!!

 …まるで花をつむようにな…!!!」

     (25巻「魔剣戦士復活…!!?」)

ちゃんと聞いていたらしい。

 

 

「悪の時にはアバンから授かった光の力を憎み
正義にあっては闇の力に負けまいとしたからこそ
それぞれの闘気が爆発的に高まったっ…!!!

 おまえが闇の力を受け入れろといった時
 オレは逆により強く光り輝く最後のチャンスだと思ったのだっ…!!!」

     (25巻「光と闇のバトル!!!」)

なるほど…。しかし、なんというポジティブシンキング。

 

 

「だが愛にも二通りのものがある。他人に与える愛と自分のための愛だ」

     (27巻「想いよ走れ…!!」)

実は恋愛は自分のための愛…。

 

 

「だが彼女の気持ちも少しわかる。
 愛とは自分では抑えることのできない感情なのだ。

 それは時に人を狂おしくする。バランやオレが悪に走ったように…」

     (同上)

 

 

(…マァム オレに光をくれた慈愛の天使よ。

 これからはみんなのためだけでなく 自分自身の愛を見つけることを考えて
生きていってくれ。そして幸福になれ。

 …オレではおまえを幸福にできない…!)

     (27巻「想いよ走れ…!!」)

そう言うヒュンケルの目は「慈愛」にあふれている、が……。

 

 

「…さすが元勇者…正確な分析だ…」

     (28巻「反逆児ヒュンケル!!!」)

ヒュンケルの特技「皮肉」は、アバン先生のもとで磨かれていったのだろうか…。
修業時代も何かにつけこんなことを言っていたのかもしれないと思うとちょっと微笑ましい。

 

 

(…不思議なものだ あれほど憎んだのに…殺してやりたいとすら思ったのに…!

 …師よ!!瀕死のオレをこうして立ち上がらせてくれたのは いつもあなただった…!!!)

     (29巻「銀髪鬼ヒム!!!」)

BGMは「ダイの大冒険のテーマ」。ここもまた非常に燃える場面で感動した。

 

 

「…たしかにオレも死は恐れん!

 おまえと同じように恥をさらすのなら いっそ見事に死んだ方がいいと思った時もある!!

 しかし多くの仲間たちが目を覚ましてくれたのだ!
 真の戦士ならば使命を果たすまで 最後の最後まであきらめてはならない…!

 たとえ泥をすすってでも戦い抜いて…自分に課せられた使命を果たすのだと!!

 どんなにぶざまでも どんなに見苦しくても一向にかまわん!!

 わずかにでも勝算があるならば オレはそれに賭ける……!!!」

     (30巻「激突!男の拳」)

ポップの境地。それにこの闘志が加われば、不死身となるしかない。

 

 

「もし 勝者に敗者の生命を奪う権利などというものがあるなら…

 オレはおまえから生命ではなく…死を奪う…!!!」

     (30巻「死闘の果てに!」)

かつてレオナがそうしたように…。
#でも、ヒュンケルの言い方のほうが優しいような…。

 

 

「…だが… それでもおまえは生きろ…!!」(同上)

 

 

(…戦ってきた…! …戦い抜いてきた…!!

 この身体に受ける痛みだけが オレの過去を忘れさせてくれると思って…!!

 この流れ落ちる血と汗だけが オレの犯した罪を洗い流してくれると信じて…!

 …だが…! …今日…この戦いで終わる…!!

 間違いなく…これがオレの最後の戦いだッ!!!)

     (30巻「最後の闘志燃ゆ!!」)

モノローグまで詩的。本当に、戦いだらけの人生だった……。

 

 

「…情けや愛の心で敵に敗れるのならば……

 オレにはむしろ誇らしい…!!」

     (30巻「王手ッ!!!」)

 

 

(互いの死に目をみとった仲とは…なんとも奇妙な縁だな…)

     (30巻「さらば!闘いの日々よ」)

そう。普通ではまずありえない。でも、ゲーム内ではよくある話。

 

 

(…やるだけの事はやった… ヒムも救う事ができた…

 …これなら…これなら叱られはしないですよね… ……先…生…)

     (30巻「さらば!闘いの日々よ」)

涙した屈指の名場面、のはずだったのだが……生きていたせいで色々と台無しに。
#いやもちろん、生きていてくれたこと自体は嬉しいのだが、なんというか…。

 

 

「…ポップ もっと胸をはれ。

 オレたちは全員 皆死力を尽くした。

 誰もが自分の持てる力以上の奇蹟を起こした。

 だから全員ここにいられる。だからこそダイはあそこで戦っていられるんだ…!

 ……もっと…誇るべきだ…!」

     (37巻「死闘・天空へ」)

やはりアバンの使徒の長兄。

 

 

 

2009.4.2

 

 

 

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