ピサロの不思議な呪文と特技
ピサロは強い。中でも凄いのは、その呪文と特技である。
まず、
MPを消費せずに、魔神斬りにメタル斬り、ドラゴン斬りといった強力な剣技から、真空波やムーンサルトといった、全体攻撃までこなす。レベルが上がれ
ばマダンテやジゴスパークなど非常に強力な呪文も覚え、「さすが魔族の王!」と
驚嘆せずにはいられない。もともと
DQ4には存在しない技を使うので、反則とも言える強さである。
しかし、不思議なのは、魔族の王であるピサロが、なぜトヘロスを使えるのかと
いうことである。公式ガイドブックによれば、トヘロスは、
「魔物が嫌う聖なるオーラをまとい、しばらくの間、
自分たちより弱い魔物を遠ざける」
とある。どう考えてもピサロが使えるのはおかしい。実際、ピサロは、教会や聖な
るほこら、天空城などがお気に召さないようだ。そんなピサロが、「聖なるオーラ」
をまとうはずがない。
しかし、思えばピサロは、破邪の剣やゴスペルリングなどを装備することができる。
特にゴスペルリングは、
「強力な聖なるオーラを放出しており、邪悪なる者どもをいっさい寄せ付けない」
というシロモノで、いかにもピサロが嫌がりそうな指輪である。これをピサロが
装備できるのはおかしい。
これらのことから考えられるのは、「トヘロスやゴスペルリングから放出されて
いるのは聖なるオーラではない」ということである。
恐らく「聖なる〜」というのは、魔物が嫌がるものに対し、人間が勝手にそう呼ん
でいるだけで、実際にマスタードラゴンの庇護を受けているわけではないのではないか。
となると、トヘロスやゴスペルリングも、「自分に敵意を持つ者を寄せ付けないように
する」というもので、魔物が近づけないのを見た人間が、それを「聖なるオーラ」と呼
んでいるだけなのではないか。
こう考えれば、ピサロがこれらの呪文や装備を使いこなせるのにも納得がいく。ひょ
っとすると、ピサロは、これらの呪文や道具の性質を理解せずに、勝手に「聖なる力」
と呼んでその気になっている人間達を、「やはり人間とは愚かなものだな…」などと
思っているのかもしれない。
2003.6.13
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