幼年時代

【サンタローズ〜ラインハット】

 

 

<サンタローズ>

サンチョ「や!坊っちゃん! 今までどこにっ!?

     だんなさまに ラインハットの城から使いが来て 出かけることになったんです!

     坊っちゃんも連れて行くつもりで ずいぶんさがしたんですが……。

     見つからなくて だんなさまはたった今 お出かけになりましたっ。

     すぐに追いかければ まだ間に合うかも知れません。さあ 坊っちゃん!」

 

「おや?坊っちゃん ちょっとお待ちください。ポケットから何か……

サンチョ「おお!これは見事な桜の枝ですな!

     そういえば すこしあたたかくなってきたから 花が咲いたんでしょうか……。

     それにしても美しい!坊っちゃんたちのお部屋にでも飾っておきましょうか?」

(いいえ)

  「そうですか。では 大事にお持ちください。

   さあ 急いで だんなさまを!」

 

*「ありゃ? 宿帳にまたいたずら書きがあるぞ。

  なになに……。

  ○○ありがとう。またいつか会いたいわね。

                ベラより

  なんだこりゃ……?」

 

パパス「おう ○○か!今までどこにいたんだ!?ずいぶんさがしたぞ。

    まあいい。父さんは旅立つ前に 神にお祈りをしていたところだ。

    お前も祈っておくといいだろう。父さんは村の入り口で待っているからな」

 

*「パパスさんを呼びつけるなんて ラインハット国王もごうまんなひとよねっ。

  用があるなら 自分から来ればいいのに……」

 

パパス「おお来たか ○○。今度の行き先はラインハットのお城だ。

    前の船旅とちがって そんなに長い旅にはならないだろう。

    この旅が終わったら 父さんは少し落ち着くつもりだ。

    お前にはいろいろ淋しい思いをさせたが これからは遊んであげるぞ。

    さて 行くとするかっ!」

 

*「いってらっしゃい パパスさん!」

 

 

<ラインハット関所>

パパス「私はサンタローズに住む パパスという者だ。

    ラインハット国王に呼ばれ お城にうかがう途中である。

    どうか 通されたい!」

兵士「おお! あなたがパパスどのですか!?

   連絡は受けています。どうぞ お通りください!」

 

パパス「○○ ここから先は ラインハットの国だ。

    この上からの川のながめは なかなかのものらしいぞ。

    よし!あまり時間はないが お前にも見せてやろう」

 

パパス「どれ よいしょ……と」

(パパス、主人公を肩車する)

パパス「もし……。どうかされたか ご老人?」

*「ほっといてくだされ。

  わしは川の流れを見ながら この国のゆく末を案じているだけじゃて……」

パパス「ふむ……。あまり風にあたると 身体に毒ですぞ」

(パパス、主人公を肩車から降ろす)

パパス「では ごめん!」

(パパス、もと来た階段を下りる)

パパス「おっと いかん!ラインハットに行くんだったな……」

 

 

<ラインハット>

兵士「待てっ!わが城に なに用だっ!!」

パパス「私はサンタローズに住むパパスという者だ。

    国王に呼ばれ 来たのだが」

兵士「おお! あなたがパパスどのですか!?これは失礼いたしました。

   国王がお待ちかねです。さあ こちらへっ!」

 

*「王さま!パパスどのをお連れしました!」

王「ふむ ごくろうであった。そのほうは さがってよいぞ」

*「はっ!失礼いたします」

王「さて パパスとやら。

  そなたの勇猛さは このわしも聞きおよんでいるぞ!

  そのウデをみこんで ちとたのみがあるのだが……。

  コホン……。

  パパス もう少しそばに! 皆の者は さがってよいぞ!」

 

パパス「○○ そんな所に立っていてもたいくつだろう。

    よい機会だから お前も城の中を見せてもらいなさい。

    ひととおり見るうちには 父さんたちの話も終わるはずだ」

 

王妃「なんじゃ そなたは?

   わが子デールに あいさつに来たのですか?おほほほほ。

   そなたは小さいくせに なかなか目先がきくと見える。

   兄のヘンリーより このデールの方が次の王にふさわしいと……

   そう思ったのですね。おほほほほ」

 

デール「ボク 王さまなんかになりたくないよぉ……」

 

*「わっ!

 「ああ びっくりした。てっきりヘンリー王子かと……。

  人がカエルをきらいなのを知ってて 背中にカエルを入れるんだよ。ひどいよなあ」

 

*「みんなヘンリーさまを悪く言うけど 私はそうは思わないね。

  小さい時 お母上をなくして 王さまは新しい王妃さまをもらったけど……

  やっぱりヘンリー王子にとっては 本当の母親じゃないし。

  それに新しい王妃さまが可愛がるのはデール王子だけときちゃ ひねくれるのも当然だよ」

 

*「あ〜あ おでこにタンコブが。まったくヘンリー王子には泣かされてしまいます」

 

*「その昔 巨大な城が天空より落ちてきたそうです。

  そして それ以来 再び魔物が人間をおそうようになったと言われています。

  坊やには信じられますか?」

(はいorいいえ)

「真実は 神のみがお知りなのでしょうね」

 

大臣「まったく ヘンリー王子のわんぱくぶりにはあきれてしまうのう。

   あんな性格で次の国王がつとまるのか 不安でならんわい……」

 

ヘンリー「だれだ お前は? あっ! わかったぞ!

     親父に呼ばれて城に来た パパスとかいうヤツの息子だろう!

     オレはこの国の王子。王さまの次にえらいんだ。

     オレの子分にしてやろうか?」

(いいえ)

  「はーん?よく聞こえないなあ……。もういちど聞くぞ。

   オレはこの国の王子。王さまの次にえらいんだ。

   オレの子分にしてやろうか?」

(はい)

  「わははははっ。

   誰がお前みたいな弱そうなヤツを子分にするか!帰れ帰れ!」

 

王「そなたはパパスの息子であろう。なかなかよい目をしておるな。

  パパスには わが長男 ヘンリーのおもりをしてもらうことにした。

  そなたもヘンリーの友だちになってやってくれい。たのむぞよ」

 

パパス「おう ○○か!父さんはヘンリー王子のおもりをたのまれたのだ。

    本当は王子のそばにいたいのだが まいったことにキラわれてしまったらしい。

    だが お前なら子供どうし 友だちになれるかも知れん。

    父さんはここで王子が出歩かないよう見張ってるから がんばってみてくれぬか?

    よろしくたのんだぞ!」

 

ヘンリー「なんだ またお前か?

     やっぱり子分になりたくてもどって来たのか?」

(いいえ)

  「じゃあ あっちへ行けよ。さようならだっ!」

(はい)

  「そんなに言うなら オレの子分にしてやろう。

   となりの部屋の宝箱に 子分のしるしがあるから それを取ってこい!

   そうしたら お前を子分と認めるぞっ」

 

パパス「どうした?○○。 えっ?ヘンリー王子がいなくなったって!?

    この通路を通らないと 外には行けないはず!しかし王子は来なかったぞ。

    ふーむ……。とにかく見てみよう。お前もついて来なさい」

 

ヘンリー「あっ パパス!お前は部屋に入るなと言っておいたはずだぞ!」

パパス「やれやれ…。とことんキラわれたものだな……。

    失礼つかまつった」

 

パパス「○○よ。夢でも見たな。王子はちゃんといたではないか。

    ともかく王子の友だちになってやってくれ。たのんだぞ」

 

ヘンリー「どうだ?子分のしるしを取ってきただろうな!?」

 (はい)

   「じゃあ見せてみろ。うん?持ってないじゃないか」

 (いいえ)

   「なに?宝箱は空っぽだったって?そんなはずはないぞ!

    子分になりたければ もういちどよく調べてみな!」

 

ヘンリー「なんだ もう階段を見つけてしまったのか…。

     ふん!つまらないヤツだな。

     しかし 子分のしるしは見つからなかっただろう。

     子分にはしてやれないな」

ヘンリー「ん?」

*「ヘンリー王子だな!?」

ヘンリー「なんだお前らは!?」

*「わるいがいっしょに来てもらうぜ。そらよっ!」

ヘンリー「うぐっ!」

 

*「おい!モタモタしてねえで はやく王子をイカダへ!」

*「へいっ!」

 

パパス「どうした ○○?

    なにーっ! 王子がさらわれただと!?」

 

パパス「なっ なんとしたことだ!

    いいか ○○。このことは誰にも言うなよ。

    さわぎが大きくなるだけだからな……。

    とにかく王子を助け出さないとっ! ついて来い○○!」

 

 

 

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