青年時代前半(結婚前)

【サラボナ(炎のリング)】

 

 

 

<見晴らしの塔>

*「かつて究極の進化をもとめ おのれ自身を魔物に変えてしまった者がいたという。

  そのあまりの邪悪さゆえ 神のいかりをかって魔界へ封じられたというが……。

  その者の名はミルドラース!

  そんなヤツが本当にいたとしたら 魔界の王にでもなりかねないな」

 

 

<サラボナ>

*「わん わん!」

*「誰か!お願いです!その犬をつかまえて下さい!

*「はあはあ……。ごめんなさい。この子がとつぜん走り出して…。

  いったいどうしたのかしら? さあいらっしゃい。リリアン!」

リリアン「わんわんっ! く〜ん く〜ん」

*「まあっ!?リリアンが私いがいの人になつくなんて初めてですわ。

  あなたはいったい……。

  …… ……。

  ……あらいやだわ。私ったらお名前も聞かずにボーッとして。

  お名前は…そうですか ○○さんとおっしゃるのですね。本当にごめんなさい。

  さあ リリアン帰るわよ。いらっしゃい!」

リリアン「わんわん!」

 

*「他の町でも有名な大金持ちルドマンさんが ひとり娘の結婚相手を募集するそうですよ。

  もちろん条件はきびしいですが 結婚が決まったら家宝の盾もくれるとか」

 

*「ルドマンさんもやっと娘を嫁にやる気になったみたいだね。

  娘さんはフローラといってね まるで白いバラのように清純な娘さんで……。

  これまで何人もの男たちが フローラさんに言い寄ったけど…

  父親のルドマンさんが 絶対に相手にさせなかったんだよ」

 

【ルドマン邸】

*「やあ あなたもフローラと結婚したくて来たんですか?

アンディ「ボクはアンディ。彼女とは幼なじみなんですよ。

     ボクはお金も宝もほしくありませんが 彼女が妻になってくれるなら……」

 

*「それではお時間となりましたので 応接間へお通しいたします。どうぞお入りください」

 

ルドマン「みなさん ようこそ!私がこの家の主人 ルドマンです。

     さて。本日こうしてお集まりいただいたのはわが娘フローラの結婚相手を決めるため。

     しかし ただの男にかわいいフローラを嫁にやろうとは思わんのだ。

     そこで条件を聞いてほしい。

     古い言い伝えによると この大陸のどこかに2つの不思議な指輪があるらしいのだ。

     炎のリング 水のリングと呼ばれ 身につけた者に幸福をもたらすとか。

     もしもこの2つのリングを手に入れ 娘との結婚指輪にできたなら よろこんで結婚を認めよう。

     我が家のムコにはその証として家宝の盾をさずけるつもりだ。

     では……」

*「待ってください!

ルドマン「フローラ!部屋で待っているように言っただろう」

フローラ「お父さま。私は今までずっとお父さまのおっしゃる通りにしてきました。

     でも夫となる人だけは 自分で決めたいんです」

フローラ「それにみなさん!炎のリングは溶岩の流れる危険な洞くつにあると聞いたこともあります。

     どうかお願いです!私などのために危ない事をしないでください」

フローラ「… …

フローラ「…あらっ?あなたはさっきの……

     それではあなたも私の結婚相手に?まあ……」

ルドマン「なんだ フローラ 知り合いなのか?

ルドマン「…ふむ。少しは頼りになりそうな若者だが……。

ルドマン「ゴホン!とにかくフローラと結婚できるのは 2つのリングをもって来た者だけだ!」

ルドマン「さあ フローラ 来なさい!」

 

*「やれやれ 大変な条件を出されたな」

 

フローラ「私の父は昔から強引なんです。

     あなたも危ないことをしないでくださいね。

     2つのリングなんてなくたって 私……。

     あなたには なんだかなつかしい雰囲気を感じますわ。

     もしかしたらずっと昔 どこかでお会いしたのかも知れませんね」

 

ルドマン「ん? なんだ まだいたのか。

     ウワサによると 炎のリングは南東の洞くつに眠っているということだ。

     2つのリングを手に入れなくては 娘との結婚は認めんぞ」

 

*「ごくろうさまでした。ではお気をつけて…。

  フローラさまはとてもおやさしい人ですから きっと良い奥さまになられますわ」

 

【街】

*「アンディから聞いたけど あんたもフローラと結婚したいんだってね。

  だけどフローラのことは あきらめてやってくれないかねえ。

  アンディは小さい頃から あの娘のことが好きだったんだよ」

 

*「本当かどうかは知りませんが…

  ルドマンさんの家にある盾は 天空の盾とかいう すごい宝だというウワサですよ」

 

*「ここに来る途中の山奥で とつぜん魔物に囲まれて足をやられちまってな。

  幸い近くの村の女の子が通りかかって 手当をしてくれたんで助かったが。

  ひとりで山を歩きまわるとは たいした女の子だ!」

 

アンディ「ボクは がんばって二つのリングを見つけてみせます!

     実はフローラのために呪文の勉強もしてるんですよ。

     …………メラ! なんちゃって」

(ベッド、燃える)

アンディ「わっ 大変だ!

     ヒャ ヒャ ヒャド!」

(火、消える)

    「と とにかくあなたには負けませんよ!」

 

【ルドマン邸】

*「なんだか私の若い頃を思い出すわ。

  うちの人もね 私と結婚するために危険な冒険をしたのよ。

  それで大ケガをして… なん日も看病したわね」

 

 

<死の火山>

アンディ「やあ あなたも ここまで来たんですか!

     この洞くつの奥には炎のリングが眠っているはず。おたがいがんばりましょう」

 

アンディ「うーん 暑いなあ。くらくらする…。でも負けないぞ…」

 

岩にうめこまれたリングがもえさかる炎のごとくかがやいている!

○○は炎のリングを見つけた!

○○は炎のリングを手に入れた!

 

 

<サラボナ>

*「お兄さんって ちょっとステキね。

  フローラさんが悩むのも無理はないわ。うふふ」

 

アンディ「うーん うーん。 フローラ……」

 

*「炎のリングを見つけたのか!アンディさんは大ケガして帰って来たのに。

  でもフローラさんが看病してくれるんだから いいよなあ…」

 

*「アンディが溶岩の流れる洞くつで 大ヤケドしたんだよ。

  フローラにまで心配かけて しょうのない息子だよ」

 

*「フローラちゃんは責任を感じて アンディの看病をしてくれとるんじゃ。

  本当にやさしい いい子だのう」

 

アンディ「うーん うーん。熱いよお……」

 

フローラ「あ!○○さん……。

     アンディがひどいヤケドをしてきて 熱が下がらないんです。

     あなたは大丈夫だったのですか?」

 (はい)

  「ああよかった……。ほっ……」

 (いいえ)

  「まあ!あなたもどこかおケガをっ!?

   え?うそ? からかったのね。ひどい人!」

 

ルドマン「おお!炎のリングを手に入れたか! うむ ○○とやらよくやった!

     では炎のリングは私があずかっておこう。よいな?」

 (いいえ)

  「それではフローラのムコになるのはあきらめると?

   はっはっは!キミはなかなかじょうだんがうまいな。

   では炎のリングは私があずかっておこう。よいな?」

  (はい)

○○は炎のリングをルドマンに手わたした!

ルドマン「さて……残りは水のリングだが……

     水のリングと言うからには 水にかこまれた場所にあるのかも知れんな。

     よし!町の外に私の船を止めておくから 自由に使うがいい。

     客船に使っているものとちがい小さな船だが キミと仲間が乗るにはじゅうぶんだろう」

 

 

 

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