旅芸人パノン
世界一のお笑い芸人パノン。しかしその実態は、駄洒落のオンパレード!なのに、なぜ彼は、あれほどの人気を得ているのだろうか?
たぶん、ドラクエ世界の住人が、あまりギャグになじみがなかったということなのだろうが……そういえば、こちらでも、「竹取物語」にあった「駄洒落」が当時は「洒落」として受け入れられていたと聞くし……慣れていなければ、ああいう駄洒落でも、かなり面白く感じられるものかもしれない。
それにパノンは、いかなる時でも笑いへの反省と向上を怠らず、また相手の心理を読みとり、本質を突く鋭い目を持っている。
「王様がなぜ笑いたいのか」という点に着目したところは賞賛に値する。FC版では、単にいいギャグが思いつかなかったのではないかと邪推したこともあったが……PS版で彼と話して、その疑惑はきれいに拭い去られた。さすが、当代一の人気者は、一角の人物だった。きっと、笑い以外の世界でも成功しただろう。
せっかくパノンについて論じているので、ここで、彼が今まで放ったギャグについて、どのような評価を下しているか、下のように表にしてみた。
評価 |
ギャグ数 |
割合 |
傑作 |
4 |
8.5% |
良 |
11 |
23.4% |
イマイチ |
11 |
23.4% |
最悪で後悔 |
4 |
8.5% |
場にそぐわない |
3 |
6.3% |
よくできたつもり だが周囲には不評 |
3 |
6.3% |
よくできたつもりだが聞いたことがあるネタだったらしい |
2 |
4.2% |
無評価 |
9 |
19.1% |
総数 |
47 |
― |
以上のようになった。驚くべき事に、周囲の評価等を除いた彼本人の評価は、出来不出来が丁度半々なのである。
そして、総数からみると、使い物になるのは約3割、中でも傑作は一割に満たない。……お笑い芸人も、結構大変である。パノンは割と努力型なのだろう。当代一の人気者は、裏でこのような涙ぐましい努力をしていたのである。
2003.7.31