卵と玉子
気づけば、最後にここのコラムを書いて既に一年近く。久々ということもあって、今回はいつもよりも軽い話でいってみようと思う。
さて、「たまご」を示す漢字としては、「玉子」と「卵」があるわけだが、両者の使い分けに明確な規定はない(と思う)。それでも、どの場合にどちらの字を使うかという大まかな慣習は出来ているようで、例えば寿司の場合は専ら「玉子」と表記されている。私も個人的には、この両者の使い方について明確な基準がないではない。
今回は、このことについて少し語ってみたいと思う。わかりやすくするために、それを以下の表に表してみた。なお、この使い分けは、あくまで私個人のものであり、世間一般の使い分けと必ずしも一致するわけではないことをことわっておこう。ちなみに、太字は使い分けの基準が明確なもの、通常のものは基準が曖昧なものである。
形状 |
卵 |
玉子 |
|||
たまご |
黄身、自宅で使用、 |
白身、菓子に使用、 |
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ゆでたまご |
殻をむく前、もしくはむいた直後 (もとの形状を保っている)、半熟 |
刻むなどしてもとの形状を保っていないもの |
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なまたまご |
殻をわった状態、もしくはその直前 |
店先に並んでいる状態 |
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たまごやき |
自家製 |
外食、購入 |
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イメージ |
黄色 |
白 |
…とまあ、こんなところだろうか。
大雑把に言って、自分に近ければ「卵」、そうでなければ「玉子」としているような気がする。全部が全部この基準に当てはまるわけではないが…。
話は変わるが、私は昔、「玉子」が嫌いだった。正確には「玉子焼き」が嫌いだった。今はそれほどでもないが、さりとて特別に好きというわけでもない。寿司の玉子などは好きだし、厚焼き玉子も好きだが、それとて「卵焼き」に到底及ぶものではない。
私はたまごでは、白身と黄身では黄身の方が好きなのだが、「たまご」と言えばまず「たまごやき」を連想するため、個人的に「玉子」よりも「卵」の方が好みである。
…しかし、こんなことを書いていたら、無性にたまごが食べたくなってきた……。特に、「たまご」とひらがなで書かれたのを見ると、何故か食欲をそそられるのだ。
2005.3.24
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