ファミコンの思い出

 

 私は、TVゲーム=ファミコンと呼んでいる。SFCPSPS2も、そしてゲームボーイさえもファミコンと呼ぶ。これは習慣によるものだが、今回は、正真正銘の「ファミコン(FC)」について語りたいと思う。

 ファミコンが、いつから祖母の家にあったのかは定かではない。最初からあったわけではなかったと思うが、いったいいつ、どういういきさつで祖母の家に置かれることになったのかはよくわからないのだ。どうも従姉の誰かがねだった結果、祖母の家に置かれることになったらしいのだが…当の祖母本人も、そのいきさつをよく覚えていないようなのである。

 だが、なんにせよ、ファミコンは祖母の家にあり、私は長期休暇限定とはいえファミコンで遊ぶことができたのである。最初は一本しかなかったソフト(「カセット」と呼んでいた)も次第に増えていったが、自分の意思でそれを選ぶようになったのはずっと先の事。その大半は、FC本体と同様、いつ、どのような経緯で家に来ることになったのか分からぬものばかりであった。それ故、タイトルもよく覚えていなかったりするのだが…とりあえず、私が遊んできたソフトを覚えているかぎり、ここに紹介したいと思う。

 

 

スーパーマリオ

 一番最初にやって来たファミコン。それだけに、一際印象深いものがある。不思議なことに、後の作品よりもよく覚えていたりするのだ。音楽も、1−2の地下の単調なメロディーが妙に記憶に残っていたり……。場面場面の記憶も結構残っている。
 1−2では裏技を使って先に進むため、足場が不安定な1−3よりも、一気に8面まで行くことの方が多かったような気がする。もっとも、必ず時間切れになってしまい、それ以上先には進めなかったのだが…。夜がステージの3面も個人的には結構やっかいだった。カメを利用しての無限点稼ぎというのもたびたびやったが、あまり好きなステージではなかった。反対に、一番好きなのが海。ふよふよと水中を漂う感じが何とも言えず…。出てくるイカ達も愛らしく。
 というわけで、これは他のゲームにも言えることだが、何が何でもクリアしよう(できる)という意識はあまりなく、なるべく簡単なステージ、お気に入りのステージで遊んでいた。そのため、あまりクッパと戦った記憶はない。クッパのステージは、他とは音楽が違うため、嫌でも緊張した。ファイアーボールが使えずに体面することになった時は、どうしようもないので自棄になって早々に自滅を選んだりしたものだ。それでも、ごくたまにクッパと戦いたくなるのだから不思議なものだ。おそらく、部分的にではあるが「クリアした」という気分を味わえたからだろう。しかし、アクションゲームを完全にクリアしたことは、未だない……。

テニス(仮)

 一番最初からあったのはマリオだが、これもいつからあったのかわからない、我が家の三大古参の一つ。多分、祖母が昔テニスをやっていたことが関係しているのだろうが…。
 私はこれで、おおまかなテニスのルールをつかんだのだ。これをやる時は、必ず祖母とのダブルスでやっていたのだが、サーブを受ける時に自分の担当でないボールを打ったら何故か相手に点が入り、「???」となったり、同点になると何故ジュースと言われるのだろうとか、色々と妙な誤解をしていた。
 レベル1はわりと楽にクリアできたのだが、レベル2になると相手もなかなか手強くなり、勝てなくなる。桁違い、というわけではないのだが、勝てそうで勝てない。ちなみに、試しに最強のレベル5とやったこともあるが、こちらはとてもボールのスピードについていけない。桁違いの強さにあっという間に叩きのめされてしまうのだった。不思議なもので、一番憎らしく感じるのは、桁違いのレベル5ではなく、レベル2の方だった。表情なんてわからないはずなのに、妙に意地悪そうに見えたものだ。

レース(仮)

 これもマリオ、テニスと並ぶ三大古参の一つ。合図と共にスタートし、他の車にぶつからないように、時間内にコースを回ればクリア、という至極単純なものだったが、これがなかなか難しい。
 ふとしたはずみで道路をはみ出して草むらに入ってしまうと、著しくスピードが遅くなり、もとの道路に戻るのが一苦労だった。それに、後ろからやってきた車にいきなり追突されることもしばしば。道路に置いてある札(?)にぶつかっても駄目。だが一度だけ最初のコースをクリアできたことがあり、その時はとても嬉しかった。

ドラゴンクエスト

 これは、4本目のソフトである。例によって旅の目的などそっちのけで、買い物、戦闘、そして新しい場所を目指す事に夢中……で、気づけば今とあまり変わらない。レベル8ぐらいになると、何故かまた最初からやりたくなってしまうため、それ以上先には進めなかったが、それだけに繰り返し回数は多く、印象深い。
 ちなみに、「洞窟を抜けると海を渡っていた」のが一番の驚きだった。他にも
DQにまつわる思い出は数知れず……詳しくは、こちらをどうぞ。

ドンキーコング

 これも、かなり初期のころからあった。画面左上にいる母親を助け出せばよく、最初の方のステージはクリアできていた。
 しかし、スーパーマリオに比べると、どうも暗い感じがする。背景が黒で、ブロックが青。マリオの1−2と似たような色だが、それに加えて、ドンキーコングを始めとするキャラ達もマリオみたいにカラフルではない……。だが、そのためか、かえって最後の「バナナ」が印象に残っていたりする。

野球(仮)

 基本的にスポーツに全く興味のない私が、曲がりなりにも野球のルールらしきものを知っているのは、このゲームのおかげといえるだろう。
 もちろん、これだけでは色々とわからない点も多かった。例えば、自分がピッチャー側の時、バッターの打った球を拾った後、どこに投げたらいいのかよくわからない。とりあえずそこらへんの人に滅茶苦茶に投げていたら、そのうち勝手に画面がもとの「投手
VS打者」に戻ってくれたが。それにしても、キャラの動きが非常に遅いもので、球を拾いに行くのは結構イライラした。ピッチャーにはあまり楽しみがない。強いて言えば、バッターにボールをぶつけて遊ぶぐらいか。もっとも、それはこちらに不利なことだということが、そのうちわかったのだが。
 反対に、バッターの時はいろいろと楽しい事があった。打った後、とにかくボタンを連打していれば黒い点が動いて、それが一周すると点が入る……というのがしばらくやっているとわかったのだが、点が入ると、嬉しい事に花火と歓声が上がるのだ。これは結構気分がいい。そこで、わざとコンピューターとは対戦せずに一人でプレイし(一人二役)、楽に点を入れて花火を鑑賞していたものである。

火の鳥(仮)

 武器はノミ(?)。どういう理屈か、屈んでBボタンを押すと、あったいう間に正方形の彫り物の出来上がり。これを利用して階段を作ったり、敵に対するバリケードを築いたりしながら先に進んで行くのだ。たまに、自分で作った彫り物に閉じこめられて身動きできなくなることがあったが(苦笑)。
 1ステージクリアすると、綺麗な火の鳥を拝むことができた。…が、せいぜい一つ二つしかクリアできず、それ以上先に進むことはできなかった。
 ちなみにこれは、下の五右衛門と少し記憶がごちゃ混ぜになっている部分がある。キャラの風貌がなんとなく似ていたせいだろうか……。

五右衛門(仮)

 盗賊・石川五右衛門が主人公。故に、役人は敵である。触れるとダメージを受ける。「御用だ、御用だ」としつこいので困りもの。ちなみにこちらの武器は、確か槍だったと思う。途中から飛び道具の小判を武器にできるようになるが、それまでがちょっとしんどい。また、敵は役人だけではない。街を通る人力車は、時として役人以上の天敵である。うっかりこれに触れてしまうと、問答無用でステージの最初に戻されてしまう上に、きっちり運送料まで取られてしまうのだ。まったく、なんという悪徳商人であろうか!
 そんなわけで、普通に街を歩いていても危険がいっぱい。たまに触れると回復してくれる人もいるが……。そんな私の楽しみは、面すました顔でうろついているそこらへんの町人を槍で攻撃することであった。本来の敵以外の相手に意味もなく攻撃を仕掛ける、というのは何故か無性に楽しいもの。そういえば、
SFCのゼルダでも、草刈りやニワトリいじめを大いに楽しんでいたものだ。
 このゲームでは、4面まで行ったことがある。1面は町(オレンジ)、2面はまた雰囲気の違う街(白)で、2面を無事クリアできるかがポイント。次なる3面は、さほど苦労した記憶がない。3面は山で、大きな岩が転がり落ちてきたり、イノシシが突進してきたりするが、そのぶん人災は少なかったように思う。そして、4面は海。カニなどが出てきて楽しげな雰囲気だ。もっとも、ここに辿り着くころにはかなり消耗しているため、すぐに死んでしまうのだが……。
 このゲームは結構よく遊んでいたようで、今でも開始の「ピーッ」という笛の音と、1面の音楽とあのオレンジ色が強く焼き付いている。

マクドナルド(仮)

 経緯は不明だが、このゲームを手にしたのはわりと後の方。爆弾を投げて攻撃する。そして、ステージクリアのたびごとに、点数に応じてマクドナルドで買い物ができるようになっている。ハンバーガーやポテトなど……。買ってどうなるのかはよくわからないが、たくさん買うと1UPになったりするようだ。だから、新しいステージを始めるときは、またわりと余裕な状態から始めることができる。これは、最高で7面まで行った。
 1面は町のようなところ、2面は海に近いところ、そして3面が森。ネックは3面。2面もちょっと難しいのだが、ステージの最初に1
UPが簡単に取れるようになっているので、何度でも挑戦できる。3面でも、取れないことはないのだが、ちょっと取りにくいので2面のようにはいかない。なにより、ボスの有効な攻略法が未だによくわからないのだ。
 3面に出てくる敵は、基本的にはしゃくとり虫などの可愛らしい敵で、ステージ自体はそこまで難しいわけではないのだが、かわりに、ボスが強い。ボスは巨大な樹で、普通に爆弾をぶつけても全く効果無し。そうこうしているうちに、突然巨大な口を開いて焔を吐き出してくる。それに触れると、どれだけ元気でも一発でノックダウン。さらに、この炎はよけることはできない。つまり、この炎を吐き出してくる前に、何とか倒さなければならないわけだが、それには、樹の上部にある目(?)を攻撃しなければならない。普通に爆弾を投げても届かないので、どうやってそこに爆弾を当てるかが問題になる。とにかく滅茶苦茶に試してみて、運がいい時だけ、本当にごく稀に、倒すことができるーそんな相手だったのだ。ただ、そんなボスも、たった一度だけ、楽に倒せたことがある。その時、どうしたはずみか、自身が樹の上部に上ってしまったのである。たぶん、たまたま自分の投げた爆弾が至近距離で爆発し、その爆風でそこまで飛んでいくことができたのだろうが、狙ってやろうとしても、うまくいった試しがない。その時はまだ二度目で、目が弱点ということもよく知らなかったわけだが、とりあえずそこにいれば焔攻撃を受けることもなく安全なので、しばしそこに留まるうち、足元にある目らしきものに気づいて試しに攻撃を仕掛けてみると、なんか敵がダメージを受けた時の音が……。それで簡単に敵を倒し、目が弱点というのも知ることができたのだ。後にも先にも、3面でこんなに簡単にボスを倒せたのはこの時だけである。
 そして、4面はなんと空。3面で苦労しただけあって、一番楽しいステージである。赤い風船を持ってふわふわと飛んでいくのだ。ただし、飛び続けるためにはずっとボタンを押し続けなければならず、それを怠り高度が一定以上下がると死んでしまうため、手が疲れてしまうのだが。5面は再び町。ボスはドラゴンみたいなのだったような気がする。そして6面は「地獄」。氷に覆われたなんだか暗い所で、おまけに地の底に潜っていくような音楽。故に、そこを地獄と呼ぶこととなった。ボスは、確かバーバーパパみたいなのだったような……。5面、6面はそこまで到達できたこと自体殆どないため(6面は2度だけ)、殆ど覚えていないのだが、さほど苦労しなかったような気がする。特に、6面では、やられた記憶がない。
 7面はジャングル。ここまで辿り着いたのは2回だけである。密林の中を進んでいくのだが、これも途中のある一点でどうしても息詰まってしまう。途中にとても飛び越せないような広い池があるのだ。そこには巨大なワニが出てくるので、たぶんその上を進むのだろうと思って行くと、ワニのぱっくり開いた口に呑み込まれ、呆気なく死んでしまった。そこで今度は、ワニを倒してみた。もしかすると倒せないのではないかと思ったが、時間はかかったものの、ちゃんと倒すことができた。だが、倒せたはいいものの、目の前には幅広い池が横たわるばかり。もしかするとワニの死骸がぷかぷかと浮かび上がって橋になってくれるのではないかという希望的観測は崩れた。ああ、あそこは一体どうすればよかったのだろうか……。

ドラえもん(仮)

 これは、カセットよりも先に、雑誌の情報に触れたのが先だった。どの雑誌だったかは覚えていないが、それにはこのゲームの設定に沿ったマンガと、攻略法などがのっており、やってみたいと想像を膨らませたものである。
 しかし、実際にやってみると雑誌に描かれているように簡単にはいかないもので、さも簡単に敵を倒しているかのように見えるマンガを少々うらめしく思ったものだ。まあ、それでも一面の「町」はなんとかクリアできたし、「海」も難しいものの、いつもと違った雰囲気を楽しむことができた。だが、困ったのが「大魔境」。すぐに死んでしまう。マンガでは、一番簡単そうに見えたのに……。

キテレツ大百科

 他のアクションゲームに比べると頭身が大きいせいか、少し動きがギクシャクしているように感じる。また、ステージによってはコロ助が後ろからついてくるが、これが結構邪魔に感じたりする。
 それはともかく、このゲームの特徴は、所々で「発明」(「発明画面」に入り、ボタンをひたすら連打。所用時間が短いほど有利)を強いられることと、閻魔大王の存在である。
 ゲーム中死ぬと、この閻魔大王のもとに連れて行かれ、ライフを「借りる」ことになる。数は自由だが、上限があるため、何度も死んで上限を超えてしまった場合は、もうライフを借りることができず、ゲームオーバーとなる。
 ちなみに、この閻魔大王に会うのは、死んだ時だけではない。各ステージをクリアした時にも会うことになるが、その時に閻魔大王からライフを借りているかどうかで応対が違ってくる。借りている場合は、死んだ時と同じ、嫌な音楽が流れているのだが、借りていない場合は、きれいな音楽が流れ、閻魔大王の応対もいやに丁寧なのである。後に、この綺麗な音楽が、かの有名なバッハの「
G線上のアリア」であることを知るのだが、この音楽聞きたさに、なんとかライフを借りずにすませようと頑張ったものである。

小公子セディ

 「お城を抜け出してどこかへ行く」というゲームなのだが、セディの動きが遅いのでちょっとイライラする。途中で「スニーカー」を購入すれば、FFの「ダッシュ」のように素早く移動できるようになるのだが。
 道中は、家庭教師がうようよしており、これに捕まると様々な問題(二択)を出され、間違えると最初の地点まで連れ戻された。ちなみにこの問題、バラ戦争やら何やら、小学校では習わない問題ばかりだったような気がするが……まあ、出される問題のパターンは限られているので、何度も捕まっていれば正しい解答を覚えることができた。全問正解できれば、連れ戻されずにすむのだ。
 そうして進んでいくと、新たな町にたどりつくわけだが……さて、どうやってそこから先に進めばいいのかがわからない。これまでは、ずっと右に向かって進んでいけばよかったのだが、この町では、そうやって進んでいくと、じきに行き止まりになってしまうのだ。ここには家庭教師は出没しないので安心なのだが、先に進めないことには話にならない。これまで見落としたことはないかとわざわざ引き返し、そこでまた家庭教師に捕まったりしたことも。この町から電車に乗れればいいのだが、一通り町の人に話しかけても、一向に電車に乗れないのだ……。そんなわけで、このゲームも途中で行き詰まったのである。

じゃりんこチエ

 これは、何が何だかさっぱりわからないゲームだった。これまでにも、途中で行き詰まったゲームというのは色々あったが、それでも最初の方は、ちゃんとどうやれば先へ進めるのかわかっていた。だがこれは、最初から何をどうすればいいのかさっぱりわからないのだ。目的もわからず、とりあえず周囲の人に話しかけても意味不明の選択肢が出るばかり。行動範囲も狭い。……というわけで、このゲームは早々に手を離れることになったのである。

スーパーマリオ3

 通称、「しっぽマリオ」。これが妙に私たち一家のツボにはまり、大人気。ファイヤーマリオよりも何よりも、ひたすらしっぽ。どのステージに挑戦するにも、まず特定のステージでしっぽマリオになってから。
 今回も、裏ルートから一気に他のステージに行くことが多く、素直に1面最後の城に赴くことは少なかった。そもそも、正式ルートにせよ裏ルートにせよ、1面から先に進むことの方が少なかったのだ。難しいステージに進むよりも、気心の知れた所で、大好きなしっぽマリオになって飛び回ってる方が楽しかったのだ。
 そんなわけで、これは、ひたすら「しっぽマリオ」のゲームなのである。

スーパーマリオブラザーズ

 これは、必ず妹と二人でプレイし、一人でやることはなかった。私が右半分、妹が左半分を担当。土管から次々にわき出てくる敵を倒し、コインをゲット。これを一人でやると、左右の移動が結構難しくて、そのうち敵の出現スピードに追いつかなくなってしまったりするのだが、二人なら大丈夫。結構先まで進み、時にはボーナスゲームを楽しんだ。
 ボーナスゲームには何種類かあったが、一番好きだったのが、平面タイプの隠しブロック。辺り一面に「?」のブロックが並んでおり、それをどかすと下にはコインが…という寸法だ。中にはスカもあるが。そういえば、
PSDQ5のすごろく場には、このタイプの宝物庫があるが、これをモデルにしているのだろうか。
 他にも、ボーナスゲームには、土管から焔とコインが次々に噴き出してくる、というものがあったが、これはいただけない。うまくすればコインを大量に獲得できるが、炎に当たると死んでいまうため、殆どコインを得られずに、すぐに死んでしまうことの方が多いのだ。
 ファミコンの中には、このように、テニスをはじめ、「必ず二人で」と決めているものもいくつかあったが、こういうのも結構楽しいものである。

デビルワールド

 これも、必ず妹と二人でやるゲームだった。「スーパーマリオブラザーズ」と並んで二人の協力が必要とされ、その点ではとても楽しめた。
 それは、まず
OPから始まる。タイトル画面でOP曲が流れ、そのままほうっておくとデモ画面に。そしてその後はまたタイトル画面に……となるわけだが、私たちは、ボタンを押すタイミングを決めていた。タイトル画面でOP曲が流れ終わった直後にボタンを押すことにしていたのだ。こうすると、音楽の流れが自然でとても気分がいい。ちなみに「スーパーマリオブラザーズ」でも同じことをしていた。
 このゲームのキャラは鳥。1
Pが緑で2Pが赤。ちなみにこういう二人用ゲームをする際は、私が必ず1Pをとっていた。敵キャラのうろついている迷路のようなところが舞台だが、この画面全体が常に動いているのが特徴。あまり画面の端に行くと、この動く画面と迷路の壁に挟まれて、押しつぶされてしまう。だから、なるべく画面中央付近にいるように気をつけなくてはならない。しかし、いつもその「安全地帯」にいれるわけではない。武器となる十字架が画面四隅に配置されているため、最初は危険を冒してそれ取りに行かねばならないのだ。
 十字架を入手すると、火を吹けるようになり、画面上をうろついている敵キャラを恐れる必要はなくなる。十字架を持っていない状態では全くの無防備なので、非常に危険なのだ。最初、鳥は卵の状態で、好きなタイミングで生まれることができるが、その時は十字架を持っていないから、必ず一度は画面隅に行かねばならない。
 ちなみに、死ねばまた卵に戻ってしまうのだが、この十字架は何度とってもなくならないので、また取りに行けばいい。あと、卵を孵すタイミングには気を付けなければならない。通常、卵は画面下隅に位置されるため、タイミングが悪いと、生まれたとたんに壁にはさまれ、あえなく卵に逆戻り、というはめになるからである。
 最初はどうすれば次のステージに行けるのか、そもそも次のステージというものがあるのかということ自体考えることをせず、ただただ十字架加えて火を噴きまくっていたのだが…ある時唐突に何やらめでたい音楽が流れ、見た事もない画面に。一体何がどうしてこうなったのかを考えた結果、ようやく地面の白いツブツブが全部消えていることに思い当たった。床にはすべて白いツブツブがあり、最初はそれをただの模様だと思っていたのだが、あらためてよく観察してみると、十字架をくわえてその上を通ると、なんとそのツブツブが消えるのだ。白いツブツブが全て消えたときーつまり、そのステージの床を全て通った時がステージクリア、だったというわけだ。
 以上が、1,3,5面…と続く奇数面の概要。偶数面はまた少し違っていて、武器は聖書である。これも十字架と同じく四隅に配置されており、火を噴くことができる。
 ただし、クリア条件は奇数面とは違っており、床にあの白いツブツブはない。かわりに、画面中央あたりに位置する(といっても無論画面と共に移動するのだが)一際大きな正方形のブロックに4つの穴があいており、そこに聖書をはめこむようになっている。しかし、それは同時に武器を失うことにもなるため、はめ込むときは、周囲の状況をよく見てしなければならない。
 偶数面では、右と左に別れて協力して行動した。はめこむ聖書があと一つ、というような時には、もう片方は出来る事が何もないため、その間に死んだら卵のまま待機、ということもしていたが、まあこれも協力と言えないこともない…か。ちなみに、残り
Pが少なくなった場合もずっと卵のまま、ということになっていた。
 そうして、5面ぐらいまでは行けたと思う。ステージが進むほど画面の移動速度が速くなるため、それ以上になるとあっという間に壁に押しつぶされて先へは進めなかったが……。

エスキモーアザラシ(仮)

 正式名称は不明。これも、基本的には二人でやるゲームだった。
 エスキモーのような格好をしているのが操作キャラで、ツルハシを使って氷を砕く。そして上の列にジャンプ!そうやって上へ上へと進んで行けばクリアである。敵はアザラシみたいなので、なんとも言えない感触をしていた。
 うっかり削ってはいけないところまで削ってしまうと絶対に上へ上がれない状況に陥ってしまったりするのが泣かせ所。そうなったら、せっかく苦労して上っても、もう自爆するしか道はない…。
 ちなみに、このゲームでは、なるべく双方同じ段にいるよう心がけ、相手を置き去りにしたりしないのがルールだった。

クラリス(仮)

 自動車で走り回るゲーム。説明書によると、主人公の名前はクラリスで、なにやら悪漢達に追いかけられているらしい。
 画面には2〜3段あり、そこを上がったり下りたりしながら自在に走り回る。追っ手の車もうようよしているので、遭遇したらうまく飛び越える。このゲームでは、特にボタンを押さなくても車は勝手に走り続けるので、指が疲れる心配はない。
 そして、走った箇所は白に塗られていく。ステージの全ての道を塗りおえたらステージクリアで、この点はデビルワールドと似ている。最初はそれに気づかず、唐突にファンファーレが鳴り響いてびっくりした、という点も同じであった。
 シンプルなつくりだが、夜景のもと、一定の速度で走り続ける感触が、なんとも言えず気持ちよかった。

ドクターマリオ

 基本的には、テトリスとあまり変わらない。それ故に、面白い。連鎖を狙って相手にウイルスをさし向けるのも楽しい。

けろけろけろっぴの大冒険(仮)

 初めて完全にクリアしたゲーム。当然、アクションゲームではない。パズルゲームとでも言えばいいだろうか。DQでいえばロンダルキアの洞窟…最後の方のあるステージでは、沼地をわたるのだが、とにかく落とし穴だらけ。マップを作成する、という手間をかけたのは、これが初めてだった。後は本当に簡単なもの。まあ、タイトルから予測されることとは思うが……。それでも、最後までクリアできた時は嬉しかった。

 

 …まだあったかもしれないが、思いつくのはこんなところだ。
 思い返せば、どれもこれも皆なつかしい。現在では、
DQ以外に殆どゲームはやらないのだが、ファミコンは幼少時の記憶と直結している。長期休暇の時に集中的にやったのと、また、長期休暇にしかできないが故に、普段は想像を巡らして楽しむ余裕が十分にあったためだろう。
 今では昔と違い、家にゲーム機があるし、「小学○年生」のような特定の雑誌を買っていないため、ゲーム情報が入ってこず、従って、新しいゲームについてあれこれ想像を巡らすということもない。それをするのは積極的に情報収集をしている
DQのみ、ということになる。それも、ネット上の情報というのはどこか曖昧な記憶となってしまうため、昔ほど先行情報一つ一つを見て一喜一憂するということはない。
 ファミコンは、それをやっている時はもちろんだが、やっていない時の楽しみも大きかったと、今にして思う。まあ、今でもたまにゲームを買うかわりに攻略本だけ買ってその楽しみを味わったりしているが。
 ファミコンにはもうずいぶん長いこと触れていないが(本体は捨ててしまったし)、時々あのシンプルな音と画面が、無性に懐かしくなる。今はもう遠い懐かしい記憶となってしまったファミコンだが、そんな記憶があることを私は嬉しく思っている。

 

 

 

2005.4.6

 

 

 

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