5章ルーラの謎
5章で導かれし者達を仲間にして、ルーラを使ってもらおうとすると、なぜか勇者が
これまで訪れたところにしか行くことが出来ない。キメラの翼でも同様である。これまで
の各章では行けたところに、5章になると行くことが出来なくなる。これは不思議だ。こ
とに不可思議なのは、マーニャが、行ったことがないはずのブランカにルーラで行くこと
が出来るという点である。不思議としか言いようがない。5章のルーラは謎に満ちている。
…まあ、ゲームバランスの問題なのだろうが、それで片づけてしまっては面白くないので、
この謎について少し考えてみることにしたい。
まず、それまでルーラもしくはキメラの翼で行けたところに5章では行けなくなると
いうことについて。
などが考えられる。
最初の「マスタードラゴンの力」については…こう考えると楽なのは確かだし、神(=制作者)
の力が働いているのは確実なので、あながち間違いともいえないのだが…あまりにもミもフタも
ないので、これについては置いておき、他の可能性について検討してみることにする。
2番目の「使用者が拒絶している」に関してだが、「これから船でモンバーバラ(サントハイムでもいいが)に向かう」という時にルーラの使用を拒絶する理由はないように思えるので、少々弱い。
そして、3番目と4番目に関して。ライアンやアリーナ一行は、国を出てからずいぶん
時が流れていると思われるし、トルネコも、レイクナバやボンモールを出てからはかなりの
月日が過ぎていると思う。あれだけ大きな船を造るには、それなりの時間も必要なはずだし。
だから、「月日が流れて記憶が風化している」というのはそこそこの説得力を持つと思う。
「ダイの大冒険」では、ルーラは「目的地を思い浮かべる」ことで使える呪文だったし。
記憶の風化でそこへ行けなくなっても不思議はない。だが、4章からはほとんど時間は
たっていないと思われるし、ブライにしてもライアンにしても、生まれ育った故郷をそう
簡単に忘れられるのか、という疑問が残る。まあ、トルネコに関しては、レイクナバの
出身かどうか明らかではないし、エンドールを第二の故郷として記憶が薄れてしまった
と考えてもそう無理はないと思うが……。
そこで出てくるのが、4番目の「ショックで軽い記憶喪失」である。2章
EDの「誰もいない城」や4章
EDの「失意の旅立ち」は十分に衝撃的だったし、ライアンも道中ホイミンを失ったことで、出会った土地の記憶が封印されたとも考えられる。そういえば、
4章でミネアとマーニャが故郷のはずのコーミズ村に徒歩で行かなければならないのも、
事件のショックのせいかもしれない。まあ、これに関しては、単にキメラの翼が手に
入らずまだルーラも使えなかったからという説の方が有力だが。とにかく、3章のトル
ネコ以外は、みんなショックな出来事にあっているから、思い出したくなくてルーラが
使えない…と考えても不思議はないと思う。
これで、「5章ルーラで行けない理由」についてはなんとか説明がついた(半ば無理矢理
ではあるが)。問題は、もう一つの「行ったことのないはずの土地に行ける理由」である。
まあ、トルネコに関しては、勇者達と辿ったルートがほぼ同じであるし、アリーナ一行や
ライアンもあちこちを回っているだろうから別にいいのだが、気になるのはマーニャと
ミネアである。4章
EDの後ずっとエンドールにとどまりブランカまでは行ったことがないはずなのに…なぜルーラでブランカへ行けるのか?マーニャはカジノから離れなかったみ
たいだから、ちょっとブランカまで行ってみた…なんてことはないだろうし。
そこで考えたのは、
の二つである。まあ一番目のは置いておくとしても……。
小説でブライがアッテムトへルーラを使うシーンがあったが、それによれば、ルーラは
何も使用者がイメージしなくても、仲間の誰かが目的の場所を強くイメージできればそれ
でいいらしい。勇者は、なにしろブランカから来たばかりなので、記憶の風化などは考え
られないし、衝撃的事件が起きたのは山奥の村で、ブランカとは何も関係ないので思い出
したくないということもないだろう。こう考えれば、マーニャのルーラでブランカへ
行けることも不思議ではない。
ということで、これら2つの謎については、取り敢えずの答えが出た。
仮説の域を出ないシロモノではあるが……。呪文には、謎が多い。
ピサロに解説してほしいところである。
2003.6.25