二人の出会い

 

ロザリー「ピサロさま! お待ちください!」

デスピサロ「ぐ…ぐはあぁぁぁっ……! だ…だれだ……。 わが名を呼ぶその声は……。」

ロザリー「……わたしです。 ロザリーです。

     わかりませんか……。 あなたがさずけてくれたこの名前さえも……。

     ……思い出してくださいピサロさま。 わたしたちが出会ったあの日のことを……。」

デスピサロ「ぐ…ぐわあああっ……!」

 

 


 

エルフ「はあ… はあ… はあ……。」

男「はあ… は……。 くそっ見失ったか! 逃げ足の速いエルフだぜ……。

 はっはっはっ! そんな所にかくれてやがったか!

 お前さえふんづかまえれば オレさまもルビーの涙で大金持ちになれるんだ!

 さあ いいコだから おとなしくするんだぞ。 んんっ?

 なんだ? だれかいるのか!?

 う…うわああっ!!」

ピサロ「あぶないところだったな。」

エルフ「今のは…… 今のはあなたがやったのですか?」

ピサロ「そうだ。 欲深い人間のエルフ狩りが目に余ったのでな。」

エルフ「ひどい……。 なんてことを……。」

ピサロ「……ひどい? わたしはお前を助けたのだぞ。 それをひどいというのか?」

エルフ「なにも殺さなくても……。 人間だってわたしたちと同じ 生きとし生ける者なのに……。」

ピサロ「………………。

    わっはっはっ! エルフとは妙な生き物だな! おもしろい! 気に入ったぞ!

    エルフの娘。 名はなんというのだ。」

エルフ「……名前? わたしたち 森に暮らす者に…… 名前などありません。」

ピサロ「うーむ そういうものか。 しかしエルフの娘では呼ぶにも面倒だな。

    よし。 ならばお前は今日からロザリーと名乗るがいい。」

エルフ「ロザリー……?」

ピサロ「わたしが地上で世話になっている村からとった名だ。 気に入らないか?」

エルフ「いえ。 ただ 今までに人に名前で呼ばれたことがないので……。

ピサロ「ロザリー。 いつかお前をその村に招待しよう。

  それまで人間どもにつかまらぬよう 気をつけるのだぞ。

  また会いに来よう。 わたしの名前はピサロだ。 おぼえておいてくれ。

エルフ「…………。 ピサロ…さま……。」

 

 


 

デスピサロ「…ロ…ザ…… ……ロ…ロザリー……。」

ピサロ「…………!」

ロザリー「ピサロさま!!」

ピサロ「ロザリー……。 ロザリーなのか? ならばここは死の国なのか……?」

ロザリー「いえ。 ○○さんたちが世界樹の花で わたしに再び生命を与えてくださったのです。

     そして信じがたいことですが… わたしをさらったのは魔族にあやつられた人々かと……。」

ピサロ「世界樹の花……。 魔族にあやつられた……?

    ……人間たちよ。 おもしろくはないがお前たちに礼を言わねばならんようだな。

    お前たちはロザリーとこのわたしの命の恩人だ。 素直に感謝しよう。

    人間こそ真の敵と長年思いこんでいたが…… わたしはまちがっていたのか?

    ……この心が定まるまでわたしは村に戻り ロザリーと暮らすことにしよう。

    しかし…… ひとつだけやることが残っている。

    あいにくかも知れんが わたしも行く道は同じだ。 しばし同行だな。」

 

 

 

 

 

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